エンド後勇者、奴隷たちに振られまくる総受け生活

極寒の日々

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42犯罪者

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「愛しているよ、マサキ」

俺に伸し掛かったデイビッドが囁く。
流石の俺でもこの言葉が嘘であることはすぐに分かる。
不敵に笑うデイビッドを睨みつける。

「う、嘘だ…!」
「嘘なものか。僕は僕の役に立つ人間が大好きさ。マサキは地位も名誉も金もある。今まで出会った誰よりも僕に相応しいよ」

キスをしようとしているのか間近まで迫ってくるデイビッドの顔を手のひらでガードする。
一瞬あれ?という表情になったが、すぐに気を取り直して笑顔を作り直すデイビッド。

「ダメだよ。おいたをしちゃ」

俺のガードした手首を掴み強い力で抑えつけてきた。

「大人しくしていたら天国に連れて行ってやるよ。僕のテクニックで落ちない人間はいない。女でも男でもね」

ここにきてデイビッドがバイであったことが判明。
女性も愛せる人は苦手だ。どうせ最後は女性を選ぶんだから。
だが、デイビッドに関してはもうどうでもいい。
彼と恋人関係になることは、もう絶対にありえないのだから。

「君もすぐに僕に夢中になって全てを差し出したくなるよ。とくにマサキは初めてだろ? きっと狂うほどよがると思うな」
「い、いや、は、初めてじゃないけど…」

俺の否定に目を瞬かせていたが、見栄を張ったと思ったのか馬鹿にしたように鼻で笑った。

「マサキを相手にするモノ好きがいるとは思えないな。だって君ってホラ、なんて言うか人を苛立たせる性質があるっていうかさ」

俺を貶して自分の優位性を分からせようとしての発言だろう。
だが過去に何度も同じようなことを言われているのでもう耳にタコだ。
しかしこの喋り方も性格も自分の一部で直すものでもないと思っている。
俺は一生付き合っていくつもりだ。

「でも僕なら君を受け入れてあげるよ。大丈夫、僕に身を任せていればいい。セックスが終わるころにはきっと君は僕の恋の奴隷だ」

首筋に唇を寄せられて強く吸い付かれる。
そのままデイビッドの舌がねっとりと首筋をなぞる。

「セ、セックスっていうより、こ、これは強姦じゃないかな?」

掴まれた手首を外し、デイビッドの肩を押しだす。

「どちらだって一緒さ。誰にも相手にされない哀れな君を救う行為だ……っていうかなんで動けるんだよ!」

デイビッドが初めて声を荒げた。

「ワインには確かに毒は入っていたはずだ! なぜ効かない!」

ワインとは先程飲んだものだろう。
おそらくは筋弛緩性の毒でも仕込んであったと思われる。

「ご、強姦なら、ゆ、許されない犯罪だ」
「だからそれがなんだ! もう黙ってろよ!この僕が、お前みたいな愚図を抱いてやるっていってんだからありがたく感謝しろよ!」

うん、今強姦だと認めたな。
罪の自覚もある立派な性犯罪者だ。
楽しかったデイビッドとの思い出がさらさらと砂のように消えていく。

「デ、デイビッド。わ、忘れているかもしれないけど、お、俺って、ゆ、勇者だ」
「勇者なんて異世界から来た、ただのよそ者だろうが。よそ者のくせにこの世界で良い暮らししてホント良い身分だよな」

一応この世界の為に血反吐吐くほど努力して、命を張ったんだけどな。
しかしそんなことをデイビッドに分かって欲しいわけではない。
俺が分かって欲しいのは――

「ゆ、勇者って強いんだ」
「はは、マサキが?」

あざけるデイビッドの腕を振りほどき、押し倒されていた上半身を強引に起こす。
全身で抑えつけていたと思っていたデイビッドはあっさり抜け出した俺に驚きソファから転がり落ちた。


「ど、毒は効かない。ど、毒耐性のステータスが、つ、ついているから」
「っ……!?」

ようやく自分の置かれた状況を理解し始めたのか、床から俺を見上げるデイビッドの瞳に恐怖の色が見え始める。

「き、君は、ま、魔王よりも、つ、強いのかな?」
「ひっ…」
「ま、魔王は、つ、強かったよ。く、国一つ、は、破壊されて、お、俺たちも、な、何度も死にかけた。で、でも、さ、最後には勝って、ま、魔王は消滅した。デ、デイビッドは、そ、その俺に、か、勝てる、じ、実力があるんだろうね」
「勇者が僕みたいな一般人に手を出すつもりなのか!?」

恐怖に震えているデイビッドを見下ろしながら微笑んでやる。

「デ、デイビッドは、い、一般人じゃなくて、は、犯罪者だろ? ゆ、勇者の仕事は、は、犯罪を、ふ、防ぐことも、ふ、含まれているんだ。そ、そのために、ち、力を振るうことの、な、なにが問題なんだ?」

デイビッドの顔が絶望に歪んだ。
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