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55奇行
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「はぁ!? あの男に騙されたぁ!?」
「う、うん。か、金目当てだったらしい」
結局デイビッドの件をロキに話す羽目になった。
セイレスにはあまり聞かれたくないので廊下で説明する。
「だから近付くなって言ったじゃないですか! あんなの明らかにヤバい奴だってなんで分からないんですか!?」
「だ、だって、お、俺なんかに声かけてくれて、う、嬉しかったんだ…。だ、誰も相手にされない、お、俺なんかを、す、好きだって言ってくれたら、ま、舞い上がったって、し、仕方ないだろ」
「それなら俺がっ――」
一瞬言葉に詰まったロキは何かに葛藤するように思案していたが、ぶんぶんと頭を振って思考を蹴散らすような仕草をした。
「とにかく無事で良かったです。マサキ様の実力なら大丈夫だとは思いますが、なんか流されそうで心配です」
「お、襲われそうになったけど、ど、毒とか効かないから、へ、平気だった」
「よし、あいつ殺しておきましょう」
「ま、待って待って!」
剣に手をかけて歩き出そうとするロキの腕を抑える。
俺が掴んでいる腕をジッと見つめたロキは小さくため息をついた。
「いいですかマサキ様。マサキ様はご自分で思っているよりもずっと魅力的な方です。あんたを貶めるような態度ばかり取るこの屋敷の連中がおかしいんです。どうか自分の価値に気付いてください」
「な、な、な…」
手を取られて真剣な顔でそんなことを言われて自分が赤面しているのが分かる。
なんでこんなに俺に都合の良い言葉をくれるんだロキは。
こんなのもう一回好きになってしまうではないか。
だが同時に好意を向けてはいけないと改めて思う。
下心があるなんて思われて幻滅されたくない。
同性愛に嫌悪があるのに男に好意を寄せられても嬉しくないに決まっている。
「こ、この屋敷の人は、せ、正常だと思う。ロ、ロキが優しすぎるんだ」
同性愛が存在していたことには驚いたが、やはり元居た場所よりも遥かに受け入れられてはいないと思う。
屋敷の中での反応は当然だと思うし、経験上外でもそれはあまり変わらなかった。
そんな人間に行為を寄せられることは、嘲笑対象になってもおかしくない。
これ以上迷惑はかけられないので握られたロキの手をそっとほどいた。
「と、とりあえず、デ、デイビッドに、も、目的を聞いてみよう」
ロキの方を見ることなく歩き始める。
何も言わずにその後ろをロキが着いてきた。
******
「お前の狙いはなんだって聞いてんだよ。さっさと吐きやがれ」
デイビッドは庭の芝生に縛られたまま転がされていた。
その上に乗ったショーンが楽しそうにデイビッドに詰問している。
その横でアルが厳しい顔で佇んでいた。
「くっ…奴隷風情がこの僕にこんなことをしていいと思っているのか」
「だから誰だよお前。ロキの野郎はマサキ様のストーカーだって言ってたが、そんなモノ好きいるか? なぁアル?」
「ああ。そんなキモイ奴いるわけないな。あのマサキ様だぜ?金目当てじゃね? それかクローエのストーカーとか?」
「完全にそれだわ。ロキの奴、マサキ様のストーカーとか頭おかしいだろ」
「それな」
ショーンに乗っかられて苦しそうに呻くデイビッドを無視して楽しそうに盛り上がる二人。
「僕はマサキの恋人だ!お前ら覚えてろよ!」
「…あー、こいつ完全に頭イカれてるわ」
「…恋人」
デイビッドが訳の分からないことを叫んだ。
ショーンとアルの表情が固くなる。
そろそろ止めに入ろうと足を早めようとした時だ。
「なぁアル。知ってるかぁ?人間ってこうやって拘束してる時に地面に首を押さえつけると簡単に窒息するんだと」
「ショーン?」
「人間が窒息するところ見たくね?」
「ちょ…ぐっ…!?」
「いや、全然見たくないし。ちょっとふざけ過ぎじゃね」
ショーンがデイビッドの首の上に膝を乗せた。
苦しそうにバタつくデイビッドを嘲笑うショーン。
「だってこんなイカれた奴、死んでも問題ないじゃん。マサキ様に恋人なんか居るわけないだろ? そんな奴存在しちゃいけない。まぁ嘘だとは思うが、念のためサクッと殺してその辺に埋めようぜ」
ショーンの突然の奇行にアルは後退りする。
俺は慌てて叫んだ。
「ショ、ショーン!!」
ショーンはこちらを見ずに小さく舌打ちした。
「う、うん。か、金目当てだったらしい」
結局デイビッドの件をロキに話す羽目になった。
セイレスにはあまり聞かれたくないので廊下で説明する。
「だから近付くなって言ったじゃないですか! あんなの明らかにヤバい奴だってなんで分からないんですか!?」
「だ、だって、お、俺なんかに声かけてくれて、う、嬉しかったんだ…。だ、誰も相手にされない、お、俺なんかを、す、好きだって言ってくれたら、ま、舞い上がったって、し、仕方ないだろ」
「それなら俺がっ――」
一瞬言葉に詰まったロキは何かに葛藤するように思案していたが、ぶんぶんと頭を振って思考を蹴散らすような仕草をした。
「とにかく無事で良かったです。マサキ様の実力なら大丈夫だとは思いますが、なんか流されそうで心配です」
「お、襲われそうになったけど、ど、毒とか効かないから、へ、平気だった」
「よし、あいつ殺しておきましょう」
「ま、待って待って!」
剣に手をかけて歩き出そうとするロキの腕を抑える。
俺が掴んでいる腕をジッと見つめたロキは小さくため息をついた。
「いいですかマサキ様。マサキ様はご自分で思っているよりもずっと魅力的な方です。あんたを貶めるような態度ばかり取るこの屋敷の連中がおかしいんです。どうか自分の価値に気付いてください」
「な、な、な…」
手を取られて真剣な顔でそんなことを言われて自分が赤面しているのが分かる。
なんでこんなに俺に都合の良い言葉をくれるんだロキは。
こんなのもう一回好きになってしまうではないか。
だが同時に好意を向けてはいけないと改めて思う。
下心があるなんて思われて幻滅されたくない。
同性愛に嫌悪があるのに男に好意を寄せられても嬉しくないに決まっている。
「こ、この屋敷の人は、せ、正常だと思う。ロ、ロキが優しすぎるんだ」
同性愛が存在していたことには驚いたが、やはり元居た場所よりも遥かに受け入れられてはいないと思う。
屋敷の中での反応は当然だと思うし、経験上外でもそれはあまり変わらなかった。
そんな人間に行為を寄せられることは、嘲笑対象になってもおかしくない。
これ以上迷惑はかけられないので握られたロキの手をそっとほどいた。
「と、とりあえず、デ、デイビッドに、も、目的を聞いてみよう」
ロキの方を見ることなく歩き始める。
何も言わずにその後ろをロキが着いてきた。
******
「お前の狙いはなんだって聞いてんだよ。さっさと吐きやがれ」
デイビッドは庭の芝生に縛られたまま転がされていた。
その上に乗ったショーンが楽しそうにデイビッドに詰問している。
その横でアルが厳しい顔で佇んでいた。
「くっ…奴隷風情がこの僕にこんなことをしていいと思っているのか」
「だから誰だよお前。ロキの野郎はマサキ様のストーカーだって言ってたが、そんなモノ好きいるか? なぁアル?」
「ああ。そんなキモイ奴いるわけないな。あのマサキ様だぜ?金目当てじゃね? それかクローエのストーカーとか?」
「完全にそれだわ。ロキの奴、マサキ様のストーカーとか頭おかしいだろ」
「それな」
ショーンに乗っかられて苦しそうに呻くデイビッドを無視して楽しそうに盛り上がる二人。
「僕はマサキの恋人だ!お前ら覚えてろよ!」
「…あー、こいつ完全に頭イカれてるわ」
「…恋人」
デイビッドが訳の分からないことを叫んだ。
ショーンとアルの表情が固くなる。
そろそろ止めに入ろうと足を早めようとした時だ。
「なぁアル。知ってるかぁ?人間ってこうやって拘束してる時に地面に首を押さえつけると簡単に窒息するんだと」
「ショーン?」
「人間が窒息するところ見たくね?」
「ちょ…ぐっ…!?」
「いや、全然見たくないし。ちょっとふざけ過ぎじゃね」
ショーンがデイビッドの首の上に膝を乗せた。
苦しそうにバタつくデイビッドを嘲笑うショーン。
「だってこんなイカれた奴、死んでも問題ないじゃん。マサキ様に恋人なんか居るわけないだろ? そんな奴存在しちゃいけない。まぁ嘘だとは思うが、念のためサクッと殺してその辺に埋めようぜ」
ショーンの突然の奇行にアルは後退りする。
俺は慌てて叫んだ。
「ショ、ショーン!!」
ショーンはこちらを見ずに小さく舌打ちした。
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