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第1章
第9話「噛み合わない」
しおりを挟む急いで悪魔軍本部に帰ると、シャルルとシルヴァンが優雅にお茶をしていた。
シルヴァンは普段あまり悪魔軍本部に来ることがないのだが、一体どうしたのだろうか?
というか、何呑気にお茶なんか飲んじゃってるんだよ!大ピンチだぞ!?一大事なんだぞ!?もしかして事件に巻き込まれてること気づいてないのかよ!?
焦りまくっている俺に対してシャルルは
「エルベルト、お帰り。一体何をそんなに慌ててるんだ?プロテインでも切らしたか?」
と呑気に笑っていた。こいつ…!シルヴァンも俺を見つけると微笑んで話しかけてきた。
「お邪魔しているぞ、エルベルト。お前も紅茶飲むか?プロテインのほうがいいか?」
「いや、いい。ところでシルヴァン、一体何の用だ?」
「あぁ…お前はそろそろ事実に気づいた頃なんじゃないかと思って来てみただけだ。その慌てようだと気づいたようだな。」
「お前、相変わらず気持ちわりぃな…」
俺がそう言うと、シルヴァンは何故か嬉しそうにしていた。一方、シャルルはシルヴァンの言葉を聞いて膨れていた。
「えっ?俺とお茶したいって言ってたじゃん、この浮気者!せっかく美味しいお菓子用意したのに~」
「うるせーな、シャルルは黙ってろ。というか、シャルルは気づいてないのかよ?」
「は?何に?」
「マジか…おかしいな」
シャルルは悪魔軍でも飛び抜けて頭のいいヤツだ。コイツがランドルフの事件についての記憶がほとんど抜けていることに気づいてないなんて有り得るのか?
大体、ランドルフに会った時に事件について聞かなかったのか?
「お前…ランドルフに会った時に、あの事件について聞かなかったのか?」
「あぁ…そういえば、聞くのをすっかり忘れていたな…」
やっぱり、明らかにおかしい。こいつはそんなヘマをするような人間じゃない。もしかしてランドルフだけじゃなくこいつも…
「そうかよ…なぁ、シルヴァン…後で話がある。」
「あぁ、わかった。私も多分だがお前と同じ推測をしている。」
この会話を聞いてシャルルは更に膨れた。
「俺には教えてくれない感じか?けち」
「すまないな、シャルル。お前とランドルフに関するただの推測だから、これが正しいと証明されない限り教えられない。」
「フン、ガキは口出しすんなってことだ。」
「なんだそれ、余計気になるな。あとエルベルトは後で表出ろ」
「遠慮しとくぜ、年齢と武術以外はお前にゃ敵わん」
「まぁね。というか俺についての推測ってなんだ…?」
何やらぶつぶつと独り言を言いながら考え込んでしまったシャルルにシルヴァンは苦笑いして、
「色々と考えを巡らせているところ申し訳ないが、私はお暇させていただくぞ。シャルル、上手い紅茶と菓子をありがとう。」
「シャルル、俺はシルヴァンと話をしてくる。お前はここで大人しくしてるんだな。」
「憎たらしいヤツだな。…なるべく早く帰ってこいよ、最近また治安が悪くなってきてるからな。何かあったらすぐ報告してくれよな。」
「あぁ、はいはい、わかったわかった。お前はお節介だな。じゃあな。」
「では、またな。シャルル」
「あぁ…気をつけて。」
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