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第1章
第10話「黒幕は誰だ」
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悪魔軍本部から離れ、今は天使軍本部のシルヴァンの部屋にいた。
「シルヴァン、周りに誰もいないな?聞かれたら面倒だ。」
「あぁ、確認した。今はイライザも他の主要メンバーも出かけているみたいだ。」
「それならいいが…それで、話なんだが。お前の今のところの推測を聞かせてくれないか?」
「わかった。私の推測では…ランドルフだけでなく、シャルルも記憶を消されている、もしくは誰かに行動を操られていると思うんだ。
じゃなければ、彼がランドルフに事件について聞くことを忘れるなんて有り得ないからな。
大体、彼は『事件について聞いてくる』と言ってランドルフを探しに行ったんだから、明らかに今回の挙動はおかしい。
そして、ランドルフも事件についてほとんど忘れてしまっている。
もし誰かが…2人の記憶を操っていたのだとしたら。
それができる人物を私は1人しか知らないんだ。なぁ、エルベルト。お前もそうだろう?
もしかしたら…記憶を操られ、行動を操られたシャルルが、ギャレット一家殺人事件に関わっているかもしれないな。
ランドルフが殺されそうになっていた時、彼は明らかにランドルフを助けていたが…その時以外では有り得るかもしれない。
もし彼が事件に関わっていたとしたら、彼の居場所はどこにも無くなるだろう。…が、悪魔軍から彼がいなくなるのはかなり困る。彼の兄が戻ってきてくれれば話は別だが、何処にいるかもわからないしな。生きているかも…。
…兎に角、これが本当だったら…私達はこの事を公にすることはできない。もちろんランドルフにも隠すしかないだろうな。ランドルフには申し訳ないが、やはり私達には彼が必要だ。
まぁ正しいかどうかは知らないが…色々と調べてみる価値はあるだろうな。お前はどう考えている?」
「あぁ、俺はお前ほど深くは考えられてなかったけどな…。シャルルが記憶を消されている、もしくは操られているかもってのは俺も同じ意見だ。そしてそれができるやつは…俺も1人しか知らない。もしそいつが事件の黒幕だったとしたら…恐ろしいことになってきたぞ…。」
「しかも、その人が黒幕、もしくはそれ相応の人物だとすれば、強い力を持っていたはずのシャルルの兄をいとも簡単に拉致できたことへの説明も着く。一体何が目的なんだ…?」
そう言うなり、シルヴァンはううむと考え込んでしまった。俺はシルヴァンの話を頭に入れるだけで精一杯だから、考えることはお前に任せるぜ…
「どうにも、理由が見つからないな。……が黒幕だったとして、どうしてギャレット一家を憎む必要があるんだ?ギャレット一家と……一家との接触はほとんどなかったはずだが…あったとしたらランドルフが……を知らなかったのはおかしな話だ…」
何やらぶつぶつ言っているが、もう頭がパンクしそうなのでスルーすることにした。するとそれを察したのかシルヴァンは
「あぁ、エルベルト。お前はもう帰っていいぞ。そろそろ限界だろう。」
と苦笑いした。コイツのこういう所やっぱ気持ちわりぃわ。まぁ、それは事実なので今日のところは帰らせてもらうことにする。悪魔軍本部でオカン…じゃなくて、シャルルも心配していることだしな。
「あぁ…悪ぃな、シルヴァン。明日から俺は資料を集めることにする、何かわかったら連絡するからお前も何かわかり次第教えてくれ。」
「了解した。気をつけて帰れよ。お疲れさま。」
こうしてシルヴァンのもとを後にした。
ギャレット一家殺害事件にシャルルが関わっているなんて、信じたくないが…確率は大いにある。
資料を集めているうちにシャルルが悪事を働いたなんてことがわかったら…?
なんとなく、捜査に気が進まないでいた。だが、これもランドルフを守るためなのだ。
仕方ない、仕方ないと自分に言い聞かせ、俺は悪魔軍本部を目指した。
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