38 / 44
第38話 テディベア、ワープする
しおりを挟む
アイゴーの話によると、この森はかつて魔王領で、その頃に建造されたワープ装置が近くにあるらしい。それは魔王がいた頃には魔王城とこの辺りをつなぐ移動用のものだったらしい。
ジャックがアイゴーにたずねた。
「じゃあ、それですぐに旧魔王城にいけるのか?」
だったら、すっごくらくじゃーん。
でも、アイゴーはびみょうなこたえかたをした。
「もとはそうだったらしい」
「もとは?」
「今は、魔王城の門のすぐ外にでることもあれば、ちがうところにでるときもある」
ミャオリーがふしんそうに言った。
「みゃー。それだいじょぶみゃー? こわれてるみゃー?」
アイゴーはうなずいた。
「半分こわれている。でも、ちがうところにでても、ここよりは魔王城にちかいぞ」
「なるほど。じゃ、つかって損はないか」
というわけで、おれたちはとりあえず、アイゴーの案内でそのワープ装置があるところにむかった。
道のない所や、けもの道をアイゴーはどんどんと進んで行った。
もちろんちょくちょく魔物もでてくる。
でも、もうクリスティーナたんもすっかり魔物との戦いになれているから、ジャック、ミャオリーが盾役をやって、クリスティーナたんがどんどん魔法でたおしていった。
とちゅうで、ジャックが首をかしげていた。
「魔法って攻撃力高いけどMPを消費するから、魔法使いは魔力回復薬が大量に必要でレベル上げがたいへんって話なんすけど。おじょうさまはこんなに魔法使ってるのに、MPつきないっすね」
「くま様のおかげミャー」
「いやいや、テディはなにもしてないだろ?」
「テディのおかげだよ? ありがと。テディ」
クリスティーナたんはそう言って、常時テディハグ状態のおれの頭をなでた。
「ジャックはほんとうにおバカみゃー」
と、ミャオリーがジャックを完全にバカにして、ジャックが、
「だって、おれの解析スキルによると、テディは、「ただのテディベア(とってもかわいい)」、だぞ?」
と、言い返してたけど。おバカだねー。おれのこと、ただの動いて変形して、とってもかわいいだけのぬいぐるみだと思ってるなんて。
やがて、草木におおわれた石でできた建物が見えてきた。
「中も魔物はでる。外の魔物よりは強いが……問題ないな」
アイゴーはちらっとチェスター様やママさん、おじい様の方を見て言った。
おれもさっきテディアイでみてみたんだけど。
ママさんもレベル70超えてたし、おじい様なんてレベル90超えてたんだよな。レベルと戦闘力ってイコールではないけど、この人達、実はとんでもない人達だね。
ダンジョンみたいな建物内を進んでいってしばらく。
おれたちはワープ装置のある部屋にたどりついた。
大きな水晶みたいなものが置かれた台座がまん中にあって、その台座や下の石の床には魔法陣がきざまれている。
アイゴーが手前にあった石の柱のスイッチをさわると、水晶と石の床がひかりだした。
おじいさまが感心したように言った。
「ほう。本当にまだ転移装置がいきているのか。これはおもしろい。今の王国にはないロストテクノロジーだ。解析してこの技術をふたたび実用化したいものだが」
「父上。今は……」
「わかっている。行こう」
おれたちは全員光る石の床の上にあがった。
アイゴーは、水晶がのった台座に組み込まれている丸い石を押した。きゅうにあたりがはげしく強い光につつまれた。
気がついた時、おれとクリスティーナたんは、さっきまでとは全然ちがう場所にいた。
なんだか、とても臭くて、あたりが暗い。
空には暗い雲がたちこめていて、周囲にはまがましい色の沼がひろがっている。
そして、その沼地の向こうに暗い影のような城が見える。
たぶん、あれが旧魔王城だ。
どうやら、おれたちは旧魔王城のそばの沼地にワープしたみたいだ。
クリスティーナたんは暗い城の影を見て、小さな声でおれにささやいた。
「あそこにロビンがいるのね。だけど、テディ、どうしよう……」
うん、どうしよっか。
これは、こまったね。
こまったっていうか、大ピンチだね。
旧魔王城がそこに見えるっていうことは、この辺って、ものすっごく強い魔物がいるはずなのに。
「みんな、どこにいっちゃったの?」
今、ここにいるのは、おれとクリスティーナたんだけなのだ。
ジャックがアイゴーにたずねた。
「じゃあ、それですぐに旧魔王城にいけるのか?」
だったら、すっごくらくじゃーん。
でも、アイゴーはびみょうなこたえかたをした。
「もとはそうだったらしい」
「もとは?」
「今は、魔王城の門のすぐ外にでることもあれば、ちがうところにでるときもある」
ミャオリーがふしんそうに言った。
「みゃー。それだいじょぶみゃー? こわれてるみゃー?」
アイゴーはうなずいた。
「半分こわれている。でも、ちがうところにでても、ここよりは魔王城にちかいぞ」
「なるほど。じゃ、つかって損はないか」
というわけで、おれたちはとりあえず、アイゴーの案内でそのワープ装置があるところにむかった。
道のない所や、けもの道をアイゴーはどんどんと進んで行った。
もちろんちょくちょく魔物もでてくる。
でも、もうクリスティーナたんもすっかり魔物との戦いになれているから、ジャック、ミャオリーが盾役をやって、クリスティーナたんがどんどん魔法でたおしていった。
とちゅうで、ジャックが首をかしげていた。
「魔法って攻撃力高いけどMPを消費するから、魔法使いは魔力回復薬が大量に必要でレベル上げがたいへんって話なんすけど。おじょうさまはこんなに魔法使ってるのに、MPつきないっすね」
「くま様のおかげミャー」
「いやいや、テディはなにもしてないだろ?」
「テディのおかげだよ? ありがと。テディ」
クリスティーナたんはそう言って、常時テディハグ状態のおれの頭をなでた。
「ジャックはほんとうにおバカみゃー」
と、ミャオリーがジャックを完全にバカにして、ジャックが、
「だって、おれの解析スキルによると、テディは、「ただのテディベア(とってもかわいい)」、だぞ?」
と、言い返してたけど。おバカだねー。おれのこと、ただの動いて変形して、とってもかわいいだけのぬいぐるみだと思ってるなんて。
やがて、草木におおわれた石でできた建物が見えてきた。
「中も魔物はでる。外の魔物よりは強いが……問題ないな」
アイゴーはちらっとチェスター様やママさん、おじい様の方を見て言った。
おれもさっきテディアイでみてみたんだけど。
ママさんもレベル70超えてたし、おじい様なんてレベル90超えてたんだよな。レベルと戦闘力ってイコールではないけど、この人達、実はとんでもない人達だね。
ダンジョンみたいな建物内を進んでいってしばらく。
おれたちはワープ装置のある部屋にたどりついた。
大きな水晶みたいなものが置かれた台座がまん中にあって、その台座や下の石の床には魔法陣がきざまれている。
アイゴーが手前にあった石の柱のスイッチをさわると、水晶と石の床がひかりだした。
おじいさまが感心したように言った。
「ほう。本当にまだ転移装置がいきているのか。これはおもしろい。今の王国にはないロストテクノロジーだ。解析してこの技術をふたたび実用化したいものだが」
「父上。今は……」
「わかっている。行こう」
おれたちは全員光る石の床の上にあがった。
アイゴーは、水晶がのった台座に組み込まれている丸い石を押した。きゅうにあたりがはげしく強い光につつまれた。
気がついた時、おれとクリスティーナたんは、さっきまでとは全然ちがう場所にいた。
なんだか、とても臭くて、あたりが暗い。
空には暗い雲がたちこめていて、周囲にはまがましい色の沼がひろがっている。
そして、その沼地の向こうに暗い影のような城が見える。
たぶん、あれが旧魔王城だ。
どうやら、おれたちは旧魔王城のそばの沼地にワープしたみたいだ。
クリスティーナたんは暗い城の影を見て、小さな声でおれにささやいた。
「あそこにロビンがいるのね。だけど、テディ、どうしよう……」
うん、どうしよっか。
これは、こまったね。
こまったっていうか、大ピンチだね。
旧魔王城がそこに見えるっていうことは、この辺って、ものすっごく強い魔物がいるはずなのに。
「みんな、どこにいっちゃったの?」
今、ここにいるのは、おれとクリスティーナたんだけなのだ。
8
あなたにおすすめの小説
聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!
ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません?
せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」
不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。
実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。
あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね?
なのに周りの反応は正反対!
なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。
勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?
悪役令息の継母に転生したからには、息子を悪役になんてさせません!
水都(みなと)
ファンタジー
伯爵夫人であるロゼッタ・シルヴァリーは夫の死後、ここが前世で読んでいたラノベの世界だと気づく。
ロゼッタはラノベで悪役令息だったリゼルの継母だ。金と地位が目当てで結婚したロゼッタは、夫の連れ子であるリゼルに無関心だった。
しかし、前世ではリゼルは推しキャラ。リゼルが断罪されると思い出したロゼッタは、リゼルが悪役令息にならないよう母として奮闘していく。
★ファンタジー小説大賞エントリー中です。
※完結しました!
10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
【完結】パパ、私は犯人じゃないよ ~処刑予定の私、冷徹公爵(パパ)に溺愛されるまで~
チャビューヘ
ファンタジー
※タイトル変更しました。
「掃除(処分)しろ」と私を捨てた冷徹な父。生き残るために「心を無」にして媚びを売ったら。
「……お前の声だけが、うるさくない」
心の声が聞こえるパパと、それを知らずに生存戦略を練る娘の物語。
-----
感想送っていただいている皆様へ
たくさんの嬉しい言葉や厳しい意見も届いており一つ一つがすごく嬉しいのと頑張ろうと感じています。ご意見を元に修正必要な部分は随時更新していきます。
成長のため感想欄を閉じませんが公開はする予定ありません。ですが必ず全て目を通しています。拙作にお時間を頂きありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革
うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。
優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。
家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。
主人公は、魔法・知識チートは持っていません。
加筆修正しました。
お手に取って頂けたら嬉しいです。
モンド家の、香麗なギフトは『ルゥ』でした。~家族一緒にこの異世界で美味しいスローライフを送ります~
みちのあかり
ファンタジー
10歳で『ルゥ』というギフトを得た僕。
どんなギフトかわからないまま、義理の兄たちとダンジョンに潜ったけど、役立たずと言われ取り残されてしまった。
一人きりで動くこともできない僕を助けてくれたのは一匹のフェンリルだった。僕のギルト『ルゥ』で出来たスープは、フェンリルの古傷を直すほどのとんでもないギフトだった。
その頃、母も僕のせいで離婚をされた。僕のギフトを理解できない義兄たちの報告のせいだった。
これは、母と僕と妹が、そこから幸せになるまでの、大切な人々との出会いのファンタジーです。
カクヨムにもサブタイ違いで載せています。
追放令嬢、辺境王国で無双して王宮を揺るがす
遊鷹太
ファンタジー
王国随一の名門ハーランド公爵家の令嬢エリシアは、第一王子の婚約者でありながら、王宮の陰謀により突然追放される。濡れ衣を着せられ、全てを奪われた彼女は極寒の辺境国家ノルディアへと流される。しかしエリシアには秘密があった――前世の記憶と現代日本の経営知識を持つ転生者だったのだ。荒廃した辺境で、彼女は持ち前の戦略眼と人心掌握術で奇跡の復興を成し遂げる。やがて彼女の手腕は王国全土を震撼させ、自らを追放した者たちに復讐の刃を向ける。だが辺境王ルシアンとの運命的な出会いが、彼女の心に新たな感情を芽生えさせていく。これは、理不尽に奪われた女性が、知略と情熱で世界を変える物語――。
追放された悪役令嬢、農業チートと“もふもふ”で国を救い、いつの間にか騎士団長と宰相に溺愛されていました
黒崎隼人
ファンタジー
公爵令嬢のエリナは、婚約者である第一王子から「とんでもない悪役令嬢だ!」と罵られ、婚約破棄されてしまう。しかも、見知らぬ辺境の地に追放されることに。
絶望の淵に立たされたエリナだったが、彼女には誰にも知られていない秘密のスキルがあった。それは、植物を育て、その成長を何倍にも加速させる規格外の「農業チート」!
畑を耕し、作物を育て始めたエリナの周りには、なぜか不思議な生き物たちが集まってきて……。もふもふな魔物たちに囲まれ、マイペースに農業に勤しむエリナ。
はじめは彼女を蔑んでいた辺境の人々も、彼女が作る美味しくて不思議な作物に魅了されていく。そして、彼女を追放したはずの元婚約者や、彼女の力を狙う者たちも現れて……。
これは、追放された悪役令嬢が、農業の力と少しのもふもふに助けられ、世界の常識をひっくり返していく、痛快でハートフルな成り上がりストーリー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる