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第1部 グランドール魔術学校 ~亡国の古城と地底竜の守るもの~
第34話 魔法のカフェ
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テーブルの上に置かれたメニュー表をイーア達はのぞきこんだ。
「なににする?」
「どれもおいしそう!」
メニュー表には不思議なお菓子の名前が並んでいて、全部注文したくなっちゃうくらいだった。
でも、全部注文するわけにはいかないので、イーアは「虹色パフェ」を注文した。
キャシーは「歌う森のマカロン隊」、アイシャは「ダンディーダンスプリン」を注文した。
注文してしばらくすると、歌声が近づいてきた。
店員さんの調理部の女子生徒が、注文した品をのせたトレイを持って歩いてきた。そのトレイには虹色のパフェと黒いプリンがのっていて、それから、パクパクと動くマカロンを乗せたお皿があった。
イーアは思わず大きな声で言ってしまった。
「すごい! ほんとにマカロンが歌ってるよ?」
かわいいエプロンをつけた調理部の女子生徒が満面の笑顔で「歌う森のマカロン隊をご注文のお客様?」とたずね、キャシーが目を輝かせながら手をあげた。
キャシーの前に置かれたお皿には木の形のチョコレートが飾られていて、その前に動物の顔みたいな形の色とりどりなマカロンが並んでいて、パクパクと口を開け閉めしながら合唱している。
キャシーは胸の前で手をにぎりしめて叫んだ。
「信じられないかわいさ!」
「さすがグランドールの調理部だね」
調理部の女子店員はほこらしげな表情で「虹色パフェをご注文のお客様?」とたずね、イーアは「はい!」と元気よく答えた。
イーアの前に虹色パフェが、アイシャの前に黒いプリンが置かれた。
「どうぞごゆっくり」と笑顔で言って調理部の女子生徒は去っていった。
イーアの目の前でパフェの7色のストライプ模様が刻々と変化していった。
「これ、どうなってるんだろ?」
イーアが7色のパフェを眺めていると、キャシーは言った。
「料理魔法のレシピがあるんだって。グランドール調理部には秘伝レシピもあるってうわさ」
「へー。料理用の魔法があるなんて、はじめて知ったよ。おもしろそう!」
イーアはパフェを一口食べ、感動して涙を流しそうになった。
「おいしー! こんなにおいしいお菓子を食べたの、はじめて!」
そもそもイーアはパフェを食べたのがはじめてだった。
イーアは小さな頃からオームの町の一番おしゃれなお店のショーウィンドーに飾られているパフェを見ては、いつか食べてみたいなーと思っていたけど。初めて食べたパフェが色と味が変わる七色パフェになるとは、あの頃のイーアは想像もしなかった。
「オッペンもくればよかったのにね」
今頃オッペンは何をしているんだろうと思いながら、イーアは言った。
「ほんと。でも、オッペンのバカにこのカフェの良さは理解できなさそう」
そう言った後、キャシーはマカロンに手をのばした。
「きれいな歌声。おまけに、かわいくて、食べるのが……でも、食べちゃお!」
キャシーは歌うマカロンを一つ口にほおりこんだ。歌声は一つ消えちゃったけど、キャシーは幸せそうな顔で「おいしい!」と言った。
イーアはそこでアイシャの前に置かれた黒いプリンに興味をもった。
「アイシャのは? 黒い以外はふつうのプリンに見えるよね?」
アイシャが注文したダンディーダンスプリンは、見た目は黒一色で、一見地味な普通のプリンだった。
でも、アイシャがスプーンで触れると、とたんにプリンの形がびょーんとたてに伸びて、帽子をかぶったタキシード姿の人のような形になった。
そして、人型プリンが踊りはじめた。
「プリンがおどりだしたよ!」
「う~ん。ダンディーだよぉー」
アイシャはそう言いながら、ダンディーに踊る人型プリンをうっとりと見ている。
あの踊るプリンは、どこからどう食べればいいのかよくわからない。
イーアはすっかり感心してため息をついた。
「魔法ってこんなこともできるんだね。すごいね」
イーアはパフェを食べながら、こういうものを作る魔導士になるのもいいかも、と思った。
「調理部に入るのもいいよねぇ」
アイシャものんびりそう言ったけど、キャシーがずばっと言った。
「アイシャはもう美術部に入ってるでしょ」
「え? アイシャって美術部なの?」
イーアがたずねると、アイシャはのんびり笑った。
「えへへー。美術部はねー。最高だよぉ~。動く石像を作ったりねぇ、おしゃべりできる特別な絵を描いたりするんだよぉ。大好きなキャラの絵を描くとねぇ。しゃべってくれるから、天国だよぉー」
「すごいね」
イーアはアイシャの語る美術部の魅力を完全には理解できなかったけれど、石像が動いたり絵がしゃべったりするのはすごいと思った。
「あとで美術部のお手伝いに行くんだぁ。イーアも見に来てねぇー」
「うん。ユウリのコンテストが終わった後で行くね」
そう返事をしながらイーアは思った。
(部活かー。わたしも何か入りたいけど……)
イーアは部活の前にバイトを探さなきゃいけないことを思い出した。
授業料と寮費はウェルグァンダルが出してくれているけど、おこづかいまではもらっていない。
入学の時にナミン先生にもらったお金はもうほとんど残っていなかった。
ユウリはホーヘンハインからも奨学金をもらっていてお金に困っていないけど、さすがにユウリからおこづかいをもらうわけにはいかない。
イーアとキャシーが食べおわったところで、キャシーは学園祭のプログラムを見ながら言った。
「次は占術部の恋占いね」
ちなみに、ダンディーダンスプリンはしばらく踊り続けた後で疲れはてた様子になって、元のプリンに戻った。アイシャはダンスが終わった後で食べはじめたから、まだ食べている途中だ。
キャシーはイーアにたずねた。
「並ぶの覚悟しなきゃいけないけど、いいよね?」
「うん、いいよ」
イーアは別に恋占いには興味はないけれど、他に行きたいところもないから、キャシーとアイシャが行きたいところに行くつもりだった。長い列でもおしゃべりしていればすぐだ。
アイシャがプリンを食べ終えた後、イーア達は魔法のカフェを出て、占術部の恋占いへ向かった。
「なににする?」
「どれもおいしそう!」
メニュー表には不思議なお菓子の名前が並んでいて、全部注文したくなっちゃうくらいだった。
でも、全部注文するわけにはいかないので、イーアは「虹色パフェ」を注文した。
キャシーは「歌う森のマカロン隊」、アイシャは「ダンディーダンスプリン」を注文した。
注文してしばらくすると、歌声が近づいてきた。
店員さんの調理部の女子生徒が、注文した品をのせたトレイを持って歩いてきた。そのトレイには虹色のパフェと黒いプリンがのっていて、それから、パクパクと動くマカロンを乗せたお皿があった。
イーアは思わず大きな声で言ってしまった。
「すごい! ほんとにマカロンが歌ってるよ?」
かわいいエプロンをつけた調理部の女子生徒が満面の笑顔で「歌う森のマカロン隊をご注文のお客様?」とたずね、キャシーが目を輝かせながら手をあげた。
キャシーの前に置かれたお皿には木の形のチョコレートが飾られていて、その前に動物の顔みたいな形の色とりどりなマカロンが並んでいて、パクパクと口を開け閉めしながら合唱している。
キャシーは胸の前で手をにぎりしめて叫んだ。
「信じられないかわいさ!」
「さすがグランドールの調理部だね」
調理部の女子店員はほこらしげな表情で「虹色パフェをご注文のお客様?」とたずね、イーアは「はい!」と元気よく答えた。
イーアの前に虹色パフェが、アイシャの前に黒いプリンが置かれた。
「どうぞごゆっくり」と笑顔で言って調理部の女子生徒は去っていった。
イーアの目の前でパフェの7色のストライプ模様が刻々と変化していった。
「これ、どうなってるんだろ?」
イーアが7色のパフェを眺めていると、キャシーは言った。
「料理魔法のレシピがあるんだって。グランドール調理部には秘伝レシピもあるってうわさ」
「へー。料理用の魔法があるなんて、はじめて知ったよ。おもしろそう!」
イーアはパフェを一口食べ、感動して涙を流しそうになった。
「おいしー! こんなにおいしいお菓子を食べたの、はじめて!」
そもそもイーアはパフェを食べたのがはじめてだった。
イーアは小さな頃からオームの町の一番おしゃれなお店のショーウィンドーに飾られているパフェを見ては、いつか食べてみたいなーと思っていたけど。初めて食べたパフェが色と味が変わる七色パフェになるとは、あの頃のイーアは想像もしなかった。
「オッペンもくればよかったのにね」
今頃オッペンは何をしているんだろうと思いながら、イーアは言った。
「ほんと。でも、オッペンのバカにこのカフェの良さは理解できなさそう」
そう言った後、キャシーはマカロンに手をのばした。
「きれいな歌声。おまけに、かわいくて、食べるのが……でも、食べちゃお!」
キャシーは歌うマカロンを一つ口にほおりこんだ。歌声は一つ消えちゃったけど、キャシーは幸せそうな顔で「おいしい!」と言った。
イーアはそこでアイシャの前に置かれた黒いプリンに興味をもった。
「アイシャのは? 黒い以外はふつうのプリンに見えるよね?」
アイシャが注文したダンディーダンスプリンは、見た目は黒一色で、一見地味な普通のプリンだった。
でも、アイシャがスプーンで触れると、とたんにプリンの形がびょーんとたてに伸びて、帽子をかぶったタキシード姿の人のような形になった。
そして、人型プリンが踊りはじめた。
「プリンがおどりだしたよ!」
「う~ん。ダンディーだよぉー」
アイシャはそう言いながら、ダンディーに踊る人型プリンをうっとりと見ている。
あの踊るプリンは、どこからどう食べればいいのかよくわからない。
イーアはすっかり感心してため息をついた。
「魔法ってこんなこともできるんだね。すごいね」
イーアはパフェを食べながら、こういうものを作る魔導士になるのもいいかも、と思った。
「調理部に入るのもいいよねぇ」
アイシャものんびりそう言ったけど、キャシーがずばっと言った。
「アイシャはもう美術部に入ってるでしょ」
「え? アイシャって美術部なの?」
イーアがたずねると、アイシャはのんびり笑った。
「えへへー。美術部はねー。最高だよぉ~。動く石像を作ったりねぇ、おしゃべりできる特別な絵を描いたりするんだよぉ。大好きなキャラの絵を描くとねぇ。しゃべってくれるから、天国だよぉー」
「すごいね」
イーアはアイシャの語る美術部の魅力を完全には理解できなかったけれど、石像が動いたり絵がしゃべったりするのはすごいと思った。
「あとで美術部のお手伝いに行くんだぁ。イーアも見に来てねぇー」
「うん。ユウリのコンテストが終わった後で行くね」
そう返事をしながらイーアは思った。
(部活かー。わたしも何か入りたいけど……)
イーアは部活の前にバイトを探さなきゃいけないことを思い出した。
授業料と寮費はウェルグァンダルが出してくれているけど、おこづかいまではもらっていない。
入学の時にナミン先生にもらったお金はもうほとんど残っていなかった。
ユウリはホーヘンハインからも奨学金をもらっていてお金に困っていないけど、さすがにユウリからおこづかいをもらうわけにはいかない。
イーアとキャシーが食べおわったところで、キャシーは学園祭のプログラムを見ながら言った。
「次は占術部の恋占いね」
ちなみに、ダンディーダンスプリンはしばらく踊り続けた後で疲れはてた様子になって、元のプリンに戻った。アイシャはダンスが終わった後で食べはじめたから、まだ食べている途中だ。
キャシーはイーアにたずねた。
「並ぶの覚悟しなきゃいけないけど、いいよね?」
「うん、いいよ」
イーアは別に恋占いには興味はないけれど、他に行きたいところもないから、キャシーとアイシャが行きたいところに行くつもりだった。長い列でもおしゃべりしていればすぐだ。
アイシャがプリンを食べ終えた後、イーア達は魔法のカフェを出て、占術部の恋占いへ向かった。
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