月雨録

楓月

文字の大きさ

大中小

1 / 1

プロローグ

しおりを挟む

　　　　　　　グシャ！！！

　鋭い、何かが裂けたような音を立て壊れ始める何か。最期に聞こえた音は悲鳴と＿＿＿

　目が覚めると其処は彼の知らない所、彼の故郷でもない。
　しかし、彼はその場を知ってる、其処はスクランブル交差点、そう日本。彼はすぐに焦る、何が何でも離れようと人混みを掻き分け走る。まるで誰かから逃げるようにして...
　彼の名前は月影零(つきかげれい)。ムーンライズと言う地図にも乗ってない国に住む16の少年だ。少年は白と黒の袴を来た姿で後ろに刀を担ぎ息を切らしながら逃げる彼、血が袴に染み込んで徐々に赤くシミになっていく...

「っ...！？」

　逃げてる最中、彼は路地裏に逃げ込むと人にぶつかった表紙に後ろへ倒れる、慣れては居るが慣れない姿、慣れない地形。そしてなんと言っても彼は今目の前がボヤけている、今日は8/4、夏だ。水分も取らず、血を流し続けながら走っていた、出血多量で水分不足。シンプルに普通の人間はその状態で走らないだろう。

「大丈夫か？」

「だ、大丈夫...で...す...」

　そして彼は立ち上がろうとするも立ち上がれない、目がぐるぐると廻る。それに反応した彼、《アストラ》は彼が今物凄く危険であることを一瞬で分かっては「怪我してるのか」と聞く。しかし彼はその声すら聞こえず、バタリと倒れ意識を失い

しおりを挟む

感想

この作品は感想を受け付けておりません。