彼女は義妹の友達のお母さん

矢暗六九徒

文字の大きさ
8 / 8
第一章:突然の気持ち

第7話 見えちゃった

しおりを挟む
「ほら、ちょうどいい温度よ」

早紀さんがシャワーヘッドを手に取り、流れ出るお湯を手のひらで受けながら、とろけるような甘い声で言った。

「気持ちいいわよ……?」

それは、まるで熟した果実から溢れ出す蜜の罠。
巧妙に仕組まれた誘惑に、倖輔の思考回路は完全にショート寸前だった。

本能と欲望が、理性の堤防をじわじわと侵食していく。

「私も、汚れちゃったから……」

早紀が、麦茶の染みたTシャツの裾をクイと引っ張る。

強調される柔らかな曲線、布地越しに伝わる圧倒的なリアリティ。

倖輔は思わず生唾を飲み込んだ。

喉の奥がカラカラに乾き、熱を帯びていく。

微笑みの中、潤んだ瞳で上目遣いに見つめてくる彼女。

その瞳は、深淵のように妖しく輝き、倖輔の魂を丸ごと吸い込もうとしていた。

「じゃあ……一緒に入ってもいいかしら? ……隅々まで洗ってあげるから。ふふふっ」

ドクン、と心臓が大きく波打った。

狭い脱衣所を満たしていく白い湯気が、二人の輪郭を曖昧にし、現実感を奪っていく。

まるで、フルダイブ型RPGのバグ――ありえないはずの隠しイベントに迷い込んでしまったかのような、非現実的な静寂。

「えっ、えっと……っ」

「いいのよ。誰も帰ってこないわ。だいじょうぶ……」

耳元に吹きかけられたのは、悪魔の囁きよりも甘美な言葉。

目の前の女性は、もはや「義妹の友達のお母さん」ではない。

一人の、狂おしいほど魅力的な女性として、彼を求めている。
その認識が、倖輔の中に眠っていた「男」の鎖を、音を立てて引きちぎった。

「……いいの……? 本当に」

震える声で問いかける。それはもはや、シャワーの許可を求めているのではなかった。

早紀は答える代わりに、ゆっくりと、けれど確かな動作で、自らのTシャツの裾に指をかけた。

「だいじょうぶよ……。これは、私と倖輔くんだけの……秘密」

シュルリ、と布が頭上を抜け、床に落ちた。
露わになったのは、淡い水色のレースに包まれた、眩いばかりの女性の神秘。
目の前を埋め尽くす柔らかな曲線と、湯気に濡れて光る白い肌。

倖輔はただ息を呑み、そのあまりに美しい光景に釘付けになった。

運命の歯車は、もう誰にも止められない速度で、音を立てて回り始めていた。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

体育館倉庫での秘密の恋

狭山雪菜
恋愛
真城香苗は、23歳の新入の国語教諭。 赴任した高校で、生活指導もやっている体育教師の坂下夏樹先生と、恋仲になって… こちらの作品は「小説家になろう」にも掲載されてます。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

処理中です...