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第一章:突然の気持ち
第6.5話 幕間 其の一
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「あらあら……私ったら、なんてことを」
浴室へ着替えを取りに行く道すがら、私は熱を持った自分の頬を、冷たい指先でそっと押さえた。
心臓の音が、さっきから自分でも驚くほど騒がしい。
正直に言えば、最初はただの「いたずら心」だったのだ。
美咲ちゃんから聞いていた「かっこよくて、しっかり者のお兄ちゃん」。
どんな子かしらと思って玄関を開けたら、そこに立っていたのは、夕闇の中でどこか危うげな輝きを放つ、まだあどけなさの残る少年だった。
真っ直ぐな瞳。誠実そうな声。
そして何より、私がちょっとからかうたびに、耳まで真っ赤にして動揺する姿。
そんな彼のピュアな反応が、退屈な日常を過ごしていた私の中の「女の子」の部分を、ほんの少しだけ刺激してしまった。
(……でも、今のハプニングは、さすがにやりすぎよね)
テーブルを離れる際、私の腰を支えた彼の大きな手の感触が、まだ肌に残っている。
華奢に見えても、やっぱり男の子。驚くほど力強くて、熱くて。 重なり合って床に倒れ込んだとき、私の耳元で聞こえた彼の荒い息遣い。
そして、反射的に抱きしめられた時の、あの締め付けられるような胸の鼓動。
「……私のほうが、腰を抜かしてどうするのよ」
鏡に映った自分の顔を見て、思わずため息が出る。
髪は乱れ、Tシャツは濡れて透け、瞳はまるで初恋を知ったばかりの少女のように潤んでいる。
私はただ、彼を困らせて楽しむ「余裕のある年上の女性」でいたかったはずなのに。
彼の手が私の肩を撫でてくれたとき、その優しさに甘えたくなって、自分からその手に重ねてしまった。
あの時、私の体から力が抜けたのは、麦茶の冷たさのせいじゃない。
彼の中にある「男の子」の部分を間近に感じて、私の方が、あの子に当てられてしまったのだ。
「……詩織里さん、ごめんなさい。あなたの息子さん、想像以上に……素敵じゃないの!」
浴室へ着替えを取りに行く道すがら、私は熱を持った自分の頬を、冷たい指先でそっと押さえた。
心臓の音が、さっきから自分でも驚くほど騒がしい。
正直に言えば、最初はただの「いたずら心」だったのだ。
美咲ちゃんから聞いていた「かっこよくて、しっかり者のお兄ちゃん」。
どんな子かしらと思って玄関を開けたら、そこに立っていたのは、夕闇の中でどこか危うげな輝きを放つ、まだあどけなさの残る少年だった。
真っ直ぐな瞳。誠実そうな声。
そして何より、私がちょっとからかうたびに、耳まで真っ赤にして動揺する姿。
そんな彼のピュアな反応が、退屈な日常を過ごしていた私の中の「女の子」の部分を、ほんの少しだけ刺激してしまった。
(……でも、今のハプニングは、さすがにやりすぎよね)
テーブルを離れる際、私の腰を支えた彼の大きな手の感触が、まだ肌に残っている。
華奢に見えても、やっぱり男の子。驚くほど力強くて、熱くて。 重なり合って床に倒れ込んだとき、私の耳元で聞こえた彼の荒い息遣い。
そして、反射的に抱きしめられた時の、あの締め付けられるような胸の鼓動。
「……私のほうが、腰を抜かしてどうするのよ」
鏡に映った自分の顔を見て、思わずため息が出る。
髪は乱れ、Tシャツは濡れて透け、瞳はまるで初恋を知ったばかりの少女のように潤んでいる。
私はただ、彼を困らせて楽しむ「余裕のある年上の女性」でいたかったはずなのに。
彼の手が私の肩を撫でてくれたとき、その優しさに甘えたくなって、自分からその手に重ねてしまった。
あの時、私の体から力が抜けたのは、麦茶の冷たさのせいじゃない。
彼の中にある「男の子」の部分を間近に感じて、私の方が、あの子に当てられてしまったのだ。
「……詩織里さん、ごめんなさい。あなたの息子さん、想像以上に……素敵じゃないの!」
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