ニートの逆襲〜俺がただのニートから魔王と呼ばれるまで〜

芝桜

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第3章 ニートと帝国動乱

第19話 デュラハン戦

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「オルマ、この床板の先に40階層のボスがいる。情報ではデュラハン1体にデスナイト6体。そしてグリムリーパーが4体いるらしい。知ってるとは思うけど、死霊系のダンジョンのボスは人がフロアに入ってから現れる。まず最初に俺が突っ込んで結界を張るから、その間にオルマたちは直ぐに展開してくれ。そしてデスナイトが現れたらグリムリーパーに注意しつつ雪華騎士たちで倒してくれ」

 俺は40階層のボス部屋へと続く階段を上りきったところで、すぐ後ろにいるオルマへ振り向きボス部屋に入ってからの行動を指示した。


 41階層からメレスたちと攻略を開始して二日目の昼頃。俺たちは40階層に続く階段を見つけ、ボス戦に挑もうとしていた。
「はい。アクツ殿の指示通りに」

「ありがとう。ティナとメレスにリリアは、雪華騎士たちの後方で援護をしつつ伏兵として現れるグリムリーパーに対処。オリビアは俺と一緒にデュラハンを攻撃だ」

 俺はオルマの返事に頷いた後に、最後尾にいるティナたちへも指示をした。

「ええ、まかせて」

「わかったわ」

「よし、それじゃあとっとと処理してお宝をゲットするか」

「ふふふ、トレジャーハンターだものね」

「ははっ、そういうことだ。行くぞ! 」

 俺はティナの言葉に笑いかけてから魔鉄の剣を抜き、頭上にある40階層の床板を押し上げフロアへと踊り出た。

「『結界』! オルマ! 」

「ハッ! 」

 フロアに出てすぐに結界を張りオルマに合図をすると、雪華騎士たちが次々と階段を駆け上がりフロアへと展開していった。そしてその後をオリビアが続き俺の隣で大剣を構え、ティナとメレスたちは雪華騎士たちの背後に布陣した。

 そのタイミングで俺たちの目の前に、黒い霧に包まれた7つの塊が現れた。それは次第に形を整えていき、一つは漆黒の巨馬にまたがり、黒い鎧をまとった首のない騎士の姿に。残りはこれまで何度も戦ったデスナイトとして現れた。

 そして最後にデュラハンの足もとから、金色の宝箱が地面から現れたところで俺はスキルを放った。

「『滅魔』! 動きを鈍らせた! グリムリーパーに注意しつつ戦闘開始! 」

 俺はデュラハンたちが現れたと同時に魔力を吸収し、種族スキルを発動する魔力を奪い動きを鈍らせた後に戦闘開始の合図を出した。

 ちなみにデュラハンの種族スキルは、相手を恐慌状態に陥らせる精神攻撃と闇の刃を飛ばしてくるものがある。本来ならそういった種族スキルと、馬の機動力と剣技で手強い相手なんだけど俺の前ではただのデクの棒だ。奴にはオリビアの経験値になってもらう。

「「「了解! 」」」

 雪華騎士たちは一斉にデスナイトへと駆け出した。

「ウンディーネ! 天井と床に霧をお願い! 」

「フラウ! 動きを止めて!『氷河』! 」

 ティナはメレスの精霊魔法の威力が上がるよう、部屋の床と天井を薄い霧で覆った。

 そして続いて放ったメレスの精霊魔法により、デュラハンの騎乗する馬とデスナイトの足は凍りついた。

「オリビア行くぞ! 」

「はいっ! 」

 俺は彼女たちの動きを確認した後に、10mほど先で馬に乗り黒鉄の剣で馬の足の氷を砕こうとしているデュラハンへオリビアとともに駆け出した。

 デュラハンはS-ランクだ。B +ランクのオリビアでは敵わない相手だが、魔力を抜きスキルを放てないうえに動きが鈍くなっている。俺が援護に入ればオリビアでも余裕で倒せる。

「『千本槍』! オリビア! 」

「はいっ! ハァァァ……ハァッ! 」

 俺が発動した千本槍のスキルにより、デュラハンの乗る馬は地面から突然生えた土の槍に串刺しにされた。そしてそれによりバランスを崩したデュラハンへ、オリビアが大剣を大上段に構えながらデュラハンの肩目掛けて飛び掛かった。

 しかしオリビアの一撃は寸でのところで避けられ、デュラハンの右膝から先を斬り飛ばすに留まった。

 デュラハンは死霊だ。痛みなど感じない。

 その証拠に足を切り飛ばされてもデュラハンの動きは止まらず。剣を振り切り無防備となったオリビアへと、手に持つ剣をオリビアへと馬上から突き刺そうとしていた。

「させねえよ! 『豪炎』! フッ! 」

 俺は瞬時にオリビアとデュラハンの間に割って入り、豪炎のスキルを発動しデュラハンと馬を炎で包んだ。そして動きを止めたデュラハンへ下から剣を切り上げ、剣を持つ腕の肩から先を斬り飛ばした。

 豪炎のスキルは上級スキルに分類される。これは大阪の上級ダンジョンを攻略した際に手に入れた物だ。灼熱地獄より火力はあるが、単体攻撃しかできないし魔物の皮などの素材をダメにしてしまうから竜系のダンジョンではあまり使う機会がなかった。おかげで熟練度は未だにⅢのままだ。

 それでもSS +ランクの俺が放ったスキルだ。馬は消滅し、デュラハンにも大ダメージを与えることができた。

「オリビア! トドメだ! 」

「は、はいっ! 」

 炎に包まれ武器と馬を失い地面に落ちたデュラハンへ、俺はオリビアにトドメを差すように指示をした。

 オリビアはあまりの一瞬の出来事に固まっていたが、俺の声にすぐに反応し大剣をデュラハンの切断された肩の部分から鎧の内部へと突き刺した。

 オリビアの剣が深く刺さった瞬間。デュラハンは黒鉄の鎧を残し消えていった。

 周囲を見ると雪華騎士とメレスにより、デスナイトは残り2体にまで減らされていた。その2体もメレスの氷華乱舞により絶賛切り刻まれ中だ。なかなかエグい魔法だよなあれ。

「お疲れさんオリビア。良い動きだったよ」

 俺はデュラハンから剣を抜き終えたオリビアへと労いの言葉を投げかけた。

「そんな……私は最初の一撃を外してしまい隙を作ってしまいました。申し訳ありません」

「4ランクも格上の相手だったから仕方ないさ。それに二人で戦ったんだ。結果オーライだよ」

 俺は落ち込むオリビアの頬を撫でながらそう元気付けた。

「コウさん……」

「コウッ! グリムリーパーよ! 」

「あいよ! 『滅魔』! 」

 俺は後方から聞こえたティナの声に振り向き、壁から現れ雪華騎士たちの背後に忍び寄ろうとしていた4体のグリムリーパーへとスキルを放った。

 俺のスキルを受けたグリムリーパーは動きが止まり、そこへ雪華騎士とリリアが斬りかかっていった。



「殲滅完了! 」

「コウ殿! 倒しました! 」

「オッケー! みんなお疲れ様。それじゃあドロップ品を回収しようか。オリビアは俺と一緒にデュラハンが最初いた場所に現れた宝箱を開けよう」

 俺はオルマとリリアの報告を聞いたあと、皆にドロップ品の回収を頼んだ。

「「「了解! 」」」

「はい」

「さて、何が入ってるかな~」

 俺は目の前にある幅2mはある金色の宝箱をワクワクしながら開けた。

 すると中には直径1.5mの白い盾と、3冊のスキル書に8つの指輪。そしてマジックバッグとポーション類が入っていた。

「『鑑定』……おっ!? 魔防の盾にレアスキルの浄化のスキル書だってさ。マジックバッグは通常のやつで指輪は4等級の停滞の指輪だな」

「魔防の盾ですか? 失礼します。『鑑定』……なるほど。アダマンタイト製でスキルを無効化する盾というわけですね。自動修復と軽量化の特殊能力もついてますね。これは英雄級クラスの防具ですね」

「そうそう。アダマンタイトはクソ重いからね。これは良い装備だ。おーい! みんな! ちょっと来てくれ! 」

 俺は後ろでドロップ品を回収している皆を呼んだ。

「コウ、何か良い装備があったの? 」

「ああ、英雄級装備の魔防の盾と浄化のスキル書が当たりかな。あとは停滞の指輪の4等級が6個に護りの指輪3等級が2個。状態異常回復と魔力回復ポーションの3等級が5つずつってところだ」

 俺はメレスとリリアを連れてやってきたティナにそう答えた。

 ほかのスキル書は暗視と地図だったからな。ハズレといえばハズレかな。

「あら、30階層はハズレだったからあまり期待してなかったんだけど、結構な当たりね」

 まあ確かに30階層のボス部屋の宝箱は、普通のミスリルの剣と鎧にスキル書も普通の物ばかりだったからな。

「この盾はスキルを防ぎ軽量化と自動修復が付いてるからオルマに装備させようと思う。んで、浄化のスキルはリリアに。停滞の指輪は雪華騎士たちにあげようと思うんだけどいいかな? 」

 オルマは雪華騎士の隊長で51階層の攻略にも参加する。それに外でもメレスを守るのにこの装備は役に立つ。リリアは込めた魔力量に応じて死霊を消滅させることのできる浄化のスキルを手に入れれば、お化けが苦手なのを克服できるはずだ。

「いいわよ。私たちには必要ないし」

「なっ!? 英雄級装備を私にですか!? アクツ殿がいなければ犠牲が出てもおかしくなかったこのダンジョンで、ほとんど無傷で戦っていた私がそのように貴重なものを頂くわけには……」

「そ、そうです! 光殿がいなければ、とても40階層のボスを倒すことなど私たちにはできませんでした。それに浄化のスキルはレアなスキルです。私も何度も購入しようと探しましたが、市場にまったく出てこないほどのものです。せめて代金を支払わせてください! 」

「まあまあ、みんなで倒したんだしさ、二人には受け取る権利がある。だから黙って受け取ってよ。まだこのあと41階層に戻って51階層でも戦うんだしさ。ほら、受け取って」

 俺はそう言って遠慮するオルマとリリアに無理やり盾とスキル書を手渡した。そして俺とティナとオリビアは護りの指輪とマジックバッグをもらい、残り9人の雪華騎士の団員に停滞の指輪を全て渡した。その際に俺の持っている同じ等級の停滞の指輪を三つプラスしたよ。彼女たちが取り合う姿を見たくないからな。その代わり今回の攻略で手に入れた素材は全て俺がもらうことを了承してもらった。

 雪華騎士たちは喜んでたよ。みんな公爵家に連なる家の子たちだけど、3女とかだから老化速度が2分1の5等級か、色が薄くなった老化速度が3分1になる4等級の停滞の指輪しか嵌めてなかったからな。

 ちなみに老化速度が5分1になる3等級は貴重で、伯爵家当主クラスが持っているレベルだ。モンドレットが嵌めてたのも4等級だった。4等級と3等級では取得難易度が跳ね上がるからな。死霊系の上級ダンジョンの最下層で手に入るのが3等級ってレベルだし。

「「「ありがとうございますアクツ殿! 」」」

「いいよいいよ。みんなにはずっと若いままでいて欲しいし」

 みんな嬉しそうだ。これで水着なし混浴に一歩近付いたかも。最近はだんだん皆が過激な水着を着るようになってきたし。

「アクツ殿。私だけではなく団員たちにも……ありがとうございます」

「光殿。ずっと欲しかったスキルをありがとうございます。これでメレス様をお守りできます」

 オルマもリリアも嬉しそうだ。普段はカッコイイお姉さんって感じのオルマが、こんなに嬉しそうにするのは珍しいな。よほど嬉しかったんだろうな。

 リリアも少女みたいに満面の笑顔だ。まさか欲しくて探していたスキルだったとは知らなかった。かなり俺の好感度が上がったんじゃないか? 今度デートに誘ってみようかな。メレスをデートに誘うと必ず付いてくるリリアを落としてから、メレスを落とす。そして三人でベッドへ……完璧な作戦だな。

「ふふふ、これでリリアも安心ね」

「でもエスティナ。私は幽霊を怖がるリリアを見れなくなるのが残念だわ」

「メレス様! 酷いです! 」

「ふふっ、嘘よ。よかったわねリリア」

「はい……光殿に感謝してます」

「別に気にしないでいいよ。この先を進めばもっと良い物が手に入るしね。さて、階層転移室に戻ろうか」

 俺は喜ぶ雪華騎士たちとリリアを連れて41階層へと戻るのだった。

 そして来る時と同じように、デスナイトとグリムリーパーと戦闘を重ねていった。

 もうさ、リリアがイキイキとしちゃって、浄化のスキル撃ちまくりだったよ。ただ、さすがにB+ランクのグリムリーパーを消滅させるにはかなりの魔力が必要だ。結局戦いの度に俺が魔力を補充していく感じになった。そしたらリリアはもう俺がいないと生きていけないとか言ってたっけ。まあダンジョンでということなんだろうけど、可愛い女の子に言われると嬉しくてちょっと浮かれちゃったよ。そんな俺を見たティナとオリビアが笑ってたけど。

 そして半分くらい進んだところでその日は休むことになった。途中の小部屋に隠者の結界と、魔物が来たらテント内に知らせてくれる警戒の黒石。そして罠として設置式魔力矢を複数仕掛た。それから俺と恋人用にマジックテント特級を張り、メレスとリリア用にマジックテント高級を、騎士団員用にマジックテント上級を二張り展開して俺たちはそれぞれがテントに入った。

 特級のテントは俺とティナとオリビア専用とはいえ、前の日同様メレスとリリアがシャワーを浴びたあとに遊びにきた。しかしタイミングが悪く俺がティナとオリビアとシャワーを浴びながら、二人がかりで胸と口を使ってスッキリさせてもらって出てきたところだったんだよね。初日はもうちょっと遅くにきたから油断してたよ。

 俺もティナもオリビアもバスローブ一枚で浴室から出てきていて、明らかに三人でシャワーを浴びてましたってバレバレでさ。その姿を見たメレスは頬を染めて目を逸らして、リリアなんて顔を真っ赤にしちゃってたよ。お互い気恥ずかしかった。ティナだけは堂々としてたけど。

 それから部屋着に着替えて一緒に夕食を食べて、少しお酒を飲みながらみんなでトランプをして遊んだ。メレスのババ抜きは最強だった。マジで表情読めないんだよ。そしてそろそろ寝ようかということになり、メレスとリリアをテントまで送ってから、俺はティナとオリビアと一緒にベッドで愛し合った。

 もうオリビアの大きなプリ尻と、ティナの形が良く柔らかい小尻を並べて後ろからするのが最高でさ。自宅でも俺の希望で三人でよくしているよ。最初は抵抗していたティナとオリビアの百合もサイコーだし、俺はこんなにエロい恋人を持てて超幸せ者だ。


 さて、明日は一旦地上に戻って、雪華騎士たちのメンバーを入れ替えてから51階層だな。

 そろそろアダマンタイト鉱石が途中の宝箱から現れるみたいだし、これを機に大量に手に入れて盾を作って脳筋の獣人連隊に持たせるかな。アイツら射撃ヘタだからな。もう盾と剣を持たせて突っ込ませた方がいいわ。

 俺はティナとオリビアと数回ずつ楽しんだ後。二人を両腕に抱き抱えつつ、そんなことを考えながら眠りについたのだった。




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