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九・ニエル、ユージンと喧嘩する!?
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アイアンズ家には幾度となく訪れてはいるものの、意外にも演習を見学したことは殆どない。早朝や夕方に行っているからなのだが、たまたま家の前を通りかかったので引き寄せられるまま覗くことにした。
護衛騎士であるフランクがみなの手本になり、先頭で号令をかけながら素振りしている。しばらくして素振りを終えると、今度は二人一組になり、剣を引き抜き剣術を磨き合う。もっと間近で見たくなったので邪魔しないように近づく。
(俺のような素人とはやっぱり違うな)
アイアンズ家の守護神とも呼ばれているフランクの剣捌きは見事だ。無駄な動きが一切なく、相手も手練れだというのに的確に弾き返している。
「あっ、危ない!」
「わっ!」
すると突然、弾いた刃先が欠けてニエルに向かって飛んでくる。慌てて回避する。
「お怪我はないですか!?」
「ああ、はい。驚いただけで、平気です」
太腿付近まで届いたが、刃先が掠っただけで刺さることはなかった。こういうこともあるため、兵士はきちんと防具を身に着けている。ニエルは反省した。
「待ってください、太腿から血が滲んでいます!」
「えっ!? あ、本当だ」
視線を落とすと確かにじわじわと赤く染まり始めていた。まったく痛みがなかったので気づくのが遅れてしまった。辺りが騒然としてしまう。
「今すぐ病院へ行きましょう。私が連れて行きます!!」
「え? あ、いや、問題ないので気にしないでください!」
「そういうわけにはいかないですよ!」
大丈夫だと言っているのに心配性のフランクは、ニエルの体を抱き上げようとした。こんな大勢見ている前だというのに、抱えられてしまったら恥ずかしすぎる。
「フランクさん。ご迷惑じゃなければ、替えのズボンを貸してください」
「で、ですが……」
「ああ、迷惑ですよね。やっぱりこのまま帰ります」
「わ、わかりました! こちらです。せめて手当てをさせてください」
「……お願いします」
ユージンに見つかれば、大変なことになるのは目に見えている。さっさと移動したかった。しかし、そんなことを考えているときに限って見つかってしまうものだ。そういうものだ。
室内に案内され椅子に腰かけ待つように言われる。程なくしてズボンと救急箱を手にフランクが戻ってくる。自分でやるつもりだったのに、フランクは部屋から出ることなく、ニエルの前に跪いた。
「フランクさん。自分でできるので、もう演習に戻ってください」
「気にしないでください。傷の手当てなら慣れていますから」
「そうじゃなくて! 誰かに見られでもしたら面倒になりますよ」
「私は気にしません」
(気にするのはフランクさんじゃなくて、ユージンだよ!)
ただフランクの身を案じているだけなのに、はっきり言わないからか本人には少しも伝わらなかった。仕方ない。時間は刻一刻と流れるのに、ここで押し問答するわけにはいかない。
「……わかりました。手早くお願いします」
「承知しました」
立ち上がりズボンを脱ぐと、フランクは一瞬、動きを止めた。どうしたんだろうかと声をかけようとしたそのとき。危惧した通りの展開になってしまった。
「一体なにをしてるんだ! 二人とも!」
「ユージン!」
「ユージン様……」
タイミングが悪すぎる。ズボンを下した瞬間に扉を全開にされてしまった。血相を変えて駆け寄ってくる。どう言い訳するか、ニエルは頭を悩ませる。誤解だというのもおかしいし、なにかないかと必死に巡らせる。
「な、なんでもないよ」
「なんでもないのに、きみは密室で服を脱ぐのか?」
「えーと、傷の手当てをしてもらってるだけだ」
「傷? 本当だ……切れてる……」
ニエルの太腿を目にしたユージンは、心配そうな顔つきをしていたのに一瞬のうちに目元が険しくなった。側にいたフランクに向き直る。
「フランク中将!」
「ハッ!」
名前を呼んでから、ユージンはきつく睨みつける。
「一か月の謹慎処分を言い渡す」
「ユージン!? ちょっと待てよ!」
「……承知しました」
「わかったのなら、さっさと退室するように」
そういうなりフランクはこの場を後にしてしまった。ニエルが勝手に見学して怪我をしただけなのに、フランクに厳しい処分が下されてしまった。こんな理不尽、あっていいわけがない。少々強引だったが、フランクの行動に落ち度はない。欠けた刃がたまたまニエルのいる方向に飛んで怪我をしたものだから、心配して手当てしてくれようとしただけだ。それだけだ。
「……こうなるから、だから言わなかったんだ。ユージンはすぐそうやって周囲を罰するけど、ちゃんと俺の話は聞いてくれた?」
一度や二度では済まされない。ユージンは、ニエルのことになると過剰に反応するきらいがある。どういうわけか嫉妬深くなるのだ。ヒロインであるイリーナですらそこまで執着心を見せていなかった。だから、今一度ちゃんと考えてほしかったのに、見当違いの言葉が口から飛び出した。
「ニエル。もしかして……フランクに気があるのか?」
(なんだよ、それ──!!)
いくらなんでもその一言が信じられなかった。
「ユージン。しばらくお前の顔は見たくない」
「ニエル!?」
「反省するまで会わないし、週末の訓練も来ないから。じゃあ」
これ以上ここにいても無意味だ。そう判断したニエルは衣服を整えて帰ろうとする。
「無理やり引き留めたら、お前とは婚約破棄する」
動揺しつつも追いかけようとしたので、きっちり釘を差す。着替えを借りず、手当てもしないままニエルは家路についた。
帰宅してしばらくしても、一向にニエルの機嫌はよくならなかった。文句の一つや二つ、言いたくなるのも無理はない。料理長に山ほど料理をこさえてもらい、全部綺麗に完食してからふて寝した。
そんなニエルの元へ、意気消沈といった様子のユージンが訪ねて来たのは夕刻。両手に抱えきれないほどの食べ物を持参している。どれもこれもこの辺りでは売っていないものばかりで、必死に買い集めたのだろう。
「……なんの用」
「フランクから事情を聞いた。彼の処分は撤回して、有給休暇と賞与で許してもらった」
不当な処分は取り下げられたと知り安堵する。あのままでは、ニエルに蓄積している罪悪感がまた増えるだけだ。
「ちゃんと反省してるのか?」
「……うん」
「今後は暴走しないって誓わないと、俺はユージンを許せない」
「わかった、約束する」
今回だけは謝罪を受け入れ信じることにした。
「どうして暴走するのか聞いてもいいか?」
「…………今は言えない」
それについては事情があるのか答えてもらえなかった。
目の前にいるユージン・アイアンズと、妹が遊んでいたゲームの世界で生きるユージン・アイアンズは、似ているようでどこか違う気がした。
護衛騎士であるフランクがみなの手本になり、先頭で号令をかけながら素振りしている。しばらくして素振りを終えると、今度は二人一組になり、剣を引き抜き剣術を磨き合う。もっと間近で見たくなったので邪魔しないように近づく。
(俺のような素人とはやっぱり違うな)
アイアンズ家の守護神とも呼ばれているフランクの剣捌きは見事だ。無駄な動きが一切なく、相手も手練れだというのに的確に弾き返している。
「あっ、危ない!」
「わっ!」
すると突然、弾いた刃先が欠けてニエルに向かって飛んでくる。慌てて回避する。
「お怪我はないですか!?」
「ああ、はい。驚いただけで、平気です」
太腿付近まで届いたが、刃先が掠っただけで刺さることはなかった。こういうこともあるため、兵士はきちんと防具を身に着けている。ニエルは反省した。
「待ってください、太腿から血が滲んでいます!」
「えっ!? あ、本当だ」
視線を落とすと確かにじわじわと赤く染まり始めていた。まったく痛みがなかったので気づくのが遅れてしまった。辺りが騒然としてしまう。
「今すぐ病院へ行きましょう。私が連れて行きます!!」
「え? あ、いや、問題ないので気にしないでください!」
「そういうわけにはいかないですよ!」
大丈夫だと言っているのに心配性のフランクは、ニエルの体を抱き上げようとした。こんな大勢見ている前だというのに、抱えられてしまったら恥ずかしすぎる。
「フランクさん。ご迷惑じゃなければ、替えのズボンを貸してください」
「で、ですが……」
「ああ、迷惑ですよね。やっぱりこのまま帰ります」
「わ、わかりました! こちらです。せめて手当てをさせてください」
「……お願いします」
ユージンに見つかれば、大変なことになるのは目に見えている。さっさと移動したかった。しかし、そんなことを考えているときに限って見つかってしまうものだ。そういうものだ。
室内に案内され椅子に腰かけ待つように言われる。程なくしてズボンと救急箱を手にフランクが戻ってくる。自分でやるつもりだったのに、フランクは部屋から出ることなく、ニエルの前に跪いた。
「フランクさん。自分でできるので、もう演習に戻ってください」
「気にしないでください。傷の手当てなら慣れていますから」
「そうじゃなくて! 誰かに見られでもしたら面倒になりますよ」
「私は気にしません」
(気にするのはフランクさんじゃなくて、ユージンだよ!)
ただフランクの身を案じているだけなのに、はっきり言わないからか本人には少しも伝わらなかった。仕方ない。時間は刻一刻と流れるのに、ここで押し問答するわけにはいかない。
「……わかりました。手早くお願いします」
「承知しました」
立ち上がりズボンを脱ぐと、フランクは一瞬、動きを止めた。どうしたんだろうかと声をかけようとしたそのとき。危惧した通りの展開になってしまった。
「一体なにをしてるんだ! 二人とも!」
「ユージン!」
「ユージン様……」
タイミングが悪すぎる。ズボンを下した瞬間に扉を全開にされてしまった。血相を変えて駆け寄ってくる。どう言い訳するか、ニエルは頭を悩ませる。誤解だというのもおかしいし、なにかないかと必死に巡らせる。
「な、なんでもないよ」
「なんでもないのに、きみは密室で服を脱ぐのか?」
「えーと、傷の手当てをしてもらってるだけだ」
「傷? 本当だ……切れてる……」
ニエルの太腿を目にしたユージンは、心配そうな顔つきをしていたのに一瞬のうちに目元が険しくなった。側にいたフランクに向き直る。
「フランク中将!」
「ハッ!」
名前を呼んでから、ユージンはきつく睨みつける。
「一か月の謹慎処分を言い渡す」
「ユージン!? ちょっと待てよ!」
「……承知しました」
「わかったのなら、さっさと退室するように」
そういうなりフランクはこの場を後にしてしまった。ニエルが勝手に見学して怪我をしただけなのに、フランクに厳しい処分が下されてしまった。こんな理不尽、あっていいわけがない。少々強引だったが、フランクの行動に落ち度はない。欠けた刃がたまたまニエルのいる方向に飛んで怪我をしたものだから、心配して手当てしてくれようとしただけだ。それだけだ。
「……こうなるから、だから言わなかったんだ。ユージンはすぐそうやって周囲を罰するけど、ちゃんと俺の話は聞いてくれた?」
一度や二度では済まされない。ユージンは、ニエルのことになると過剰に反応するきらいがある。どういうわけか嫉妬深くなるのだ。ヒロインであるイリーナですらそこまで執着心を見せていなかった。だから、今一度ちゃんと考えてほしかったのに、見当違いの言葉が口から飛び出した。
「ニエル。もしかして……フランクに気があるのか?」
(なんだよ、それ──!!)
いくらなんでもその一言が信じられなかった。
「ユージン。しばらくお前の顔は見たくない」
「ニエル!?」
「反省するまで会わないし、週末の訓練も来ないから。じゃあ」
これ以上ここにいても無意味だ。そう判断したニエルは衣服を整えて帰ろうとする。
「無理やり引き留めたら、お前とは婚約破棄する」
動揺しつつも追いかけようとしたので、きっちり釘を差す。着替えを借りず、手当てもしないままニエルは家路についた。
帰宅してしばらくしても、一向にニエルの機嫌はよくならなかった。文句の一つや二つ、言いたくなるのも無理はない。料理長に山ほど料理をこさえてもらい、全部綺麗に完食してからふて寝した。
そんなニエルの元へ、意気消沈といった様子のユージンが訪ねて来たのは夕刻。両手に抱えきれないほどの食べ物を持参している。どれもこれもこの辺りでは売っていないものばかりで、必死に買い集めたのだろう。
「……なんの用」
「フランクから事情を聞いた。彼の処分は撤回して、有給休暇と賞与で許してもらった」
不当な処分は取り下げられたと知り安堵する。あのままでは、ニエルに蓄積している罪悪感がまた増えるだけだ。
「ちゃんと反省してるのか?」
「……うん」
「今後は暴走しないって誓わないと、俺はユージンを許せない」
「わかった、約束する」
今回だけは謝罪を受け入れ信じることにした。
「どうして暴走するのか聞いてもいいか?」
「…………今は言えない」
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