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六.趙眠の企み【2】
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そんな経験から、嫌な気持ちだけが春鶯の心に深く残ってしまった。苦が過ぎる記憶だ。それがきっかけで、一時期、宿屋で働くことに怖さを感じていたが、継母である趙嬌に、好き勝手されて楓流軒の評判を落としたくなかったので、自らを奮い立たせて仕事に励んだ。
その心の傷を、楚月は優しく拭い去ってくれたのだ。楚月の言葉のおかげで、春鶯の心は温かい光に包まれるように、じんわりと温まっていくのを感じた。
(……阿央の好きな人なのに)
それでも、どうしても楚月のことが気になってしまう。妹である央央に対し、言いようのない罪悪感が、春鶯の心に一斉に押し寄せてきた。
「もちろん、妹君のことも疑ってないよ」
楚月は、押し黙ってしまった春鶯を安心させたかったのか、微笑みながら付け足した。こうして気遣ってくれる。こんな素敵な人を、好きにならないわけがないのだ。
「……はい!」
春鶯は、少しだけ胸の奥でズキズキと疼く痛みを感じながら、努めて明るく返事をした。
「一緒に探してくれる?」
「ええ、喜んで!」
どんな形の玉佩だったのか、色やついていた房のことを竹紙に書いてもらう。まず初めに上房を探し、それから今日、歩いた道を辿ることにした。
三階から一階へ戻り、私塾に通っているはずの時間帯だというのに、趙眠の後ろ姿が視界にちらついた。楚月と目を合わせ、無言で頷くと、気配を消して後を追う。趙眠がなにか手にしているのが見える。
(……あれは、謝公子の玉佩に似てないかしら……?)
趙眠はきょろきょろと左右を確認し、厨房の奥にある小さな板の間に侵入しようとしていた。けれども、趙嬌が勝手口付近で誰かと井戸端会議をしているらしく、それを気にしてか、立ち止まっていた。
「……謝公子」
「……うん。きみはそこに隠れていて」
春鶯が声をかけると、物陰で待機するように告げてから、楚月は素早く距離を詰めて趙眠の腕をひねり上げた。
「うわあ、な、なんだ!?」
突然の出来事に直面し、趙眠は動揺している。暴言を吐こうとしたところ、自分をひねり上げている相手が、上房に宿泊中の仮面の男──謝楚月だと気がついたのか、明らかに目が泳いでいた。
「この玉佩、趙公子が拾ってくれたのか?」
「へ? あ、ああ、そうだ……そうです」
「探していたんだよ。見つけてくれてありがとう。返してくれるかな?」
「……はい」
頭一つ分背の高い楚月に圧倒され、趙眠は、大人しく手にしていた玉佩を楚月に渡した。玉佩を受け取ると大事そうに撫でつけ、確認している。
「趙公子」
冷や汗を浮かべた趙眠が、後ずさりしようとしたところで楚月は呼び止めた。
「な、なんですか?」
普段、春鶯や央央に見せている不躾な態度とは打って変わって、大型の肉食獣に遭遇した草食動物のように怯えている。央央がこの場面を見学していたら、手を叩いて大いに喜んでいたはずだ。
「次同じことがあったら容赦はしない。真っ先に憲兵に突き出すから、そのつもりで」
「なっ……! お、俺はただ、拾っただけで……!」
「どこで拾った?」
「…………か、階段、です」
先ほど以上に目が泳いでいた。嘘をついていることは明白だ。楚月が居ぬ間に部屋に侵入し、寝台に置かれていた玉佩を手に取ったのだろう。身に覚えがなければ、ここまで態度に現れることはないはずだ。
「それなら、どうして厨房の奥の部屋に入ろうとしたんだ。そこは李姉妹の寝室だろう?」
楚月にそう突っ込まれ、趙眠はたじたじになっている。まさか、春鶯と央央の寝室がある場所を、客人が知っているとは思っていなかったらしい。必死に脳内で言い訳を考えている最中なのか、趙眠は口を開いては閉じることを繰り返す。そんな趙眠に助け舟を出したのは、溺愛している趙嬌だった。
「あの、公子。うちの阿眠がなにか?」
「……母上!」
息子が詰め寄られているからか、怪訝そうな表情をしている。厨房に客が立ち入っているのを咎めたいものの、上房に宿泊中の客だということは把握しているので、強くは出られない、といったところだろうか。
「……なんでもありませんよ。ご子息が、私が部屋に忘れた物を、わざわざ拾ってくれたので、そのお礼をしていたんです」
「まあ、そうでしたか。ほら、早くこっちに来なさい、阿眠!」
「う、うん!」
楚月は「わたしがへやに」とわざと強調したものの、趙嬌は素知らぬ顔をした。
母親の助け舟にほっとしたらしき趙眠は、足早に趙嬌の背後に逃げ込む。本当のことをばらされないだろうかと、母親の背中に隠れてこちらをちらちら窺っている。
「ここは、お客様をお通ししている場所ではないので、お引き取りください」
「……用事が済んだので、失礼」
小さく一礼した楚月は、趙嬌と趙眠親子の前から堂々とした態度で戻ってきた。春鶯と合流し、二人は柜台の前へと向かう。座るように目で促されたので、春鶯は椅子に腰かけた。
「お疲れさま、春鶯」
「私は、なにも……。それより、義弟はなんのために、私たちの寝室に入ろうとしたんでしょうか……」
小さな板の間には、客室と同じように横木を差し込み閉められる閂はついているが、あれは内側から使うものだ。部屋の中にいない場合は誰でも出入りできてしまう。
「考えられるのは、窃盗の罪を擦りつける……とかだろうね」
「……あ」
その心の傷を、楚月は優しく拭い去ってくれたのだ。楚月の言葉のおかげで、春鶯の心は温かい光に包まれるように、じんわりと温まっていくのを感じた。
(……阿央の好きな人なのに)
それでも、どうしても楚月のことが気になってしまう。妹である央央に対し、言いようのない罪悪感が、春鶯の心に一斉に押し寄せてきた。
「もちろん、妹君のことも疑ってないよ」
楚月は、押し黙ってしまった春鶯を安心させたかったのか、微笑みながら付け足した。こうして気遣ってくれる。こんな素敵な人を、好きにならないわけがないのだ。
「……はい!」
春鶯は、少しだけ胸の奥でズキズキと疼く痛みを感じながら、努めて明るく返事をした。
「一緒に探してくれる?」
「ええ、喜んで!」
どんな形の玉佩だったのか、色やついていた房のことを竹紙に書いてもらう。まず初めに上房を探し、それから今日、歩いた道を辿ることにした。
三階から一階へ戻り、私塾に通っているはずの時間帯だというのに、趙眠の後ろ姿が視界にちらついた。楚月と目を合わせ、無言で頷くと、気配を消して後を追う。趙眠がなにか手にしているのが見える。
(……あれは、謝公子の玉佩に似てないかしら……?)
趙眠はきょろきょろと左右を確認し、厨房の奥にある小さな板の間に侵入しようとしていた。けれども、趙嬌が勝手口付近で誰かと井戸端会議をしているらしく、それを気にしてか、立ち止まっていた。
「……謝公子」
「……うん。きみはそこに隠れていて」
春鶯が声をかけると、物陰で待機するように告げてから、楚月は素早く距離を詰めて趙眠の腕をひねり上げた。
「うわあ、な、なんだ!?」
突然の出来事に直面し、趙眠は動揺している。暴言を吐こうとしたところ、自分をひねり上げている相手が、上房に宿泊中の仮面の男──謝楚月だと気がついたのか、明らかに目が泳いでいた。
「この玉佩、趙公子が拾ってくれたのか?」
「へ? あ、ああ、そうだ……そうです」
「探していたんだよ。見つけてくれてありがとう。返してくれるかな?」
「……はい」
頭一つ分背の高い楚月に圧倒され、趙眠は、大人しく手にしていた玉佩を楚月に渡した。玉佩を受け取ると大事そうに撫でつけ、確認している。
「趙公子」
冷や汗を浮かべた趙眠が、後ずさりしようとしたところで楚月は呼び止めた。
「な、なんですか?」
普段、春鶯や央央に見せている不躾な態度とは打って変わって、大型の肉食獣に遭遇した草食動物のように怯えている。央央がこの場面を見学していたら、手を叩いて大いに喜んでいたはずだ。
「次同じことがあったら容赦はしない。真っ先に憲兵に突き出すから、そのつもりで」
「なっ……! お、俺はただ、拾っただけで……!」
「どこで拾った?」
「…………か、階段、です」
先ほど以上に目が泳いでいた。嘘をついていることは明白だ。楚月が居ぬ間に部屋に侵入し、寝台に置かれていた玉佩を手に取ったのだろう。身に覚えがなければ、ここまで態度に現れることはないはずだ。
「それなら、どうして厨房の奥の部屋に入ろうとしたんだ。そこは李姉妹の寝室だろう?」
楚月にそう突っ込まれ、趙眠はたじたじになっている。まさか、春鶯と央央の寝室がある場所を、客人が知っているとは思っていなかったらしい。必死に脳内で言い訳を考えている最中なのか、趙眠は口を開いては閉じることを繰り返す。そんな趙眠に助け舟を出したのは、溺愛している趙嬌だった。
「あの、公子。うちの阿眠がなにか?」
「……母上!」
息子が詰め寄られているからか、怪訝そうな表情をしている。厨房に客が立ち入っているのを咎めたいものの、上房に宿泊中の客だということは把握しているので、強くは出られない、といったところだろうか。
「……なんでもありませんよ。ご子息が、私が部屋に忘れた物を、わざわざ拾ってくれたので、そのお礼をしていたんです」
「まあ、そうでしたか。ほら、早くこっちに来なさい、阿眠!」
「う、うん!」
楚月は「わたしがへやに」とわざと強調したものの、趙嬌は素知らぬ顔をした。
母親の助け舟にほっとしたらしき趙眠は、足早に趙嬌の背後に逃げ込む。本当のことをばらされないだろうかと、母親の背中に隠れてこちらをちらちら窺っている。
「ここは、お客様をお通ししている場所ではないので、お引き取りください」
「……用事が済んだので、失礼」
小さく一礼した楚月は、趙嬌と趙眠親子の前から堂々とした態度で戻ってきた。春鶯と合流し、二人は柜台の前へと向かう。座るように目で促されたので、春鶯は椅子に腰かけた。
「お疲れさま、春鶯」
「私は、なにも……。それより、義弟はなんのために、私たちの寝室に入ろうとしたんでしょうか……」
小さな板の間には、客室と同じように横木を差し込み閉められる閂はついているが、あれは内側から使うものだ。部屋の中にいない場合は誰でも出入りできてしまう。
「考えられるのは、窃盗の罪を擦りつける……とかだろうね」
「……あ」
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