姫君の憂鬱―悪の姫君と3人の王子共―

Chiyuki.

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#4 初めてのお出かけ

Ep.18 友達と出かけたい!

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今回の舞台は日曜日。場所はとある大型ショッピングモール。

「あの人たち、かっこよくない?」
「顔小さいっ、芸能人?」
「すげー、美少女!肌白い~。」

どこへ行っても注目の的のH2O withお姫様。
ゲンナリ顔とにこやかなのと、無表情と得意顔。

どこへ行っても視線が刺さる。  
美少女だの芸能人だの、好き勝手言ってくれている女達。
それを見てお姫様は勝ち誇った様に鼻で笑う。

「見よ女達!羨ましいでしょう、悔しいでしょう!」

「ひーちゃんってどこいってもブレないね~。」

「人多っ、つかめっちゃ見られててウザっ!」

「俺あっち見てくるわ。」

どこへ行っても賑やかしいのも変わりません。

さて、どうしてここにいるかと言うと。
ことの発端は1週間ほど前のこと――……

旧校舎2階の一室、その一角のテーブルを囲んで4人はノートを広げて座っている。

夏の入り口に突入した今日この頃。外は汗も流れる暑さだが、旧校舎の中は冷房完備でいつでも快適だ。

「遊びに行きたいっ!みんなで!!」

1秒前まで各々勉強に励んでいたのに、その沈黙を破ったのは私のテーブルを叩く音だった。

「………何コイツ。テスト勉強のし過ぎで気でも触れたか?」

テーブルの音と私の大声に驚いたのだろう、胸を押さえながら怪訝な顔で広瀬真は言った。
近江涼介と榛名聖は、何事もなかったかのように勉強を続けている。

そう、来週から期末考査が始まる。進学校にとっては一大イベントだ。
だから私たちもこうして勉強に励んでいるわけで。

「昨日兄ちゃんが友達と遊びに行ってたの!
それで言うのよ、“友達と出かけるくらい普通”って!私も行きたい!友達とお出かけしたい!」

駄々っ子のようにジタバタしてテーブルを叩きまくる私を見て、3人はそっと顔を近づけヒソヒソ話を始める。

「友達呼び慣れてきたと思ったら、今度は死ぬほどウザくないか?つか兄いるのかよ。さらっと新情報言うなよ。」

「初めてできた友達にはしゃいじゃってるんだよ~。生温く見守ってあげよ。」

「ダルいけどな。」

「全部聞こえてるんですけど。」

立ち上がって仁王立ち、私の陰口を言う3人を見下ろして威圧する。
友達だって言ったのに、目の前で陰口言うかね、フツー。

「まぁまぁ、じゃあさ、テスト終わったら遊びに行こうよ~。
実は俺たち3人でも休日に出かけたことってなかったしね?」

手始めに広瀬真の胸ぐらを掴んだとき、榛名聖が小さく手を挙げてゆるゆると微笑んだ。
その言葉に、胸ぐらを掴む手を離して一転笑顔になる。広瀬真は転げたけど、そんなの知ったことじゃない。


「約束だからね!」
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