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3話 出会い 1
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ノアにハマチ様を奪われてからしばらくの時間が経過した。私はその間になんとか精神を落ち着けようと頑張った。
「なかなか万全状態とはいかないけれど……こうしてパーティーに参加した方が、あの時のことを忘れられていいのかもしれないわね」
「おっしゃる通りかと存じます、エイシャ様」
私の付き人として付いて来てくれたのは、メイドのファルーナだ。私とは仲が良く、メイドという立場でありながらも、私のことを元気付けてくれている。
「お父様やお母様は、私に新たな出会いを求めているのかもしれないけれど……私が婚約破棄をされた、という事実は周囲にも伝わっているはずだわ。ねえ、ファルーナ?」
「左様でございますね。心苦しいことではございますが、その通りかと存じます」
「そうよね……」
今のところ、あからさまに避けられたりはしていないけれど、少なくとも今回のパーティーで新たな出会いがあるとは思えなかった。そもそもの問題として、私にそんな相手が居ないし……。
私のことを想ってくれている人も想像出来なかった。
「恐れながら申し上げます、エイシャ様」
「どうかしたの?」
「はい、あちらにいらっしゃるお方はもしかして……」
「えっ?」
ファルーナが示した方向に私も視線を合わせてみた。するとそこには……。
「あの方は確か……」
何度かお会いしたことがあるはず。同じ伯爵家の出身のはずだ。名前は確か……イルド・マーカス伯爵令息だったかな?
「こちらを見ている気がするのですが……」
「確かに視線が合っているわね……」
あれ、私を見ているのよね? 念のために後ろを確認したけれど、他にそれらしい人物は居なかったし。明らかに視線が合っており、彼は笑顔になっているようだ。そのまま、私の方向に歩いて来た。
これはもう間違いないわね……ええと、なんて挨拶をしようかしら……?
「なかなか万全状態とはいかないけれど……こうしてパーティーに参加した方が、あの時のことを忘れられていいのかもしれないわね」
「おっしゃる通りかと存じます、エイシャ様」
私の付き人として付いて来てくれたのは、メイドのファルーナだ。私とは仲が良く、メイドという立場でありながらも、私のことを元気付けてくれている。
「お父様やお母様は、私に新たな出会いを求めているのかもしれないけれど……私が婚約破棄をされた、という事実は周囲にも伝わっているはずだわ。ねえ、ファルーナ?」
「左様でございますね。心苦しいことではございますが、その通りかと存じます」
「そうよね……」
今のところ、あからさまに避けられたりはしていないけれど、少なくとも今回のパーティーで新たな出会いがあるとは思えなかった。そもそもの問題として、私にそんな相手が居ないし……。
私のことを想ってくれている人も想像出来なかった。
「恐れながら申し上げます、エイシャ様」
「どうかしたの?」
「はい、あちらにいらっしゃるお方はもしかして……」
「えっ?」
ファルーナが示した方向に私も視線を合わせてみた。するとそこには……。
「あの方は確か……」
何度かお会いしたことがあるはず。同じ伯爵家の出身のはずだ。名前は確か……イルド・マーカス伯爵令息だったかな?
「こちらを見ている気がするのですが……」
「確かに視線が合っているわね……」
あれ、私を見ているのよね? 念のために後ろを確認したけれど、他にそれらしい人物は居なかったし。明らかに視線が合っており、彼は笑顔になっているようだ。そのまま、私の方向に歩いて来た。
これはもう間違いないわね……ええと、なんて挨拶をしようかしら……?
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