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進路指導室で開かれた捜査会議の内容は
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「まあ、冷蔵庫の話はまたその内しましょう。で、シナさん続きは?
「はい。大まかな二人の行動はこういう物でした」
昨夜の二十一時十分頃にフル先から校長へパパ活証拠物件と百万円の【交換】についてのメッセージがあった。そして、フル先は校長に対して二十二時までに学校近くの有料駐車場に車を停めて待機するように指示を出したという。
お金は街の銀行ATMでおろされており、その後校長は二十二時前に庁舎場へは車を停めたことが確認されているとのことだ。
でも、駐車場なら学校の駐車場がある。なぜフル先は有料駐車場を使わせたのか。しかも、彼の車は学校の駐車場に残っていた。
一方フル先はというと二十二時十五分頃にマンションを出たらしい。らしいというのはマンションの監視カメラに彼の後ろ姿が映っていた為だ。
その後フル先は職員用通用口から校内に入ったと想われる。学校の時間外の出入りはカードキーを使う事になっており、フル先のカードは二十二時三十五分頃に使用されているという事だ。
「降矢先生のだけって事ですか。なら校長先生は中に入れないですよね?」
「いや、降矢氏と連なって入る事は可能でしょう。寧ろ、島谷氏が降矢氏を殺害する目的であれば自分のカードキーを使うのはまずいでしょう」
「そっか。飽くまで降矢先生が学校で首を吊った事に見せかけるならその方がいいかもですね」
「更に二十二時四十五分頃にもう一度降矢氏のカードキーが作動してます」
「つまり一度外に出て再度侵入したってことですか?」
「はい。これも島谷氏が降矢氏のカードを使って入った可能性があります」
なるほど、睡眠薬を飲ませたのが本当だとしたら、その二度目は校長が出入りした時間で実際のフル先はスヤスヤ眠ってたか、もう首を吊られていたという事か。
因みに外出に関してはカードキーを使わず中から開けて出られる仕組みの為記録には残らないとの事だ。
「でも、何で校長先生は校内に戻ったんでしょうか」
「それは分かりません。が、犯罪者が不安になって現場に戻るという事はありえます。脅迫の材料である証拠物と降矢氏のカードキー。これなんですが遺体の傍に落ちていました。現場は相当混乱していた模様ですな」
「例え校長先生が降矢先生を殺したんだとしても、その後何が起きたんでしょう」
そう、そこまでは百歩譲って理解できる。問題はその後だ。何故校長が死んだのか。
「島谷氏の上に降矢氏の死体が落ちて直撃したという事です」
「でもそれって偶然なんですか」
「色々な事が重なったとしか今は言えませんな。犯人の立場としては自分が吊り上げた死体がどのように見えるのか。確認したくなるやもしれません」
それで真下に立って上を見上げたら、ロープが切れて死体が落ちた?
「ふーん。何だか出来すぎているような微妙な状況ね」
それまで黙って聞いていた滝田さんが鼻を鳴らして言葉を発した。
「そうですな。ただ、今の所分かっている範囲で言えるのはこんな所です」
「東雲さんどうかしら? あなたは何か聞きたいことはある?」
「えっと、いや……。今の所は大丈夫です」
十分色々情報は貰えた様に思うしこれ以上は求めるべくもないような気がする。
「じゃあ、こちらの本題ね。先週の金曜日の話をしたいんだけど……」
滝田さんが話を続けようとしたところで、扉が開いた。
「失礼しまっす。デカジョウ殿」
その独特の喋り方はあの日にも会った滝田さんの部下、有吉刑事だった。
「その呼び方すんなって言ってんでしょ。あによ、有吉じゃない。あんたはアチラとの連絡係でしょ。今日はこちらの方に来なくていいって言わなかったっけ」
「いえ。まさしくその件で来たんす。東雲塔子さん、すんませんっす。ちょっと捜査に協力願いたんすけど」
言って有吉刑事は手に持っていたノートパソコンを机に広げて何やら操作し始めた。
「はい。大まかな二人の行動はこういう物でした」
昨夜の二十一時十分頃にフル先から校長へパパ活証拠物件と百万円の【交換】についてのメッセージがあった。そして、フル先は校長に対して二十二時までに学校近くの有料駐車場に車を停めて待機するように指示を出したという。
お金は街の銀行ATMでおろされており、その後校長は二十二時前に庁舎場へは車を停めたことが確認されているとのことだ。
でも、駐車場なら学校の駐車場がある。なぜフル先は有料駐車場を使わせたのか。しかも、彼の車は学校の駐車場に残っていた。
一方フル先はというと二十二時十五分頃にマンションを出たらしい。らしいというのはマンションの監視カメラに彼の後ろ姿が映っていた為だ。
その後フル先は職員用通用口から校内に入ったと想われる。学校の時間外の出入りはカードキーを使う事になっており、フル先のカードは二十二時三十五分頃に使用されているという事だ。
「降矢先生のだけって事ですか。なら校長先生は中に入れないですよね?」
「いや、降矢氏と連なって入る事は可能でしょう。寧ろ、島谷氏が降矢氏を殺害する目的であれば自分のカードキーを使うのはまずいでしょう」
「そっか。飽くまで降矢先生が学校で首を吊った事に見せかけるならその方がいいかもですね」
「更に二十二時四十五分頃にもう一度降矢氏のカードキーが作動してます」
「つまり一度外に出て再度侵入したってことですか?」
「はい。これも島谷氏が降矢氏のカードを使って入った可能性があります」
なるほど、睡眠薬を飲ませたのが本当だとしたら、その二度目は校長が出入りした時間で実際のフル先はスヤスヤ眠ってたか、もう首を吊られていたという事か。
因みに外出に関してはカードキーを使わず中から開けて出られる仕組みの為記録には残らないとの事だ。
「でも、何で校長先生は校内に戻ったんでしょうか」
「それは分かりません。が、犯罪者が不安になって現場に戻るという事はありえます。脅迫の材料である証拠物と降矢氏のカードキー。これなんですが遺体の傍に落ちていました。現場は相当混乱していた模様ですな」
「例え校長先生が降矢先生を殺したんだとしても、その後何が起きたんでしょう」
そう、そこまでは百歩譲って理解できる。問題はその後だ。何故校長が死んだのか。
「島谷氏の上に降矢氏の死体が落ちて直撃したという事です」
「でもそれって偶然なんですか」
「色々な事が重なったとしか今は言えませんな。犯人の立場としては自分が吊り上げた死体がどのように見えるのか。確認したくなるやもしれません」
それで真下に立って上を見上げたら、ロープが切れて死体が落ちた?
「ふーん。何だか出来すぎているような微妙な状況ね」
それまで黙って聞いていた滝田さんが鼻を鳴らして言葉を発した。
「そうですな。ただ、今の所分かっている範囲で言えるのはこんな所です」
「東雲さんどうかしら? あなたは何か聞きたいことはある?」
「えっと、いや……。今の所は大丈夫です」
十分色々情報は貰えた様に思うしこれ以上は求めるべくもないような気がする。
「じゃあ、こちらの本題ね。先週の金曜日の話をしたいんだけど……」
滝田さんが話を続けようとしたところで、扉が開いた。
「失礼しまっす。デカジョウ殿」
その独特の喋り方はあの日にも会った滝田さんの部下、有吉刑事だった。
「その呼び方すんなって言ってんでしょ。あによ、有吉じゃない。あんたはアチラとの連絡係でしょ。今日はこちらの方に来なくていいって言わなかったっけ」
「いえ。まさしくその件で来たんす。東雲塔子さん、すんませんっす。ちょっと捜査に協力願いたんすけど」
言って有吉刑事は手に持っていたノートパソコンを机に広げて何やら操作し始めた。
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