転生しました。

さきくさゆり

文字の大きさ
27 / 103
第二章

いるんかーい

しおりを挟む
 いやぁ、ほんと乗り物があると楽だ。
 王都を出て休憩入れながら走り続けて半日で着きましたわ。
 ケツが痛いけど。
 やっぱり振動をなんとかしたいな。

 グンのところには村で一泊してから行くことにした。
 ヴァイオリンも受け取りたいしな。


 約一ヶ月ぶりの村の様子は全く変わっていなかった。
 当たり前だな。
 懐かしい気も起きねえわ。

 宿はこの間と同じとこにした。
 部屋も同じだ。
 おばちゃんに、今レデンは買い出しで外に出てるので店は空いてないと聞いたので、先に楽器を取りに行くことにする。


 できてなかったわ……。
 なんで一ヶ月でできてると思ったんだ?だってさ。
 考えてみりゃそうだな……。
 なんで思ったんやろか……。
 ということで、完成次第送ってもらうことになった。


 宿に帰るとおばちゃんにレデンが帰ってるのを聞いたので下に降りた。

「久しぶりー。また来たお。ピザ作ってくんろ」
「お、パストじゃねぇか。オッケー任せな」

 あとペペロンチーノもよろしくと言って席についた。

「そいえばこの間のお仲間さんは今日は来てねえのか?」
「この間?…ああチェニック達か。来てねえよ。お一人様ですよ」
「何しに来たんだ?」
「ああ、長期休暇に入ったから、ヴァイ…グロリアを取りに来たんだわ」

 あと、アオ達を迎えに来たんだが、別に言わなくてもいっか。

「は?おまえあれ弾けるの?前世でやってたのか?」
「趣味の一つだ」

 なんでこんなことばっか覚えてるんだか。

「へえ、器用なもんだな。っと、ほいキノコピザ」
「前も思ったけど名前がざっくりすぎねぇ?」
「いいんだよこまけぇことは。美味けりゃいいのいいの」
「それもそうか。こんな田舎町じゃ料理名なんざどうでもいいわな」
「喧嘩売ってんなら買うぜ」
「ピザうめぇ。ペペロンチーノまだぁ?」
「直ぐできるから待ってろっての」

 言った通り、すぐに出てきた。

「せっかくの長期休暇なんだし友達と遊びに行ったりとかしねえの?」
「いねえよ友達なんて。なんだ喧嘩売ってんのか」
「いやなんでそうなる。まあでも友達できなさそうではあるな」
「あ、やっぱりそう見える?」
「超見える」
「マジかぁ。まぁいいけどな。魔力無しに仲良くしようぜ!って言っくるやついねえだろうし」
「え、お前魔力無しなの?じゃあ今食ったピザとペペロンチーノを返してもらおうか」
「そういうのいいから」
「ノリわりいなあ。だから友達できねえんだよ」
「やっぱり喧嘩売ってる?」

 適当に話しつつ飯を食いおわった。

「ふいぃ、満腹満腹。あ、そういえば前に話してた騎士の件、どうなった?」
「ああ、向こうも興味深々みたいだ。ただ、王様の遠征があるからそれについて行かないといけないんだと」
「そっか。じゃ、帰ってきてからになるかね」

 ま、俺もラヴィエに遠出するし、丁度いいっちゃあ丁度いいか。

「帰ってくるのはいつごろになりそうなんだ?」
「二か月程だってよ」

 休暇明けになるのか。

「おっけー。楽しみにしてよ」
「おう。騎士って言ってもかなり気さくな奴だからお前でも仲良くしてもらえるだろうさ」
「おっけー。表に出な」

 そんな感じで色々と話をした後、部屋に戻って寝た。


 *****


 ガッツリ寝てしまった……。
 予定じゃ午前中には村を出る予定だったのに起きたら完全に昼だよ……。
 ま、問題はないんだけどね。

 昼飯食ってさっさとグンのところに行くかな。


 森をのんびり歩いてます。
 虫多い!ウザい!

 しばらく歩いているとこの間の広場みたいなところについた。
 その真ん中あたりに、

 凄い勢いで腕立て伏せをしているグンと、その上に座っている女の子かいた。

 うん、上に乗っている女の子に見覚えがあります。

 黒い髪を肩のとこで切りそろえて、赤いワンピースを来た貧乳少女。
 二年前より背は伸びてるな。
 今は俺の肩ぐらいか。


「あっ!師匠!お久しぶりです!お待ちしておりました!」


 そう声を上げながら走り寄ってくる少女。
 そして走り寄ると同時にいきなり上段回し蹴りをかましてきたので、足を掴んで地面に叩きつけてやった。
 そのまま咳き込んでる少女の足を絡めて四の字固め。

「とんだ挨拶ありがとうねアオちゃぁん。身体強化までかけやがって。なに?最近の鬼人族の挨拶は肉体言語でするのが主流なのかあ?なら答えてあげないとダメだよねえぇえ?」
「す、すいまっせん!!つい今なら一発ぐらい当たると思ってしまいました!」

 はい、件の少女、アオちゃんです。

「んでなぁんでここにいるのかなぁあ?俺言ったよねえ?里で待ってなさいって言ったよねえ。言いつけを守らない弟子はいらないんだけどなぁあ?ねぇアオちゃぁん?」
「ほんッとすいまっせんっした!修行が早く終わったんで待ちきれなかったんですう!ラヴィエでお金を稼ぎながら師匠のいる王都に行こうと思ってたんですけどっていうかソレ止めてください痛くて話しできませんごめんなさいお願いしますうううう!!」

 泣き叫んで何言ってっかわかんなくなってきたので解いてやった。
 うるさいしね。
 グンは同じ場所で佇んでいた。
 助けないんだね。
 両手を顔の前で合わせて、合掌。
 俺に謝ってるらしい。


 とりあえず今回の遠出の目的は達成っと。
 王都に帰るかあ!

 その前に、

「にぎゃあああああ!!!!」

 憂さ晴らしにアオを虐めよう。
 せっかくの遠出だったのに。
しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

前世は厳しい家族とお茶を極めたから、今世は優しい家族とお茶魔法極めます

初昔 茶ノ介
ファンタジー
 代々続くお茶の名家、香坂家。そこに生まれ、小さな時から名家にふさわしくなるように厳しく指導を受けてきた香坂千景。  常にお茶のことを優先し、名家に恥じぬ実力を身につけた彼女は齢六十で人間国宝とまで言われる茶人となった。  しかし、身体は病魔に侵され、家族もおらず、また家の定める人にしか茶を入れてはならない生活に嫌気がさしていた。  そして、ある要人を持て成す席で、病状が悪化し命を落としてしまう。  そのまま消えるのかと思った千景は、目が覚めた時、自分の小さくなった手や見たことのない部屋、見たことのない人たちに囲まれて驚きを隠せなかった。  そこで周りの人達から公爵家の次女リーリフィアと呼ばれて……。  これは、前世で名家として厳しく指導を受けお茶を極めた千景が、異世界で公爵家次女リーリフィアとしてお茶魔法を極め優しい家族と幸せになるお話……。   ーーーーーーーー  のんびりと書いていきます。  よかったら楽しんでいただけると嬉しいです。

御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜

伽羅
ファンタジー
【幼少期】 双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。 ここはもしかして異世界か?  だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。 ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。 【学院期】 学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。 周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。  

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします

未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢 十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう 好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ 傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する 今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった

1歳児天使の異世界生活!

春爛漫
ファンタジー
 夫に先立たれ、女手一つで子供を育て上げた皇 幸子。病気にかかり死んでしまうが、天使が迎えに来てくれて天界へ行くも、最高神の創造神様が一方的にまくしたてて、サチ・スメラギとして異世界アラタカラに創造神の使徒(天使)として送られてしまう。1歳の子供の身体になり、それなりに人に溶け込もうと頑張るお話。 ※心は大人のなんちゃって幼児なので、あたたかい目で見守っていてください。

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

処理中です...