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第三章
な!ん!で!
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「いってえ……」
身体強化をかけておいたお陰で墜落死は免れた。
周りは薄暗いが、目が見えないほどではない。
足元に青く光る岩があって、壁にもチラホラ青く光る石がくっついてる。
にしてもまさか言ったそばから、罠を踏むとはねぇ……。
「あのクソボケパツキン刈り上げええええ!!!」
「いくらなんでもクラスメートにそれは無いだろ」
「ああ?!」
振り向くと、先生がいた。
「なんで?」
「一緒に落ちたんだ」
「あー……」
なるほどね。
「ハァ……」
「なぜ私の顔を見てため息をついた?」
な!ん!で!
ここは一人で落ちるとか、チェニックとか、リーシャとかだろ!
後は一人で落ちたら、なんか女の子が下にいた、とかさ!
先生はないだろぉ!
え、アオ?……ないな。
「はぁ……」
「なぜ二回もため息をついた?」
「俺って運が悪いんですかね」
「態度もな」
「ここどこですかねー」
上を見たが穴はなく、石壁だった。
「穴塞がっちゃったんですかねー」
「そのようだな」
こんなとこ知らんぞ。
あれか?
隠しステージ的なやつか?
「まあ死ねば一階に戻れますかね」
ナイフナイフーっとあった。
「は?」
「とりあえず自殺してみます」
「お、おい!待て!」
ナイフを首に叩きつけ……ようとしたら先生に手を止められた。
「なにするんですか」
「当たり前だろ馬鹿者!」
えーなんでだ……。
「貴様は自分の命をなんだと思っているんだ!」
「って言われましても。死ねばゲームオーバーで一階に強制送還なんだしそのほうが楽じゃないですか」
「そういう問題ではない!」
なんか知らんがゲームオーバーはダメらしい。
「わかりましたよ……。帰還陣で帰ります」
そう言うと先生はようやく手を離してくれた。
にしても先生、力強いわ。
「んでどうします?っていうかゲームオーバー以外の選択肢は……」
「まあ進むしか無いだろうな」
と言うわけで先生と共に帰還陣を探しながら先に進むことになった。
同化魔法術で調べたところ、なかなかに広い迷路で、魔物や罠の気配無いようだった。
「パスト、お前なんでそんなさっさと歩いてるんだ。まるで出口が分かってるみたいだ。それに、魔物に全く会わないし、罠も調べてる様子はない。」
「出口かは分からないですけど、広場みたいなところがあるんでそこ目指してます。ボスが出るかなーと」
「……なぜわかる」
「男の勘です」
「……ほぉ?」
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!
「嘘です!ちょっとした魔法です!とにかくそこまで魔物や罠はないんでさっさと行きましょう!」
「……外に出たら話してもらうぞ」
外に出ても話さねえよ。
……ん?
なんで頑なに隠してんだ俺。
別に良くないか?
悪いことしてるわけじゃねえし。
うんそうだ。
外に出て聞かれたら話そう。
聞かれなかったら話さねえけど!
*****
あれからちょくちょく休憩を挟みながら一時間ほど歩いた。
「もうすぐですねー。少し休憩しますか」
「そうだな」
アイテムバッグから飲み物を出して、先生にも渡す。
「そのバッグは自分で作ったって言ってたが、売ったりしないのか?」
「アイテムバッグは作るのが結構面倒なんですよ。とても生産が追いつきません」
「追いつけば?」
「…………売らないと思います」
作れるの俺だけだし。
教えてもできるやつほとんどいないらしいし。
すでにあるアイテムバッグが売れなくなったら大変なことになりそう。
「俺は自分さえ良ければそれでいいんです。死にたくないですし」
まあ、死にかけたことは結構あるけど。
昨日とか。
「なんか、この世界って命が軽いんだか重いんだか分からないですわ」
「いきなり何を言ってる?重いに決まっているだろ」
「重いのなら、こんなとこできて、流行ると思いますか?」
死ねばゲームオーバーで一階に戻る。
リアルの世界を魔法でゲームのように捻じ曲げる。
死んでも大丈夫だからと罰に使う。
死んでも大丈夫だからと貴族のボンボンを鍛える為に放り込む。
死んでも大丈夫だから……この一言で様々な馬鹿がここで何度も死んでる。
けど、この魔法のシステムってよく分かってないはずなのに、そんなの信用してバンバン突っ込む奴らってなんなんだろうな。
バグとかあったらヤバイだろ。
……俺もさっき自殺しかけたけど、よく考えたら隠しステージでは生き返りませんとかありそうだよね。
サンキュー先生。
ま、自分のことは棚に上げていく性格な俺なのでそれは置いておいて。
「前から思ってましたけど、この世界って笑えるくらい矛盾してますよねー」
そう言って先生の方を向くと、
「…………」
黙ったままこっちを見ていた。
「はぁ……んじゃ行きますよー先生」
声はかけつつも、先生の方は見ずに俺は広場に足を踏み入れた。
身体強化をかけておいたお陰で墜落死は免れた。
周りは薄暗いが、目が見えないほどではない。
足元に青く光る岩があって、壁にもチラホラ青く光る石がくっついてる。
にしてもまさか言ったそばから、罠を踏むとはねぇ……。
「あのクソボケパツキン刈り上げええええ!!!」
「いくらなんでもクラスメートにそれは無いだろ」
「ああ?!」
振り向くと、先生がいた。
「なんで?」
「一緒に落ちたんだ」
「あー……」
なるほどね。
「ハァ……」
「なぜ私の顔を見てため息をついた?」
な!ん!で!
ここは一人で落ちるとか、チェニックとか、リーシャとかだろ!
後は一人で落ちたら、なんか女の子が下にいた、とかさ!
先生はないだろぉ!
え、アオ?……ないな。
「はぁ……」
「なぜ二回もため息をついた?」
「俺って運が悪いんですかね」
「態度もな」
「ここどこですかねー」
上を見たが穴はなく、石壁だった。
「穴塞がっちゃったんですかねー」
「そのようだな」
こんなとこ知らんぞ。
あれか?
隠しステージ的なやつか?
「まあ死ねば一階に戻れますかね」
ナイフナイフーっとあった。
「は?」
「とりあえず自殺してみます」
「お、おい!待て!」
ナイフを首に叩きつけ……ようとしたら先生に手を止められた。
「なにするんですか」
「当たり前だろ馬鹿者!」
えーなんでだ……。
「貴様は自分の命をなんだと思っているんだ!」
「って言われましても。死ねばゲームオーバーで一階に強制送還なんだしそのほうが楽じゃないですか」
「そういう問題ではない!」
なんか知らんがゲームオーバーはダメらしい。
「わかりましたよ……。帰還陣で帰ります」
そう言うと先生はようやく手を離してくれた。
にしても先生、力強いわ。
「んでどうします?っていうかゲームオーバー以外の選択肢は……」
「まあ進むしか無いだろうな」
と言うわけで先生と共に帰還陣を探しながら先に進むことになった。
同化魔法術で調べたところ、なかなかに広い迷路で、魔物や罠の気配無いようだった。
「パスト、お前なんでそんなさっさと歩いてるんだ。まるで出口が分かってるみたいだ。それに、魔物に全く会わないし、罠も調べてる様子はない。」
「出口かは分からないですけど、広場みたいなところがあるんでそこ目指してます。ボスが出るかなーと」
「……なぜわかる」
「男の勘です」
「……ほぉ?」
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!
「嘘です!ちょっとした魔法です!とにかくそこまで魔物や罠はないんでさっさと行きましょう!」
「……外に出たら話してもらうぞ」
外に出ても話さねえよ。
……ん?
なんで頑なに隠してんだ俺。
別に良くないか?
悪いことしてるわけじゃねえし。
うんそうだ。
外に出て聞かれたら話そう。
聞かれなかったら話さねえけど!
*****
あれからちょくちょく休憩を挟みながら一時間ほど歩いた。
「もうすぐですねー。少し休憩しますか」
「そうだな」
アイテムバッグから飲み物を出して、先生にも渡す。
「そのバッグは自分で作ったって言ってたが、売ったりしないのか?」
「アイテムバッグは作るのが結構面倒なんですよ。とても生産が追いつきません」
「追いつけば?」
「…………売らないと思います」
作れるの俺だけだし。
教えてもできるやつほとんどいないらしいし。
すでにあるアイテムバッグが売れなくなったら大変なことになりそう。
「俺は自分さえ良ければそれでいいんです。死にたくないですし」
まあ、死にかけたことは結構あるけど。
昨日とか。
「なんか、この世界って命が軽いんだか重いんだか分からないですわ」
「いきなり何を言ってる?重いに決まっているだろ」
「重いのなら、こんなとこできて、流行ると思いますか?」
死ねばゲームオーバーで一階に戻る。
リアルの世界を魔法でゲームのように捻じ曲げる。
死んでも大丈夫だからと罰に使う。
死んでも大丈夫だからと貴族のボンボンを鍛える為に放り込む。
死んでも大丈夫だから……この一言で様々な馬鹿がここで何度も死んでる。
けど、この魔法のシステムってよく分かってないはずなのに、そんなの信用してバンバン突っ込む奴らってなんなんだろうな。
バグとかあったらヤバイだろ。
……俺もさっき自殺しかけたけど、よく考えたら隠しステージでは生き返りませんとかありそうだよね。
サンキュー先生。
ま、自分のことは棚に上げていく性格な俺なのでそれは置いておいて。
「前から思ってましたけど、この世界って笑えるくらい矛盾してますよねー」
そう言って先生の方を向くと、
「…………」
黙ったままこっちを見ていた。
「はぁ……んじゃ行きますよー先生」
声はかけつつも、先生の方は見ずに俺は広場に足を踏み入れた。
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