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第四章
とりあえず言えることは炬燵最高ってことだと思う。
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結局じゃんけんに負けた俺は寒い中ギルドまで走った。
ギルドに迷子のお知らせ的なのがあるかとかその辺のことを聞くためだ。
というわけで広場を抜けギルドへ。
扉を開けると、入り口横で、鎧が着られていると言えそうなガチムチ男が三人と執事服を着た背のたっかいジジイが、何やら話し込んでいた。
邪魔くせえ。
つかジジイも結構いい身体してんなっとんなこたどうでもいいや。
さっさと掲示板まで歩いて眺める。
「お、今んとこまだ貼られてねぇな」
今のうちにギルド経由で報告してもらえばなんとかなるかも。
そう思って振り返ると俺は床に押さえつけられた痛い痛い痛い痛い!!
「離せ!だれだあんたらって入り口のガチムチとジジイ?!」
完全に腕と足を決められて動かせるのは首だけ……ジジイの顔怖いな!
無表情やめろ!
つかいきなりなにすんだよ!
「だらしのない金髪に目つきの悪い男……。君がパスト君ですね?」
「ぐっ……そうだけど?んであんたらなんなの?」
イダダダダダ。
腕を決めているやつがさらに捻ってきた。
マジいてえ。
「君がお嬢様を攫って行くのを見たと証言する者が多数たものでね。なんでも広場にいたお嬢様に話しかけた後、毛布で包んで連れ去ったそうじゃないか。何か反論はあるかな?」
質問には答えてくれないんですね。
ジジイの話を聞いた感じじゃ、どうもローレスの家の奴らっぽいな。
予想通り、いや予想以上にヤバそうな貴族な気がする。
「間違っちゃいねえけど、別に攫お」
「認めましたね。とりあえず逃げられないよう足を折っておきま」
「俺は無実だ!ローレスは家で寝ているから今すぐ一緒に行こうぜ爺さん!さあ早く!」
なんてジジイだ。
「……まあいいでしょう。ただし、嘘だったり、罠だったりした場合は……」
場合はなんだよ……。
ジジイの顔が無表情のまま変わらないのが怖すぎる。
そして俺はガチムチ鎧の一人に担がれながらギルドを後にした。
……ところでギルド内での乱闘って基本禁止になってるんだけど、何で受付にいた奴らは、誰も助けてくれなかったんだろうな。
*****
「おじょうざまぁぁあああああ!!!!」
「……じい……うるさい……」
「……申し訳ございません」
家についたと思った時にはドアを蹴破られ、何故か迷いなく居間に辿り着いたジジイ達。
ジジイはローレスを見た途端、大号泣しながら飛びついた。
「師匠、誰ですかアレ」
「アレとか言うてやるな。ローレスの家の……多分執事だ。名前は知らん」
「……いい身体だ」
「先生黙っててもらえます?」
あーさむさむ……。
炬燵に入ろ……あったけー……。
「申し訳ありませんでした」
「……え今あんたが喋ったの?」
頭上から渋いおっさん声が振ってきた。
見上げるとガチムチ鎧の一人がこちらを見下ろしていた。
「あの様子を見ればわかる。こちらの誤解のようだ。本当にすまなかった」
「あーまあ誤解がとけたようでなにより。つかいい加減教えてくれねぇか?あんたら誰」
「そう言えば名乗ってなかったな。こちらもつい興奮してしまって……」
いつの間にかガチムチ鎧三人は俺の後ろでガチャガチャ鎧を鳴らせながら正座した。
すげえなおい。
鎧着ながら正座できるのかよ。
「私たちはテセオン家の私設護衛隊の者です。そしてあちらにいらっしゃるお方は護衛隊隊長兼執事長のペフィー=ルイートさんです」
「マジかぁ……。ガッツリ貴族様やんけ」
私設護衛隊が持てるってかなり力があるってことだよな。
要は自前の軍みたいなもんだろうし。
「ってことはローレスは……」
「テセオン家の第三女様です」
やっぱ予想通り、単なる家でって感じかな。
「あー敬語使わなくていいよ。慣れてないのがバレバレ」
「あ、マジで?よかったー。クソガキでも一応保護してもらってた手前あんま偉そうにすんのきつくってさぁ」
「クソガキ言うなや。つか保護してたって分かってくれるのか?」
「見りゃわかるよ。っつーかまさかお嬢が抜け出すとは思わなかったんだよなぁ。いやぁ焦った焦った。もう少し遅かったらヤバかったな」
「ちなみにどうなってた?」
「……聞きたいか?もう解決したんだからいいじゃねぇかそんなこと」
「ですねー。別に聞きたくねぇやぁ」
ん?
誰だ俺の背中を突くのは……ってローレスか。
「なんだー?」
「またくる」
「おー。今度はちゃんとお家の人に言ってからくるんだぞー」
ん?
誰だ俺の頭を後ろから掴むやつは……ってジジイかだだだだだ!
「小僧」
「なんすか?」
「なにお嬢様に背中を突つかれてんだ」
「そんなことで頭を掴まないで貰えますかねぇ?」
なんちゅう顔してんだよ。
歯ぎしりすんなし。
その後ジジイに肩車されながら、ローレスは帰っていった。
帰り際のジジイのドヤ顔がムカついた。
翌日。
「小僧、そこをどけ」
「どいたら炬燵が暖まらないので無理です」
「じい、うるさい」
俺の横でローレスが丸まってるのが羨ましいらしく、ローレスから見えないように血走った目で睨みつけてきた。
「つかもう来たのかよ」
「お嬢様が来たがったんじゃからしようがなかろう」
キレたら監禁のくせに、妙に甘い家なんだなテセオン家。
ギルドに迷子のお知らせ的なのがあるかとかその辺のことを聞くためだ。
というわけで広場を抜けギルドへ。
扉を開けると、入り口横で、鎧が着られていると言えそうなガチムチ男が三人と執事服を着た背のたっかいジジイが、何やら話し込んでいた。
邪魔くせえ。
つかジジイも結構いい身体してんなっとんなこたどうでもいいや。
さっさと掲示板まで歩いて眺める。
「お、今んとこまだ貼られてねぇな」
今のうちにギルド経由で報告してもらえばなんとかなるかも。
そう思って振り返ると俺は床に押さえつけられた痛い痛い痛い痛い!!
「離せ!だれだあんたらって入り口のガチムチとジジイ?!」
完全に腕と足を決められて動かせるのは首だけ……ジジイの顔怖いな!
無表情やめろ!
つかいきなりなにすんだよ!
「だらしのない金髪に目つきの悪い男……。君がパスト君ですね?」
「ぐっ……そうだけど?んであんたらなんなの?」
イダダダダダ。
腕を決めているやつがさらに捻ってきた。
マジいてえ。
「君がお嬢様を攫って行くのを見たと証言する者が多数たものでね。なんでも広場にいたお嬢様に話しかけた後、毛布で包んで連れ去ったそうじゃないか。何か反論はあるかな?」
質問には答えてくれないんですね。
ジジイの話を聞いた感じじゃ、どうもローレスの家の奴らっぽいな。
予想通り、いや予想以上にヤバそうな貴族な気がする。
「間違っちゃいねえけど、別に攫お」
「認めましたね。とりあえず逃げられないよう足を折っておきま」
「俺は無実だ!ローレスは家で寝ているから今すぐ一緒に行こうぜ爺さん!さあ早く!」
なんてジジイだ。
「……まあいいでしょう。ただし、嘘だったり、罠だったりした場合は……」
場合はなんだよ……。
ジジイの顔が無表情のまま変わらないのが怖すぎる。
そして俺はガチムチ鎧の一人に担がれながらギルドを後にした。
……ところでギルド内での乱闘って基本禁止になってるんだけど、何で受付にいた奴らは、誰も助けてくれなかったんだろうな。
*****
「おじょうざまぁぁあああああ!!!!」
「……じい……うるさい……」
「……申し訳ございません」
家についたと思った時にはドアを蹴破られ、何故か迷いなく居間に辿り着いたジジイ達。
ジジイはローレスを見た途端、大号泣しながら飛びついた。
「師匠、誰ですかアレ」
「アレとか言うてやるな。ローレスの家の……多分執事だ。名前は知らん」
「……いい身体だ」
「先生黙っててもらえます?」
あーさむさむ……。
炬燵に入ろ……あったけー……。
「申し訳ありませんでした」
「……え今あんたが喋ったの?」
頭上から渋いおっさん声が振ってきた。
見上げるとガチムチ鎧の一人がこちらを見下ろしていた。
「あの様子を見ればわかる。こちらの誤解のようだ。本当にすまなかった」
「あーまあ誤解がとけたようでなにより。つかいい加減教えてくれねぇか?あんたら誰」
「そう言えば名乗ってなかったな。こちらもつい興奮してしまって……」
いつの間にかガチムチ鎧三人は俺の後ろでガチャガチャ鎧を鳴らせながら正座した。
すげえなおい。
鎧着ながら正座できるのかよ。
「私たちはテセオン家の私設護衛隊の者です。そしてあちらにいらっしゃるお方は護衛隊隊長兼執事長のペフィー=ルイートさんです」
「マジかぁ……。ガッツリ貴族様やんけ」
私設護衛隊が持てるってかなり力があるってことだよな。
要は自前の軍みたいなもんだろうし。
「ってことはローレスは……」
「テセオン家の第三女様です」
やっぱ予想通り、単なる家でって感じかな。
「あー敬語使わなくていいよ。慣れてないのがバレバレ」
「あ、マジで?よかったー。クソガキでも一応保護してもらってた手前あんま偉そうにすんのきつくってさぁ」
「クソガキ言うなや。つか保護してたって分かってくれるのか?」
「見りゃわかるよ。っつーかまさかお嬢が抜け出すとは思わなかったんだよなぁ。いやぁ焦った焦った。もう少し遅かったらヤバかったな」
「ちなみにどうなってた?」
「……聞きたいか?もう解決したんだからいいじゃねぇかそんなこと」
「ですねー。別に聞きたくねぇやぁ」
ん?
誰だ俺の背中を突くのは……ってローレスか。
「なんだー?」
「またくる」
「おー。今度はちゃんとお家の人に言ってからくるんだぞー」
ん?
誰だ俺の頭を後ろから掴むやつは……ってジジイかだだだだだ!
「小僧」
「なんすか?」
「なにお嬢様に背中を突つかれてんだ」
「そんなことで頭を掴まないで貰えますかねぇ?」
なんちゅう顔してんだよ。
歯ぎしりすんなし。
その後ジジイに肩車されながら、ローレスは帰っていった。
帰り際のジジイのドヤ顔がムカついた。
翌日。
「小僧、そこをどけ」
「どいたら炬燵が暖まらないので無理です」
「じい、うるさい」
俺の横でローレスが丸まってるのが羨ましいらしく、ローレスから見えないように血走った目で睨みつけてきた。
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