勇者召喚物語!……の裏側

さきくさゆり

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6: 俺達六人は今日ものんびり過ごします。

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 あれから1か月が経過した。

 もうすぐ夏休みだ。

 この一ヶ月の間に色々と変わった。

 まず、シーラさん達四人は俺の義理姉妹になった。

 三之宮さんから言われた時には驚いたよ。
 お母さん達が養子にしたんだと言う。
 慌てて電話したら、そういう事だからよろしく。とのこと。
 どういう事?

 今更だけど、お母さん達って何者?なんでそんなことができたの?

 後、お母さんに、三之宮さんのことちゃんと責任取りなさいよって言われたんですけど、三之宮さん何言ったの?


 以上が四人の身分証明に関わるお話。
 では個人個人の話をしよう。

 まずシーラさん。

「飛鳥くん、ちょっと待っててください……よし、出来ました!後はこのプログラムを……」
「シーラさん!そろそろ風呂に入れ!」

 立派なプログラマーになりました。
 なんかいつの間にかIT企業のアルバイトをやってたよ。
 なんで一ヶ月でって思うでしょ?
 召喚オプションと魔術のおかげと言っておこう。
 というか俺もよくわからん。

 そして、ほぼ部屋の中に引きこもって生活を送っている。



 戸籍上、我が家の長女。


 テレジアさん。

「こら飛鳥!脱いだものを部屋に放っておくんじゃない!まったくもう手のかかる弟だ。それにいい加減……お姉ちゃんと呼んでくれても……」
「テレジアさん、昨日も言ったけど、勝手に部屋に入るな」

 オカンと化している。
 この間、俺の市販されてある保健の教科書が机の上に整頓されていた時は流石に説教したよ。
 え?今時紙媒体?ばっか今だからこその紙媒体なんだよ。

 あと土木作業員のアルバイトをし始めた。
 力が強くて結構重宝されているらしい。

 一応次女。そしてオカン。


 クラちゃんは一番変わったよ。

「クラちゃん、はいこれ。また渡してほしいって言われたから持ってきたけど何かなこれ」
「え?あーえーと……な、内緒だよ!それより、今から三時間ほど部屋には入らないでね!」
「はいはい。ごゆっくりー」

 まず訛が無くなった。
 あ、いやふとした拍子にはでるけど、日常会話では完全に取れている。
 そして、本人は隠しているつもりらしいが……その……ちーとばかし腐りました。
 いやなんかさ。
 教室でクラちゃんが書いたイラスト(これがまた異様に上手いのだ)を眺めてたら、クラスの女子の一人がイラストを見て、これを書いたのは誰だーってなって、その子にこの本を渡してくれと言われて……気がつけば、ね。

 時折、部屋から嬌声が聞こえて……正直少し気持ち悪いです。


 ミラちゃんは……その……。

「お兄ちゃん、マドレーヌ作ったから食べてくれる?薫ちゃんと頑張って作ったんだ」
「…………ありがとう。部屋でゆっく「今、食べてくれる?」り……いただきます」

 なんというかその……三之宮さんの……影響を……ウケすぎ……んー……なーんか細ーい何かが入ってるね。しかも噛み切れないね。これ何かな。
 え?早く飲み込め?マジで?なんか固くて小さいナニカもあるんだけど。あれ?ミラちゃんつm……分かった俺は何も知らないコレは美味しい美味しいマドレーヌそうマドレーヌダキレイナイモウトノツクッタマドレーヌ……はっ。

 そうそうミラちゃんは俺と同じところでアルバイトをする予定だ。

 そうそう三之宮さんはさ。

 俺の彼女?になったよ。
 羨ましい?そうか。羨ましいか。
 例えば、教室で抱き枕にされたり、家で抱き枕にされたり、電車で痴漢のように触られたりが羨ましいか。
 エロ本の顔の部分が全て三之宮さんの顔になってても羨ましいか。
 俺のスマホに入っている女の子の写真がいつの間にか全て同じポーズの三之宮さんに変わっていても羨ましいか。
 ベッドで寝てたら、敷布団に埋まっていた三之宮さんにいきなり抱きつかれても羨ましいか。

 もはや恐怖しかねえよ!

 でも外堀は埋まっているから逃げられないんだよ!


 はぁ……。
 ホント一ヵ月で大分生活が変わったなぁ。
 こんなにぎやかになるとは思わなかったよ。


「あの、飛鳥さん」
「なに?」

 というか、五人とも俺より背が高くて悔しい。
 しかもあっちの世界では四人とも低い方だと言っている。
 俺の身長?
 ……1g60センチですが?え?盛ったろ?いいえ?盛ってませんよ。盛ってねぇよ!

「飛鳥さん?」
「ああごめんボーッとしてた」
「飛鳥はたまにそうなるよね。ダメだぞ、話はちゃんと聞かないと」
「ハイハイ。んでシーラさん、どうしたの?」
「いえ、明日また皆でボーリングに行きたいのです」
「おお!私も行きたい!」
「わたしもいきたい!」
「わ、わたしも……」
「飛鳥くんを抱っこしたい」
「オッケー。じゃ明日はボーリング場にいくか」
「ありがとうございます!」


 俺達六人は今日ものんびり過ごします。

 そういえば、召喚されたアイツらどうしてるかなぁ。
 俺達の世界では行方不明になっていて、未だに親御さんが探し回っているけど。

 ま、帰っては……こないかなぁ。
 どうでもいいや。


☆☆☆☆☆☆☆☆

裏側の裏側、つまり本編のワンシーン。

A:おい、やべえぞ!俺達が消えたら中村が!
B:油断していたよ……。クソッ!
C:……このままだと、恐らくもう監……。
D:中村……すまねぇ……俺達はお前を守ってやれなかった……。
A:諦めるな!魔王を倒せば帰れるんだ!
C:そうだな……。すまねぇ……。俺は諦めねぇぞ!
B:もとはと言えば俺が油断していたからだ。絶対に今度は守り通す!
D:俺もだ!待ってろ中村!絶対に助けてやるかな!



いかがでしたか?
元々は短編のつもりで書いてたら長くなっちゃったんですよ。
視点変えれば色々と面白可笑しく書けそうな感じはあるんですがとりあえずこれで完結とさせていただきます。
もしかしたら、唐突に連載再開するかもわからない。
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