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僕は思わずバッと視線をアヤコさんの両脚に走らせた。
フフッと小さく笑う気配がして顔を上げると、アヤコさんは笑いながら両足の爪先をピコピコと動かして見せてくれた。
「大丈夫。ちゃんと動くし、何の不具合も無いのよ」
良かった。
無意識にホッと溜め息が出た。
するとアヤコさんは僕の頭を撫でながら嬉しそうに目を細めた。
「イツキは優しい子だね。だから時々、もしかしたらと君を探しに森へ来てたんだけど、今日こうして君を無傷で見つける事が出来て、本当に良かったよ」
アヤコさんは口調を男に戻してから屈めていた腰を1度伸ばして僕に右手を差し伸べた。
「さて、そろそろ出発しよう。血臭は風魔法で雲より上に流してるけど、マズイのが寄って来ないとも限らないし。この森は転移不可の厄介な場所だからね、もう少しだけ頑張って歩こうか」
「はい」
僕は右手を伸ばし頷きながら返事をして、自分の口から出た声に驚いた。
妙に高い、気がする。
首を傾げてもう一度小さく声を出してみる事にした。
「あーーー…
ぁあぁぁあ゛!?」
な、なんで僕、女みたいな声になってるんだ??
後半ほぼ悲鳴に近い声になりながら、僕は縋るようにアヤコさんの方を見た。
「わ、わ私に聞かれても、ちょっと、いや、全く分からないよ!って言うか、私も性別とか色々と変わってしまっていたから、その、たぶん、イツキも、そんな事があったり、なかったりするのか、も?」
あまりの事にアヤコさんも困惑気味なのか、言葉遣いが女性に戻って返答もしどろもどろになってしまっている。
もうせっかくのイケメンキャラがまたしても残念な感じに崩壊していた。
て言うか、口調が女性のようになってる段階で既に崩壊どころじゃないんだけどね。
「とりあえず!アレだ、アレが付いてるかを確認しないと!」
アヤコさんは動揺の余りとんでもない事を提案してきた。
そして数秒後……
僕は案の定涙目でへたり込んでいたのだった。
あり得ない…
あり得ないよ。
付いてないってどういう事?
あったのが無くなってるってどういう事?
む、むむ胸も少しだけど出てるって、
いったいどういう事なんだッ!?
開いた口が閉じられず、僕は半眼で座った状態から力なく真横に倒れた。
アヤコさんが咄嗟に右手を掴んでくれたお陰で頭は打たずに済んだけど、上半身がダラ~ンと宙ぶらりんになってしまった。
遠い目になって、どこか冷静な部分がこんな風に自分を分析していた。
茫然自失ってこんな状態なんだな~きっと、と。
次の瞬間、グイイッとアヤコさんに右手を引かれ、その反動で僕はアヤコさんの右肩に担ぎ上げられてしまった。
「ッ!?」
「こんな時にすまない!けど、舌を噛まないように大至急口を閉じてくれ!」
男口調で言われた直後、ビシビシビシッと、何かのヒビ割れる音が辺りに響いてアヤコさんの身体に鋭く緊張が走った。
「懸念してた面倒臭いのに見付かった!私のどこにしがみ付いてくれても構わないから、とにかく振り落とされないようにしっかり掴まっててくれ!」
フフッと小さく笑う気配がして顔を上げると、アヤコさんは笑いながら両足の爪先をピコピコと動かして見せてくれた。
「大丈夫。ちゃんと動くし、何の不具合も無いのよ」
良かった。
無意識にホッと溜め息が出た。
するとアヤコさんは僕の頭を撫でながら嬉しそうに目を細めた。
「イツキは優しい子だね。だから時々、もしかしたらと君を探しに森へ来てたんだけど、今日こうして君を無傷で見つける事が出来て、本当に良かったよ」
アヤコさんは口調を男に戻してから屈めていた腰を1度伸ばして僕に右手を差し伸べた。
「さて、そろそろ出発しよう。血臭は風魔法で雲より上に流してるけど、マズイのが寄って来ないとも限らないし。この森は転移不可の厄介な場所だからね、もう少しだけ頑張って歩こうか」
「はい」
僕は右手を伸ばし頷きながら返事をして、自分の口から出た声に驚いた。
妙に高い、気がする。
首を傾げてもう一度小さく声を出してみる事にした。
「あーーー…
ぁあぁぁあ゛!?」
な、なんで僕、女みたいな声になってるんだ??
後半ほぼ悲鳴に近い声になりながら、僕は縋るようにアヤコさんの方を見た。
「わ、わ私に聞かれても、ちょっと、いや、全く分からないよ!って言うか、私も性別とか色々と変わってしまっていたから、その、たぶん、イツキも、そんな事があったり、なかったりするのか、も?」
あまりの事にアヤコさんも困惑気味なのか、言葉遣いが女性に戻って返答もしどろもどろになってしまっている。
もうせっかくのイケメンキャラがまたしても残念な感じに崩壊していた。
て言うか、口調が女性のようになってる段階で既に崩壊どころじゃないんだけどね。
「とりあえず!アレだ、アレが付いてるかを確認しないと!」
アヤコさんは動揺の余りとんでもない事を提案してきた。
そして数秒後……
僕は案の定涙目でへたり込んでいたのだった。
あり得ない…
あり得ないよ。
付いてないってどういう事?
あったのが無くなってるってどういう事?
む、むむ胸も少しだけど出てるって、
いったいどういう事なんだッ!?
開いた口が閉じられず、僕は半眼で座った状態から力なく真横に倒れた。
アヤコさんが咄嗟に右手を掴んでくれたお陰で頭は打たずに済んだけど、上半身がダラ~ンと宙ぶらりんになってしまった。
遠い目になって、どこか冷静な部分がこんな風に自分を分析していた。
茫然自失ってこんな状態なんだな~きっと、と。
次の瞬間、グイイッとアヤコさんに右手を引かれ、その反動で僕はアヤコさんの右肩に担ぎ上げられてしまった。
「ッ!?」
「こんな時にすまない!けど、舌を噛まないように大至急口を閉じてくれ!」
男口調で言われた直後、ビシビシビシッと、何かのヒビ割れる音が辺りに響いてアヤコさんの身体に鋭く緊張が走った。
「懸念してた面倒臭いのに見付かった!私のどこにしがみ付いてくれても構わないから、とにかく振り落とされないようにしっかり掴まっててくれ!」
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