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焼けた喉がまだ痛いけど、嘔吐感が消えただけで幾らか気分がマシになった僕は慌てて頭を下げた。
「…め、なさ…」
喉が痛くてガサガサの酷い声しか出せなかったけど、こんな公共の場でいきなり嘔吐とか、あり得ない事を仕出かしてしまって、近くに居たみんなに、特にアヤさんには謝らないと!
僕はとんでもない事をしてしまった恐怖に震えながら、切れぎれになる声を絞り出して謝罪の言葉を続けた。
「めいわく…かけて、ごめ…なさい。こんなとこ…で、きたなく、して、ほんとに…ごめんな、さ…」
「違うよ!イツキ、謝るのは私の方だ。
体調が悪いのは分かってたのに、甘くみてたんだから。
イツキは私と違って今はまだ普通の子なのに、人混みに酔っただけだって軽く考えてた。
イツキは向こうの世界では絶対に起こり得ない事を昨日から、何度も見せられたり体験させられたりしてたっていうのに。
私がやらかした大立ち回りを見て、イツキは真っ青になってたばかりだっていうのに。
そんな事もすっかり忘れて…
精神的な負担で体調崩してもおかしくないんだって、私には全く思い至らなかった。思い至らなかったんだ。
本当にごめん。ごめん…なさい。」
アヤさんに深々と頭を下げられて、僕は困惑してしまった。
謝らないといけないのは僕の方なのに。
迷惑を掛けたのは僕の方なのに。
髭ゴリラさんの件だって、僕も不謹慎な事を考えてた手前、アヤさんに謝られる程ではないと思うのに。
どうして迷惑を掛けられたアヤさんが謝らないといけないんだ??
傍目にはまるで土下座して謝ってるみたいなアヤさんの様子に、周りを見回せば、みんな息を呑んで茫然と僕達を見詰めていた。
そ、そうだよね。
これ、僕みたいなのがSランクの冒険者を土下座させてるみたいに見えてるんだよな…きっと。
どうしよう…
僕なんかが勇者の称号まで持ってる人に頭を下げさせてるなんて、ホントおこがましい。
急に周りの視線が怖くなった僕は、何とか落ち着こうと大きく息を吸い込んだ。
そうだ、息は吸ったら吐かないとダメなんだった。
こんな事で昨日みたいになったら、また周りの人達に迷惑を掛けてしまう!
吸ったら吐く。
吸ったら吐く。
頭の中で唱えながら繰り返す。
あれ?おかしいな。
意識し過ぎて何か、リズムとか変になってる気がする。
さっき吸った後、ちゃんと吐いてたっけ?
息苦しくなって必死に、引き攣ったような呼吸を肩で繰り返していると、アヤさんに腕を掴んで揺さ振られ、声を掛けられていた事に気が付いた。
「イツキ!イツキ!どうしたの?」
「アヤさ…?」
「うん、さっきからどうしたの?大丈夫?」
僕は尋ねられた内容が一瞬理解出来ずに首を傾げると、その時…
「アヤトぉ!こんなトコで何やってるの?」
と、明るい金髪に翡翠色の瞳の美少女が、アヤさんに近づいて来るのを視界の端に捉えた。
「…め、なさ…」
喉が痛くてガサガサの酷い声しか出せなかったけど、こんな公共の場でいきなり嘔吐とか、あり得ない事を仕出かしてしまって、近くに居たみんなに、特にアヤさんには謝らないと!
僕はとんでもない事をしてしまった恐怖に震えながら、切れぎれになる声を絞り出して謝罪の言葉を続けた。
「めいわく…かけて、ごめ…なさい。こんなとこ…で、きたなく、して、ほんとに…ごめんな、さ…」
「違うよ!イツキ、謝るのは私の方だ。
体調が悪いのは分かってたのに、甘くみてたんだから。
イツキは私と違って今はまだ普通の子なのに、人混みに酔っただけだって軽く考えてた。
イツキは向こうの世界では絶対に起こり得ない事を昨日から、何度も見せられたり体験させられたりしてたっていうのに。
私がやらかした大立ち回りを見て、イツキは真っ青になってたばかりだっていうのに。
そんな事もすっかり忘れて…
精神的な負担で体調崩してもおかしくないんだって、私には全く思い至らなかった。思い至らなかったんだ。
本当にごめん。ごめん…なさい。」
アヤさんに深々と頭を下げられて、僕は困惑してしまった。
謝らないといけないのは僕の方なのに。
迷惑を掛けたのは僕の方なのに。
髭ゴリラさんの件だって、僕も不謹慎な事を考えてた手前、アヤさんに謝られる程ではないと思うのに。
どうして迷惑を掛けられたアヤさんが謝らないといけないんだ??
傍目にはまるで土下座して謝ってるみたいなアヤさんの様子に、周りを見回せば、みんな息を呑んで茫然と僕達を見詰めていた。
そ、そうだよね。
これ、僕みたいなのがSランクの冒険者を土下座させてるみたいに見えてるんだよな…きっと。
どうしよう…
僕なんかが勇者の称号まで持ってる人に頭を下げさせてるなんて、ホントおこがましい。
急に周りの視線が怖くなった僕は、何とか落ち着こうと大きく息を吸い込んだ。
そうだ、息は吸ったら吐かないとダメなんだった。
こんな事で昨日みたいになったら、また周りの人達に迷惑を掛けてしまう!
吸ったら吐く。
吸ったら吐く。
頭の中で唱えながら繰り返す。
あれ?おかしいな。
意識し過ぎて何か、リズムとか変になってる気がする。
さっき吸った後、ちゃんと吐いてたっけ?
息苦しくなって必死に、引き攣ったような呼吸を肩で繰り返していると、アヤさんに腕を掴んで揺さ振られ、声を掛けられていた事に気が付いた。
「イツキ!イツキ!どうしたの?」
「アヤさ…?」
「うん、さっきからどうしたの?大丈夫?」
僕は尋ねられた内容が一瞬理解出来ずに首を傾げると、その時…
「アヤトぉ!こんなトコで何やってるの?」
と、明るい金髪に翡翠色の瞳の美少女が、アヤさんに近づいて来るのを視界の端に捉えた。
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