僕、勇者サマの養い子になりました

髙城

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69.

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「下手に隠して後で知るよりいいかと思うから、もういっそ全部言うけど…
実は昨日、魔力切れで倒れたイツキを寝かせた後に、クィーリャ様の所へ話を聞きに行って来たんだよ。イツキのカードを受け取る時に強引に約束させられてたもんだから仕方なく聞くだけ聞きに…ね。
それで朝までは多分起きないだろうって思い込んで、でも一応ベッド横のサイドテーブルとリビングのテーブルに出掛けるって書き置きをして出たんだけど…」
「ッ!?」
「その様子じゃ全く気付かなかったんだね…」
「………はい」
「とにかく、帰って来たらベッドにイツキが居ないもんだから、家中あちこち探しまくった挙句あげくパニックになっちゃって…」
「ご、ごめんなさッ」
「いいんだよ!私が勝手に朝までは起きないだろうって過信してたのがいけなかったんだし、むしろ私の方がイツキを不安にさせて一杯泣かせちゃって本当に申し訳なかったよ。
それでね、イツキの力を見せた事でウールドが何かしたんじゃないかと、つい…つい宿に殴り込みに行っちゃって…」
「ふエッ!?」
「でもタイミングの悪い事に、アイツときたら言われた通りホントにプロのお姉さんと仲良く致してる真っ最中で…」

うーわぁ………

「威圧全開で抜刀してウールドの胸ぐら掴んだ拍子にお姉さんは泡吹いて気絶するわ、ウールドは締められてイカされてるわで、大変な事になったりならなかったり、したり…して、ね?」

あわわわわわ……

「まぁ、そんなこんなでそのままウールド拉致らちって来てイツキを朝まであちこち探し回らせ…」

僕は慌ててお湯の中でグイグイとアヤさんの手を引いた。
帰り際にウールドさんがあんなグッタリしてた理由が今、良~く分かったよ…

「ン?え?なぁに?」
「明日……二人でウールドさんの所へ謝りに行きましょう。絶対そうしましょう。これ、ちゃんと謝らないと……流石に申し訳無さ過ぎて…僕……」
「あーー…別に気にしなくてもッ、いや、うーん…そうだねぇ。チャントシナイトネェ………」

アヤさん……
今あからさまに目を逸らしたのは何故ですか?

「あ、そんな事・・・・より!もっと聞きたかった事があったんだよ。
イツキはずっとあそこに居たって言ってたけど、私もウールドも幾度いくどとなく家の中も外も探し回った筈なのに、全くイツキの気配を感じられなかったのは…どうしてだろう。何か心当たりってある?」
「………………多分……寝落ちしてた…から、とか?」
「いや、流石にそれくらいで気付かない何て事は有り得ないよ。私もアイツもそれなりのスキルランクだし」
「…ごめん、なさい。わからない、です」

思い至る事が何も無くて俯くと、僕は申し訳なくて声がどんどん小さくなってしまった。

「うーん……
イツキ、もう一度ステータスを見せて貰っていいかな?」
「ステータス?」
「うん、何か手掛かりになるようなスキルが付いてるかも知れないし…」

言われて僕は頷いた。
確かにそうかも…

『ステータス』

僕は心の中で念じると、目の前に半透明な画面が現れた。
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