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「取り敢えず、中身を視てから考えませんか?」
僕はそう声を掛けると、アヤさんの瞼に外側から1枚ずつ魔道具の画像を映していった。
単純な構造なので、どうやら2層しかないらしい。
で、まず1層目の外皮なんだけど、植物の根に擬態させる為か、木と土が合わさったような物で作られているみたいだった。
お次の2層目は…
ん?何かの金属に短く文字が刻んである??
見た事のない文字だけど、スキルのお陰か、読めるし意味も分かった。
その意味は…やはり『基点』…だ。
ここが基となる地点で、基となる場所。
対となる『指針』が起動すれば、指針がどこにあろうとも基点が反応を返すようになっている…みたいだった。
「も~~手っ取り早く壊しておこうよ」
「待って!ダメ!これ…何か変です」
「ん?どういう事?」
アヤさんは握り潰そうとしていた手の力を抜き、掌を広げて見せてくれた。
よ、良かった。まだ壊れたりしてない。
「その綿棒みたいなのですけど、良く見ると薄っすら黒い靄が見えるんです。凄く嫌な感じがするから、壊したら何かある…気がするんです」
「へぇ…呪の類いかな?」
「そこまでは分からないんですけど、何て言うか…その、」
「上手く説明しようとしてくれなくても大丈夫だよ。思い付く単語を並べてくれるだけでも十分だから」
「はい、何となく…ですけど、付いてくる……
違うな。憑いてくる?感じがするんです。言ってて自分でも意味が分からないんだけど、気持ち悪い感じがするんです」
「ふ~ん、成る程。じゃあこれは取り敢えず…」
そう言いながら、アヤさんは無限収納から栓付きの試験管みたいな物を取り出した。
『不可視、隠蔽、偽装、封印、封魔、封呪』
良く見れば試験管や栓には小さく文字が幾つか書き込まれていて、瞬きするたびにハッキリ見えたり見え難くなったりを繰り返していた。
「ここに入れとくかな。で、引っ越し際に跡地に埋めて棄てて行こうか」
本当はサンスベリアの鉢ごと置いて行っても良かったのかも知れないけど、植物の世話を頼まれた身としては嬉しくて、僕は笑顔で頷いた。
「はい」
でも一応、念入りにじっくりと植木鉢は調べた。
だって後で何かあったら怖いし。
「しっかしイツキは不思議だよね。不穏な気配とかには恐ろしく敏感なのに、自分の魔力は感知出来ないって」
……確かに。
ホントに何でアヤさんに頼まれて調べる時は詳細に色んな物を感じ取る事が出来るんだろう?
謎過ぎる…
「イツキにとって私からの頼み事は一種の暗示みたいになってるのかも知れないね。やっぱり元々は感知出来るのに、今はまだ上手くいってないだけなんじゃないのかな?」
僕はそう声を掛けると、アヤさんの瞼に外側から1枚ずつ魔道具の画像を映していった。
単純な構造なので、どうやら2層しかないらしい。
で、まず1層目の外皮なんだけど、植物の根に擬態させる為か、木と土が合わさったような物で作られているみたいだった。
お次の2層目は…
ん?何かの金属に短く文字が刻んである??
見た事のない文字だけど、スキルのお陰か、読めるし意味も分かった。
その意味は…やはり『基点』…だ。
ここが基となる地点で、基となる場所。
対となる『指針』が起動すれば、指針がどこにあろうとも基点が反応を返すようになっている…みたいだった。
「も~~手っ取り早く壊しておこうよ」
「待って!ダメ!これ…何か変です」
「ん?どういう事?」
アヤさんは握り潰そうとしていた手の力を抜き、掌を広げて見せてくれた。
よ、良かった。まだ壊れたりしてない。
「その綿棒みたいなのですけど、良く見ると薄っすら黒い靄が見えるんです。凄く嫌な感じがするから、壊したら何かある…気がするんです」
「へぇ…呪の類いかな?」
「そこまでは分からないんですけど、何て言うか…その、」
「上手く説明しようとしてくれなくても大丈夫だよ。思い付く単語を並べてくれるだけでも十分だから」
「はい、何となく…ですけど、付いてくる……
違うな。憑いてくる?感じがするんです。言ってて自分でも意味が分からないんだけど、気持ち悪い感じがするんです」
「ふ~ん、成る程。じゃあこれは取り敢えず…」
そう言いながら、アヤさんは無限収納から栓付きの試験管みたいな物を取り出した。
『不可視、隠蔽、偽装、封印、封魔、封呪』
良く見れば試験管や栓には小さく文字が幾つか書き込まれていて、瞬きするたびにハッキリ見えたり見え難くなったりを繰り返していた。
「ここに入れとくかな。で、引っ越し際に跡地に埋めて棄てて行こうか」
本当はサンスベリアの鉢ごと置いて行っても良かったのかも知れないけど、植物の世話を頼まれた身としては嬉しくて、僕は笑顔で頷いた。
「はい」
でも一応、念入りにじっくりと植木鉢は調べた。
だって後で何かあったら怖いし。
「しっかしイツキは不思議だよね。不穏な気配とかには恐ろしく敏感なのに、自分の魔力は感知出来ないって」
……確かに。
ホントに何でアヤさんに頼まれて調べる時は詳細に色んな物を感じ取る事が出来るんだろう?
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