僕、勇者サマの養い子になりました

髙城

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117.

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「最強ニャのはイツキ様だったのニャ……」

ミケーリュウスさんのそんな呟きは…
幸いな事に僕の耳には届かなかったんだけど、猫耳親子三人が顔を寄せて頷き合っている不思議な様子に僕は小首を傾げた。

そんな僕をアヤさんは複雑な面持ちで見ていて、僕ときたらそれを見て、『生意気な事言ったから気を悪くさせちゃった!?』としか考えられず、思わず青くなってしまったのだった。

その場の勢いでやらかしちゃったんだけど、良く考えたらアヤさんに対して何様のつもり?って態度を取っちゃって、僕ったら…もう……

どうしよう…

それなのにアヤさんは青褪めた僕を見て、ガバッと頭を下げた。

「ゴメンね?まだ怒ってるよね?イツキから「やり過ぎ』って言われちゃうなんて、よっぽどだもんね。悪ノリし過ぎちゃってホントに…」
「待って!待って下さい!睨んだり生意気な事を言っちゃって、僕の方こそ謝らなきゃって思っ「違うならいいの!」て、え?」

キョトンとなる僕に、アヤさんは嬉しそうにフワリと笑った。

「イツキがもう怒ってないなら、そんな些細な事は気にしなくてもいいんだ。イツキはね、もっと私に対して我が儘を言ったり好きな事していいんだよ?だから、さっきの事なんかはサラッと流しとけばいいの」
「でも…」
「私は嫌なら嫌って言う性格だし、やり過ぎてたり我が儘も過ぎればちゃんと叱ってあげるから、取り敢えず思うままに安心してぶつかっておいでよ。私は・・イツキの事を絶対・・嫌いになったりしないから!」
「だけど、それで…」
「嫌な思いをさせたり、怒らせたりするのが怖い?」
「……はい」
「私も一応人間で、神様みたいに達観してる訳じゃ無いから、怒ったり拗ねたりする事はあると思うけど…でもね、イツキとはソレも込みで、言いたい事を言い合える仲になりたいんだよ。私は心から、本当の意味でイツキと家族になりたいって思ってるんだから…」

アヤさんは自分の座っていた椅子をズラしていつの間にか身体の向きを変え、僕を抱き寄せた。
そのまま膝の上に座らされ、同じ目線にされて至近距離で顔を見合わせる。
僕は余りの近さに逃げ腰でなって視線を泳がせてしまうと、アヤさんは思いの外不安そうな顔をして僕の事を必死に見詰めていた。

「ずっと…私の側に居て欲しいんだ、イツキ。お願いだから側に居て」


な、
なな何を急に言い出すんですかッ、アヤさんッ!!!
真顔でそんな言い方してッ
誤解されますよ、絶対に!
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