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良く分からなくて、僕は取り敢えず顔を両手で覆って揉み解してみた。
もし見るに堪えない程の顔をしていたのなら早急に何とかしないと!
だってこれ以上アヤさんの気を遣わせる訳にはいかないし。
ていうか、さっきから真面目な口調なのに人の髪をフンフンしながら話すのは何故なんだろう?
実はちょっと擽ったいんですが、アヤさん……
僕は困った顔になっているのを自覚しつつ、何とか止めて貰えないものかと思案していると、何となく不穏な気配を感じてキョロキョロと辺りを見回した。
「本当にイツキの感知能力は凄いね。ったく、それにしてもしつこいな」
アヤさんがうんざりした顔で溜息を吐くと、僕は慌てて目を瞑って辺り一帯の気配を探った。
すると、真っ直ぐに僕達を見詰めながら、ゆっくりとこちらに歩いて来る人物が視えた。
どうやら何かしらのスキルを複数使っているらしく、全身を薄い膜のような物で覆い、両目には紅いオーラが揺らめいているのが視える。
結構離れているのに間近で目が合った気がして身震いすると、アヤさんが僕の髪に再び顔を埋めてスリスリしてから抱き上げ、定位置の右腕に座らせた。
愛おしげに僕を見詰めて頬をひと撫ですると、視線を前に据えて眼前の人物を睨み付ける。
そして、感情の乗らない無機質な声で問うた。
「こんな所まで態々追って来て、お忙しいであろう『紅炎』のシェーラ様が私に一体何の用だ?」
ッッ!?
『紅炎』って……
もしかしてシェーラさんが3人目の勇者様ッ!?
僕は驚いて思わず眼前の人物とアヤさんの顔を交互にガン見してしまうと、大きな胸を下から支えるようにして腕組みをしながら歩いて来たシェーラさんが僕達を……
いや、アヤさんを睨み返すようにしてジッと見詰めつつ口を開いた。
「えらく邪険にするわね、ホント腹立たしい。2ヶ月ぶりに会ったというのに、用がなければ話し掛けてはいけないの?ウールド様とは頻繁に合って仲良くしてる癖に、私だけ除け者にするなんて酷いじゃないの」
「別に仲良くはしていないし、用があって話しているだけに過ぎない。単にアレが鬱陶しい男なだけだ」
恨みがましい口調で言われ、アヤさんは無表情のまま面倒臭そうに答えると、そのまま背を向けて歩き出そうとしたタイミングで左手を払った。
「触るな」
咄嗟に呼び止めようとシェーラさんがアヤさんの左手を掴もうとしたみたいだったんだけど、こんなに激しく拒絶されるとは思わなかったらしく、右手を伸ばした状態で固まってしまっていた。
僕もアヤさんの冷たい声音に驚いて固まっていると、左手で背中をポンポンされて脱力し、アヤさんの首筋に顔を埋めた。
ビックリした……
アヤさん、人から触られるの好きじゃなかったんだ。
って、僕!
弾かれたように慌てて顔を上げて身体を捩ると、アヤさんは「こら、急に危ない」って言いながら、離すまいとガッチリ僕を抱き込んだ。
もし見るに堪えない程の顔をしていたのなら早急に何とかしないと!
だってこれ以上アヤさんの気を遣わせる訳にはいかないし。
ていうか、さっきから真面目な口調なのに人の髪をフンフンしながら話すのは何故なんだろう?
実はちょっと擽ったいんですが、アヤさん……
僕は困った顔になっているのを自覚しつつ、何とか止めて貰えないものかと思案していると、何となく不穏な気配を感じてキョロキョロと辺りを見回した。
「本当にイツキの感知能力は凄いね。ったく、それにしてもしつこいな」
アヤさんがうんざりした顔で溜息を吐くと、僕は慌てて目を瞑って辺り一帯の気配を探った。
すると、真っ直ぐに僕達を見詰めながら、ゆっくりとこちらに歩いて来る人物が視えた。
どうやら何かしらのスキルを複数使っているらしく、全身を薄い膜のような物で覆い、両目には紅いオーラが揺らめいているのが視える。
結構離れているのに間近で目が合った気がして身震いすると、アヤさんが僕の髪に再び顔を埋めてスリスリしてから抱き上げ、定位置の右腕に座らせた。
愛おしげに僕を見詰めて頬をひと撫ですると、視線を前に据えて眼前の人物を睨み付ける。
そして、感情の乗らない無機質な声で問うた。
「こんな所まで態々追って来て、お忙しいであろう『紅炎』のシェーラ様が私に一体何の用だ?」
ッッ!?
『紅炎』って……
もしかしてシェーラさんが3人目の勇者様ッ!?
僕は驚いて思わず眼前の人物とアヤさんの顔を交互にガン見してしまうと、大きな胸を下から支えるようにして腕組みをしながら歩いて来たシェーラさんが僕達を……
いや、アヤさんを睨み返すようにしてジッと見詰めつつ口を開いた。
「えらく邪険にするわね、ホント腹立たしい。2ヶ月ぶりに会ったというのに、用がなければ話し掛けてはいけないの?ウールド様とは頻繁に合って仲良くしてる癖に、私だけ除け者にするなんて酷いじゃないの」
「別に仲良くはしていないし、用があって話しているだけに過ぎない。単にアレが鬱陶しい男なだけだ」
恨みがましい口調で言われ、アヤさんは無表情のまま面倒臭そうに答えると、そのまま背を向けて歩き出そうとしたタイミングで左手を払った。
「触るな」
咄嗟に呼び止めようとシェーラさんがアヤさんの左手を掴もうとしたみたいだったんだけど、こんなに激しく拒絶されるとは思わなかったらしく、右手を伸ばした状態で固まってしまっていた。
僕もアヤさんの冷たい声音に驚いて固まっていると、左手で背中をポンポンされて脱力し、アヤさんの首筋に顔を埋めた。
ビックリした……
アヤさん、人から触られるの好きじゃなかったんだ。
って、僕!
弾かれたように慌てて顔を上げて身体を捩ると、アヤさんは「こら、急に危ない」って言いながら、離すまいとガッチリ僕を抱き込んだ。
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