6 / 11
ズルい・・・
しおりを挟む
拓斗:「結構混んでるんだな」
茜:「この島でレジャーなんて少ないしね」
拓斗:「こんなに人がいる島だったんだって感じ」
茜:「アンタ、どんだけバカにしてんのよ」
拓斗:「実際、この数日の間で会った人なんか指で数える程度だったんだが?」
茜:「漁師とか多いし、あんまり島に居ないのよ」
拓斗:「出店も沢山・・・何か奢ってやろうか?」
茜:「いい。別にアンタに出してもらう理由ないし」
拓斗:「そうかよ。んじゃ、そこの石段で少し休もうぜ」
茜:「はぁ?」
拓斗:「いいからいいから、ほら、座って」
拓斗と茜は石段に腰掛ける。
茜:「なんなのよ、急に」
拓斗:「ん?まぁ、思うとこあってさ」
茜:「・・・ねぇ」
拓斗:「ん?」
茜:「前から少し思ってたんだけど、アンタはなんでこの島に来たの?」
茜:「今自分でも言ってたけど、何もないじゃん、ここ」
拓斗:「・・・何もなくても、茜達は居るじゃん?」
茜:「はぁっ!?(照れながら)」
拓斗:「最初は10年前の事がもっと知りたいと思ったからだったけど、今は君たちのことが気になるから。心配だからって言ってもいいかな」
茜:「し、心配って、なんでよ・・・」
拓斗:「解離性同一性障害の事もそうだけど、初日にお前がなんか変だったから」
茜:「ぁ・・・」
拓斗:「あんまり問い詰めてもと思ってたんだけど・・・アレはなんで?」
茜:「あ、アレってなんのことよ!」
拓斗:「胸抑えて苦しそうにしてたじゃん」
茜:「なんでそんなの覚えてんのよ」
拓斗:「忘れるわけないだろ」
茜:「・・・心臓が良くないの。」
拓斗:「・・・え?」
茜:「アタシ、っていうかこの体は心臓が良くないのよ」
拓斗:「・・・知らなかった」
茜:「言ってないし。柚子はこの手の話しないし、菫はどーせ喋んないから」
茜:「この体には常に3人分の負担がかかるの。そりゃ普通の人と同じって訳にはいかないわよ」
茜:「脳に負担はかかるし、元から心臓は弱い。その上・・・紫苑は死んじゃうし」
拓斗:「・・・。」
茜:「・・・ありがと」
拓斗:「ん?」
茜:「体のことが気になってたから、休ませたかったんでしょ?気ぃ使ってくれてありがと」
茜:「でも、気にしなくて大丈夫だから」
拓斗:「本当かよ」
茜:「うん。邪魔になるほど弱ってたら、もっと前に伝えてる。言わなくても大丈夫だから言わなかっただけ」
拓斗:「・・・そっか」
茜:「ホント、気を使ってくれてありがと。その・・・嬉しかった」
拓斗:「おう」
茜:「ぁー・・・じゃあね!」
拓斗:「え、どういう───」
菫:「ズルい」
拓斗:「は?ズルい?」
菫:「ズルい。私も、遊ぶ」
拓斗:「ああっと・・・菫か?」
菫:「うん」
拓斗:「変わったのか」
菫:「うん」
拓斗:「で、遊びたいって?」
菫:「うん」
拓斗:「うんしかいわねぇ!」
菫:「・・・ごめん」
拓斗:「や、良いんだけど・・・よっしゃ、遊ぼうぜ!」
菫:「うん!」
拓斗:俺は石段から立ち上がって、先導するように先を行く。
菫:「茜、ズルい・・・」
それだけ呟くと、柚子は拓斗を追いかけて行った。
茜:「この島でレジャーなんて少ないしね」
拓斗:「こんなに人がいる島だったんだって感じ」
茜:「アンタ、どんだけバカにしてんのよ」
拓斗:「実際、この数日の間で会った人なんか指で数える程度だったんだが?」
茜:「漁師とか多いし、あんまり島に居ないのよ」
拓斗:「出店も沢山・・・何か奢ってやろうか?」
茜:「いい。別にアンタに出してもらう理由ないし」
拓斗:「そうかよ。んじゃ、そこの石段で少し休もうぜ」
茜:「はぁ?」
拓斗:「いいからいいから、ほら、座って」
拓斗と茜は石段に腰掛ける。
茜:「なんなのよ、急に」
拓斗:「ん?まぁ、思うとこあってさ」
茜:「・・・ねぇ」
拓斗:「ん?」
茜:「前から少し思ってたんだけど、アンタはなんでこの島に来たの?」
茜:「今自分でも言ってたけど、何もないじゃん、ここ」
拓斗:「・・・何もなくても、茜達は居るじゃん?」
茜:「はぁっ!?(照れながら)」
拓斗:「最初は10年前の事がもっと知りたいと思ったからだったけど、今は君たちのことが気になるから。心配だからって言ってもいいかな」
茜:「し、心配って、なんでよ・・・」
拓斗:「解離性同一性障害の事もそうだけど、初日にお前がなんか変だったから」
茜:「ぁ・・・」
拓斗:「あんまり問い詰めてもと思ってたんだけど・・・アレはなんで?」
茜:「あ、アレってなんのことよ!」
拓斗:「胸抑えて苦しそうにしてたじゃん」
茜:「なんでそんなの覚えてんのよ」
拓斗:「忘れるわけないだろ」
茜:「・・・心臓が良くないの。」
拓斗:「・・・え?」
茜:「アタシ、っていうかこの体は心臓が良くないのよ」
拓斗:「・・・知らなかった」
茜:「言ってないし。柚子はこの手の話しないし、菫はどーせ喋んないから」
茜:「この体には常に3人分の負担がかかるの。そりゃ普通の人と同じって訳にはいかないわよ」
茜:「脳に負担はかかるし、元から心臓は弱い。その上・・・紫苑は死んじゃうし」
拓斗:「・・・。」
茜:「・・・ありがと」
拓斗:「ん?」
茜:「体のことが気になってたから、休ませたかったんでしょ?気ぃ使ってくれてありがと」
茜:「でも、気にしなくて大丈夫だから」
拓斗:「本当かよ」
茜:「うん。邪魔になるほど弱ってたら、もっと前に伝えてる。言わなくても大丈夫だから言わなかっただけ」
拓斗:「・・・そっか」
茜:「ホント、気を使ってくれてありがと。その・・・嬉しかった」
拓斗:「おう」
茜:「ぁー・・・じゃあね!」
拓斗:「え、どういう───」
菫:「ズルい」
拓斗:「は?ズルい?」
菫:「ズルい。私も、遊ぶ」
拓斗:「ああっと・・・菫か?」
菫:「うん」
拓斗:「変わったのか」
菫:「うん」
拓斗:「で、遊びたいって?」
菫:「うん」
拓斗:「うんしかいわねぇ!」
菫:「・・・ごめん」
拓斗:「や、良いんだけど・・・よっしゃ、遊ぼうぜ!」
菫:「うん!」
拓斗:俺は石段から立ち上がって、先導するように先を行く。
菫:「茜、ズルい・・・」
それだけ呟くと、柚子は拓斗を追いかけて行った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる