夏の花

只ノ人 -ただのひと-

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手紙 1

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 親愛なる君へ

 僕が遠くに行ってからもう4回目の夏が来ました。そろそろ僕のこと忘れてそうなので、手紙を書いてみました。元気にやっていますか。





 風邪とか引いてませんか。
いつも僕のことをひ弱だって笑ってたくらいなんだから、君はきっと大丈夫だよね。





 クラスには馴染めていますか。君には僕しか友達がいなかったみたいで少し、いやかなり心配だよ。そうだ、試しに翔にでも話しかけてみなよ、あいつは僕とも仲が良かったから。君は優しくて面白いんだから、きっとたくさん友達ができるよ。





 大切な人はいますか。君はいつも僕とばかり一緒で浮いた話の1つも聞かなかったけれど、もう高校生なんだからちゃんと恋愛するんだよ。ちょっと妬けるけど許してあげるよ。





 因みに僕は元気です。聞いてないとか言うなよ。皆優しいし、他所から来た僕に色んなことを教えてくれるんだ。あ、そうそう、君が夏毎にくれるあの花、勿忘草とリナリアって言うんだね。なんか忘れないでって感じですごく気に入ってるんだよ

ーーーー





 と。こんな感じでいいのかな。手紙なんて初めてだからなあ…作法とかあるのかな、
まあ、許してくれるよね、うん。

 じゃあ最後に、と。





 

いつの日かまた、君に会えることを楽しみにしているよ。できるだけゆっくり来てよ、今はまだ会いたくはないからね。じゃあね。






 これでいいかな。さてこれを封筒に入れて…切手は…いいか。直接渡しにいくんだから。楽しみだなあ、しっかり驚いておくれよ。







 青空の昼下がり、日照りに焼けた石の上、少年は笑顔で、決して会えない少女を待っている。














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