95 / 140
第5章:選択
選択の結果
しおりを挟む
◇◇◇
──ブライトヒル王国城、医務室
重い重い、まるで大岩のような瞼を必死に開いた少年。
「痛っ!」
腕を動かすと、肩や背中に激痛が走った。その刺激により、眠る前の記憶が僅かに甦る。
ここブライトヒル王国がバケモノの襲撃に遭い、自身もまた戦いに身を投じていた。
しかし、まだ全貌は思い出せずにいる。突如として気を失った彼の記憶は、混乱しているのだ。
──ここは、お城?
痛みに顔を歪めながら、なんとか上体を起こした。すると、床にあぐらをかいて座り、ベッドの縁に突っ伏す桃髪の女性が見えた。
「桜華さん、桜華さん」
声をかけ、彼女の肩を数回揺らす。すると、ん~と唸りながら姿勢が直っていく。
「ああ、おはようユウキ殿」
そう言うと桜華は右手で口を隠し、大きな欠伸をひとつ。左右の手で両目をこすった。
「他の皆さんは?」
掌を天井に向けて伸びをする彼女に、仲間の所在を質問した。自分が眠っている間、何がどうなったのかを訊く意図もこめた問いである。
「ポリア殿とアインズ殿は、疲れて寝ちゃった。タヂカラ殿はどっちかを見守ってるよ。ちなみに、ユウキ殿を見守ってたのは桜華ちゃんね」
「寝てたじゃないですか」
「鋭いツッコミありがとう」
──鈍いボケありがとうございます
内心でそう言いつつ、布団をめくってベッドから降りた。フラフラと立ち上がる。
「とりあえず、みんなの所へ」
「あれ、もう痛くないの?」
「……痛いです」
軋む体に鞭を打ち、ユウキは桜華と共に仲間の元へと向かった。
◇◇◇
それほど遠くない場所に、椅子に座る大男を発見した。その横にあるベッドでは、ポリアが眠っている。
「タヂカラさん」
「おお、目覚めたかアニキ」
「ええ。ポリアは?」
視線を彼女に移し、状況を問うた。
「まだ眠ってるぜ。聞いた話によると、怪我した騎士をずっと治してたらしい。ま、力の使い過ぎってとこだな」
「なら、良かった」
ポリアは、騎士でも戦闘員でもない。絶対に守るという約束の下、行動を共にしている。無事ではないが、怪我など無くて良かったと、ユウキは安堵した。
「タヂカラさんもご無事ですか?」
「ああ、俺は大丈夫だ」
「え、私の心配はしてくれなかったのに」
「すみません。大いびきかいて寝てる人は大丈夫だと思って」
「大いびき?! 私、大いびきかいてたの?!」
医務室では静かに、と注意されそうな声量で慌てる桜華。
「嘘ですけど」
「そんなに、もう一回寝たい?」
……と、ユウキは不安な気持ちを掻き消すかのように茶番を繰り返した。
「俺たちゃ良い。消耗がデカいのはアニキとアインズの嬢ちゃんだ」
「アインズさんも?」
「ああ。廊下でぶっ倒れたって聞いたぜ」
それはマズイと、ユウキはすぐにアインズの方へ向かうことに。
◇◇◇
桜華に案内され、医務室の角へ。窓際のベッドで眠るアインズの姿が見えた。二人が横に立つと、ちょうどそのタイミングで彼女は目覚めた。
「おはようございます、アインズさん」
「……ええ、おはようユウキくん。それと……誰だっけ? ごめんなさい記憶が混乱してて」
「そんな都合よく忘れる?」
「あはは……」
今度も、少年は安堵した。もっと重傷なのかと思っていたが、寝起きすぐにいつも通りの会話が出来るなら問題無いだろうと考えたのだ。
「でも良かった、アインズさんも無事──」
「そうだわ、ユウキくん!」
ふと、眠る直前の記憶を思い出して必死な顔になるアインズ。力強く少年を呼んだ。
「はい?」
「ツヴァイは? ツヴァイは見なかった?!」
「この後探しに行こうと思ってました。お礼も言いたいですし」
「そう。なら急ぎましょう」
まだ辛いだろうが、彼女は素早くベッドから降りた。彼女の慌てようを見て、何かあったのかと少年も焦燥を感じた。
◇◇◇
三人で医務担当の騎士に声をかけ、ツヴァイの行方を聞いた。しかし、その返答は二人の焦りを加速させる。
「記録によると、ツヴァイ様は運ばれていませんね」
「そんな、そんなはず無いわ! もう一度よく見てちょうだい」
「かしこまりました」
医務担当は再びリストを確認する。下から順に遡っていき、一名ずつ名前を読み上げながら見ていった。やがて、リストの一番最初まで来た。しかし、ツヴァイの名は見当たらない。
「あれ? 僕はツヴァイさんと一緒に戦っていたはずなんですが……」
ツヴァイが来ていないなら、自分の事は誰がどうやって運んだのだと。その疑問に、アインズが記憶を搾って答える。
「ユウキくんの事は、私が運んだの。鎌を持ったバケモノと戦うツヴァイを見つけて、その近くで君は倒れていたのよ」
「あ……」
彼女の言葉を聞き、ユウキはあの時の光景を鮮明に思い出してきた。少しばかりの勝機を見出したところで不意打ちを受け、彼は気を失ったのだった。
「ツヴァイさんは?」
「ツヴァイは……私とユウキくんを逃がすためにそのバケモノと一人で対峙したわ。第二部隊に応援をお願いしたのだけれど……」
一抹の不安を感じたユウキらだが、諦めるにはまだ早い。医務室に行く必要が無いだけという可能性が残っている。
それに賭け、二人の足は第二部隊の隊長室へと向いた。
そこへ──
「ア、アインズ隊長!」
第一部隊の騎士が医務室に駆け込んで来た。その慌てようは、尋常ではない。
「どうしたの?」
「ツヴァイ様が、ツヴァイ様が!」
「落ち着いて。ツヴァイがどうしたの?」
アインズに言われ、彼は深呼吸した。やがて意を決し、告げた。
「ツヴァイ様が……戦死、されました」
「………………え?」
──ブライトヒル王国城、医務室
重い重い、まるで大岩のような瞼を必死に開いた少年。
「痛っ!」
腕を動かすと、肩や背中に激痛が走った。その刺激により、眠る前の記憶が僅かに甦る。
ここブライトヒル王国がバケモノの襲撃に遭い、自身もまた戦いに身を投じていた。
しかし、まだ全貌は思い出せずにいる。突如として気を失った彼の記憶は、混乱しているのだ。
──ここは、お城?
痛みに顔を歪めながら、なんとか上体を起こした。すると、床にあぐらをかいて座り、ベッドの縁に突っ伏す桃髪の女性が見えた。
「桜華さん、桜華さん」
声をかけ、彼女の肩を数回揺らす。すると、ん~と唸りながら姿勢が直っていく。
「ああ、おはようユウキ殿」
そう言うと桜華は右手で口を隠し、大きな欠伸をひとつ。左右の手で両目をこすった。
「他の皆さんは?」
掌を天井に向けて伸びをする彼女に、仲間の所在を質問した。自分が眠っている間、何がどうなったのかを訊く意図もこめた問いである。
「ポリア殿とアインズ殿は、疲れて寝ちゃった。タヂカラ殿はどっちかを見守ってるよ。ちなみに、ユウキ殿を見守ってたのは桜華ちゃんね」
「寝てたじゃないですか」
「鋭いツッコミありがとう」
──鈍いボケありがとうございます
内心でそう言いつつ、布団をめくってベッドから降りた。フラフラと立ち上がる。
「とりあえず、みんなの所へ」
「あれ、もう痛くないの?」
「……痛いです」
軋む体に鞭を打ち、ユウキは桜華と共に仲間の元へと向かった。
◇◇◇
それほど遠くない場所に、椅子に座る大男を発見した。その横にあるベッドでは、ポリアが眠っている。
「タヂカラさん」
「おお、目覚めたかアニキ」
「ええ。ポリアは?」
視線を彼女に移し、状況を問うた。
「まだ眠ってるぜ。聞いた話によると、怪我した騎士をずっと治してたらしい。ま、力の使い過ぎってとこだな」
「なら、良かった」
ポリアは、騎士でも戦闘員でもない。絶対に守るという約束の下、行動を共にしている。無事ではないが、怪我など無くて良かったと、ユウキは安堵した。
「タヂカラさんもご無事ですか?」
「ああ、俺は大丈夫だ」
「え、私の心配はしてくれなかったのに」
「すみません。大いびきかいて寝てる人は大丈夫だと思って」
「大いびき?! 私、大いびきかいてたの?!」
医務室では静かに、と注意されそうな声量で慌てる桜華。
「嘘ですけど」
「そんなに、もう一回寝たい?」
……と、ユウキは不安な気持ちを掻き消すかのように茶番を繰り返した。
「俺たちゃ良い。消耗がデカいのはアニキとアインズの嬢ちゃんだ」
「アインズさんも?」
「ああ。廊下でぶっ倒れたって聞いたぜ」
それはマズイと、ユウキはすぐにアインズの方へ向かうことに。
◇◇◇
桜華に案内され、医務室の角へ。窓際のベッドで眠るアインズの姿が見えた。二人が横に立つと、ちょうどそのタイミングで彼女は目覚めた。
「おはようございます、アインズさん」
「……ええ、おはようユウキくん。それと……誰だっけ? ごめんなさい記憶が混乱してて」
「そんな都合よく忘れる?」
「あはは……」
今度も、少年は安堵した。もっと重傷なのかと思っていたが、寝起きすぐにいつも通りの会話が出来るなら問題無いだろうと考えたのだ。
「でも良かった、アインズさんも無事──」
「そうだわ、ユウキくん!」
ふと、眠る直前の記憶を思い出して必死な顔になるアインズ。力強く少年を呼んだ。
「はい?」
「ツヴァイは? ツヴァイは見なかった?!」
「この後探しに行こうと思ってました。お礼も言いたいですし」
「そう。なら急ぎましょう」
まだ辛いだろうが、彼女は素早くベッドから降りた。彼女の慌てようを見て、何かあったのかと少年も焦燥を感じた。
◇◇◇
三人で医務担当の騎士に声をかけ、ツヴァイの行方を聞いた。しかし、その返答は二人の焦りを加速させる。
「記録によると、ツヴァイ様は運ばれていませんね」
「そんな、そんなはず無いわ! もう一度よく見てちょうだい」
「かしこまりました」
医務担当は再びリストを確認する。下から順に遡っていき、一名ずつ名前を読み上げながら見ていった。やがて、リストの一番最初まで来た。しかし、ツヴァイの名は見当たらない。
「あれ? 僕はツヴァイさんと一緒に戦っていたはずなんですが……」
ツヴァイが来ていないなら、自分の事は誰がどうやって運んだのだと。その疑問に、アインズが記憶を搾って答える。
「ユウキくんの事は、私が運んだの。鎌を持ったバケモノと戦うツヴァイを見つけて、その近くで君は倒れていたのよ」
「あ……」
彼女の言葉を聞き、ユウキはあの時の光景を鮮明に思い出してきた。少しばかりの勝機を見出したところで不意打ちを受け、彼は気を失ったのだった。
「ツヴァイさんは?」
「ツヴァイは……私とユウキくんを逃がすためにそのバケモノと一人で対峙したわ。第二部隊に応援をお願いしたのだけれど……」
一抹の不安を感じたユウキらだが、諦めるにはまだ早い。医務室に行く必要が無いだけという可能性が残っている。
それに賭け、二人の足は第二部隊の隊長室へと向いた。
そこへ──
「ア、アインズ隊長!」
第一部隊の騎士が医務室に駆け込んで来た。その慌てようは、尋常ではない。
「どうしたの?」
「ツヴァイ様が、ツヴァイ様が!」
「落ち着いて。ツヴァイがどうしたの?」
アインズに言われ、彼は深呼吸した。やがて意を決し、告げた。
「ツヴァイ様が……戦死、されました」
「………………え?」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた
ひまなひと
ファンタジー
主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。
今の所、170話近くあります。
(修正していないものは1600です)
ガチャから始まる錬金ライフ
あに
ファンタジー
河地夜人は日雇い労働者だったが、スキルボールを手に入れた翌日にクビになってしまう。
手に入れたスキルボールは『ガチャ』そこから『鑑定』『錬金術』と手に入れて、今までダンジョンの宝箱しか出なかったポーションなどを冒険者御用達の『プライド』に売り、億万長者になっていく。
他にもS級冒険者と出会い、自らもS級に上り詰める。
どんどん仲間も増え、自らはダンジョンには行かず錬金術で飯を食う。
自身の本当のジョブが召喚士だったので、召喚した相棒のテンとまったり、時には冒険し成長していく。
神典日月神示 真実の物語
蔵屋
歴史・時代
私は二人の方々の神憑りについて、今から25年前にその真実を知りました。
この方たちのお名前は
大本開祖•出口なお(でぐちなお)、
神典研究家で画家でもあった岡本天明(おかもとてんめい)です。
この日月神示(ひつきしんじ)または日尽神示(ひつくしんじ)は、神典研究家で画家でもあった岡本天明(おかもとてんめい)に「国常立尊(国之常立神)という高級神霊からの神示を自動書記によって記述したとされる書物のことです。
昭和19年から27年(昭和23・26年も無し)に一連の神示が降り、6年後の昭和33、34年に補巻とする1巻、さらに2年後に8巻の神示が降りたとされています。
その書物を纏めた書類です。
この書類は神国日本の未来の預言書なのだ。
私はこの日月神示(ひつきしんじ)に出会い、研究し始めてもう25年になります。
日月神示が降ろされた場所は麻賀多神社(まかたじんじゃ)です。日月神示の最初の第一帖と第二帖は第二次世界大戦中の昭和19年6月10日に、この神社の社務所で岡本天明が神憑りに合い自動書記さされたのです。
殆どが漢数字、独特の記号、若干のかな文字が混じった文体で構成され、抽象的な絵のみで書記されている「巻」もあります。
本巻38巻と補巻1巻の計39巻が既に発表されているが、他にも、神霊より発表を禁じられている「巻」が13巻あり、天明はこの未発表のものについて昭和36年に「或る時期が来れば発表を許されるものか、許されないのか、現在の所では不明であります」と語っています。
日月神示は、その難解さから、書記した天明自身も当初は、ほとんど読むことが出来なかったが、仲間の神典研究家や霊能者達の協力などで少しずつ解読が進み、天明亡き後も妻である岡本三典(1917年〈大正6年〉11月9日 ~2009年〈平成21年〉6月23日)の努力により、現在では一部を除きかなりの部分が解読されたと言われているます。しかし、一方では神示の中に「この筆示は8通りに読めるのであるぞ」と書かれていることもあり、解読法の一つに成功したという認識が関係者の間では一般的です。
そのために、仮訳という副題を添えての発表もありました。
なお、原文を解読して漢字仮名交じり文に書き直されたものは、特に「ひふみ神示」または「一二三神示」と呼ばれています。
縄文人の祝詞に「ひふみ祝詞(のりと)」という祝詞の歌があります。
日月神示はその登場以来、関係者や一部専門家を除きほとんど知られていなかったが、1990年代の初め頃より神典研究家で翻訳家の中矢伸一の著作などにより広く一般にも知られるようになってきたと言われています。
この小説は真実の物語です。
「神典日月神示(しんてんひつきしんじ)真実の物語」
どうぞ、お楽しみ下さい。
『神知りて 人の幸せ 祈るのみ
神の伝えし 愛善の道』
冴えない経理オッサン、異世界で帳簿を握れば最強だった~俺はただの経理なんだけどな~
中岡 始
ファンタジー
「俺はただの経理なんだけどな」
ブラック企業の経理マンだった葛城隆司(45歳・独身)。
社内の不正会計を見抜きながらも誰にも評価されず、今日も淡々と帳簿を整理する日々。
そんな彼がある日、突然異世界に転生した。
――しかし、そこは剣も魔法もない、金と権力がすべての世界だった。
目覚めた先は、王都のスラム街。
財布なし、金なし、スキルなし。
詰んだかと思った矢先、喋る黒猫・モルディと出会う。
「オッサン、ここの経済はめちゃくちゃだぞ?」
試しに商店の帳簿を整理したところ、たった数日で利益が倍増。
経理の力がこの世界では「未知の技術」であることに気づいた葛城は、財務管理サービスを売りに商会を設立し、王都の商人や貴族たちの経済を掌握していく。
しかし、貴族たちの不正を暴き、金の流れを制したことで、
王国を揺るがす大きな陰謀に巻き込まれていく。
「お前がいなきゃ、この国はもたねえぞ?」
国王に乞われ、王国財務顧問に就任。
貴族派との経済戦争、宰相マクシミリアンとの頭脳戦、
そして戦争すら経済で終結させる驚異の手腕。
――剣も魔法もいらない。この世を支配するのは、数字だ。
異世界でただ一人、"経理"を武器にのし上がる男の物語が、今始まる!
悪役令嬢は手加減無しに復讐する
田舎の沼
恋愛
公爵令嬢イザベラ・フォックストーンは、王太子アレクサンドルの婚約者として完璧な人生を送っていたはずだった。しかし、華やかな誕生日パーティーで突然の婚約破棄を宣告される。
理由は、聖女の力を持つ男爵令嬢エマ・リンドンへの愛。イザベラは「嫉妬深く陰険な悪役令嬢」として糾弾され、名誉を失う。
婚約破棄をされたことで彼女の心の中で何かが弾けた。彼女の心に燃え上がるのは、容赦のない復讐の炎。フォックストーン家の膨大なネットワークと経済力を武器に、裏切り者たちを次々と追い詰めていく。アレクサンドルとエマの秘密を暴き、貴族社会を揺るがす陰謀を巡らせ、手加減なしの報復を繰り広げる。
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
悪役令嬢、休職致します
碧井 汐桜香
ファンタジー
そのキツい目つきと高飛車な言動から悪役令嬢として中傷されるサーシャ・ツンドール公爵令嬢。王太子殿下の婚約者候補として、他の婚約者候補の妨害をするように父に言われて、実行しているのも一因だろう。
しかし、ある日突然身体が動かなくなり、母のいる領地で療養することに。
作中、主人公が精神を病む描写があります。ご注意ください。
作品内に登場する医療行為や病気、治療などは創作です。作者は医療従事者ではありません。実際の症状や治療に関する判断は、必ず医師など専門家にご相談ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる