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4 レイファ兄さまのアドバイス①

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「ここにはどうして?」

「ああ。騎士団総団長に剣技のアドバイスをお願いされてね。最近平和だろう?みんなが鈍っているだろうからってね」
 どっと周囲が沸いた。
「それはひどい!」
 違いない、とかそんなに腕落ちてるかなあ、とかの声も聞こえてくる。
 アドバイス、かあ。
 あ!それならわたしの魔法もアドバイスが欲しい!レイファ兄さまなら違った視点で見てくれそうだし。

「レイファ兄さま!わっ、わたしの魔法もアドバイスくださいっ!」

 レイファ兄さまは一瞬目をぱちくりさせたあと、にっこり微笑んだ。

 ああっ!そんな無防備に微笑んだら駄目だよ兄さま!

 案の定周囲から、あふーんというよく分からない擬音が聞こえてきたような気がする。周りにいる騎士という騎士が顔を赤らめているんですけれど。しかも男も女も関係なくだ。

 レイファ兄さまは自分の美しさを全く理解してないんだ。やれやれだよ。

「そうか。じゃあ試しに何か魔法を使ってみてごらん?」

 えっ!?いやいや、こんな人の目がたくさんあるところで自分のしょぼしょぼ魔法を披露する事態だけは避けたいんですけれどっ!みんなはわたしの魔法の威力は知ってるけれど、まじまじと見学されるのは避けたいというか!思わずうるうる目でレイファ兄さまを見ると、すぐに察してくれる。

「ああ。総団長、稽古を再開しては?もう皆には一通りアドバイスしましたし」

 出来る騎士団総団長がはっとして皆を急き立てる。
「ほらほら皆休憩は終わりだ!各自稽古に戻れぇ」

 みんな、ちぇー、とかいいところだったのに、とか好き勝手言いながらもバラけていった。
 ふぅ。良かった。
 
「じゃ、じゃあ、まずは火から――」
 こうして火、水、土、雷、風、と一通りしょぼしょぼ魔法を披露する。
 ……はぁ。恥ずかしい。【火魔法スキル】とか【水魔法スキル】など持ってる騎士は結構いて、ものすごく様になっている。
 せめてまともな属性魔法が一つくらいあればいいのに。

「……」
 何だかレイファ兄さまの様子が変だ。わたしが魔法を披露している間も黙って眉間にしわを寄せていた。
「……レイファ兄さま?」
 怖くなって名前を呼ぶと、ふわっと表情がほころんだ。
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