±Days 四馬鹿な幼馴染みと巻き込まれ相談役の平凡ではない日常

空月

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第0章 幼馴染みたちの電話相談

第2話 幼馴染みたちの電話相談②

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 なんとか泣き止ませて電話を切った途端に着信を告げる携帯。
 誰からかと思えば幼馴染みその2からだった。無視するわけにもいかないのでとりあえず通話を押す。

「……はい、もしもし?」
『――おや、なんだか声が疲れていませんか? 都合が悪ければかけ直しますけど……』
「いや、ちょっとさっきまで別の電話に出てたから。それでどうした? 珍しいじゃん、あんたが電話してくるとか」

 この幼馴染みその2は、過去のとある出来事により、ちょっとだけ変な距離の取り方をしてくるので、理由がないと寄ってこないのだ。理由をつけないと私と接触してはいけないと思い込んでいるとも言う。

『実は、折り入って相談がありまして、……その、好きな人ができたんです』
「あんたもかよ!」
『え?』
「ああいや、こっちの話……っつーか私に恋愛相談とか、人選おかしいよ何考えてんの」
『人選はおかしくないですよ。私の周りに他に恋愛相談ができそうな異性がいますか?』
「まあ、そう言われればいないか……? とりあえず、聞くだけならしてやらないこともない。で?」
『アプローチの仕方に悩んでいまして。参考に、彼女と私に状況の似ている、女性人気が高い少女漫画を読んだのですが」
「……うん」
『やはり、バラの花束を跪いて贈るところからでしょうか?』
「…………う、ん……?」
『それとも、ヘリコプターで遊覧デートに誘ってみるべきでしょうか?』

 いやどうしてそうなった。……こいつのスペック諸々を考えるとどちらも実現可能だし滑りはしないだろうが、なんか根本的に間違ってる。

「……着眼点は悪くない――ような気がせんでもないけど、何でそこを参考にするわけ。常識的に考えようよ、っつか自分の身に置き換えてみろよどん引きだろ⁉」
『? 好意の証に花束を贈るのはふつうでは?』
「ああ、いや、うん……そうだねあんたに常識を求めたこっちが馬鹿だったよね今のは」

 そうだこいつ有名な音楽一家でどこそこでリサイタルなんぞしてるから、花束贈り贈られは日常だった。

『今、私のことを暗に常識がないって言いませんでした?』
「ああはいスミマセンデシタ口が滑りましたー。んで、まあ意見求められたわけですし正直なところ言いますけどー」
「はい」
「バラの花束贈っていいのは二次元の住人だけだからさ。ヘリコプターデートもしかりだから。……まあ恋人同士とかならまだアリかもだけど、アプローチしてる段階ならやめとけマジで。十中八九ひかれるから」
『そう……なんですか? 一般的に?』

 なんとなく察してたけど、どうも『好きな人』、一般市民っぽいな。となると大事故が起こらないようにここで軌道修正しとかないとまずいな。

「一般人視点の意見を求めてるんだよな? それだとそうなる。どーしてもやりたきゃ花束だけにしとけ。でもバラはやめとけ。真っ赤なバラとか特にやめとけ」
『でも、愛を伝えるなら赤いバラが定番だと思うんですが……』
「だからその思考からぶっ飛んでるんだよ。いきなりそんな告白の仕方されたらふつうはひくから。受け取れないから。まずは受け取ってもらえる贈り物から考えろ」
『……大輪の赤いバラの花束は、初手の贈り物には向いてないってことですか。じゃあ、どんな花束なら……?』
「それくらい自分で考えろ――いややっぱ考えなくていい。あさっての方向にいきそうだし。そのまま目も当てられない惨事を引き起こしそうだし」
『どういう意味ですか?』
「言葉そのままの意味だっての。いい加減自覚しろよあんたの思考回路結構ぶっ飛んでんだよ。IQとか関係なく常識とかそういう面において」
『だったら、あなたが私の外付けの常識になってくれたら問題解決では?』
「……絶対イヤですお断りですふざけんなこの野郎。面倒ごとには関わらないのが信条なんであしからずっ!」

 電話だけで疲れてんのにこれ以上巻き込まれてたまるか!

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