4 / 24
第0章 幼馴染みたちの電話相談
第4話 幼馴染みたちの電話相談④
しおりを挟む
携帯が震えた。この流れならあり得ると思ってたけどあってほしくなかった着信。そして表示されてるのは幼馴染みその4の名前である。
ものすごく残念ながら予想が大当たりしてしまった。ついでに言えばタイミングが良すぎる……。
もう無心の域で画面を操作して通話を始めた。
「はーいもしもしー」
『うん、元気?』
「これが元気な声に聞こえるわけ?」
『連続で電話相談に乗って、疲れ果てた声に聞こえるかな』
やっぱこいつ全部聞いてやがったな……。
どういう手段で、というのは考えても無駄だ。ついでに追求しても時間の無駄だ。なのでさっさと話を進める。
「……それで? どういうご用件でしょーか」
『もちろん、恋愛相談だよ』
恥ずかしげもなく言っている様が目に浮かぶようだ。少しは恥じらえ。
「……ほんとさー。人選が謎過ぎるんだけど。どんなアドバイス求めてんのあんたら」
『君という、僕たちの周りでは貴重な一般人からのアドバイスかな』
「あのさ、ぶっちゃけ関係ないんだよ私は。ていうか関わりたくないんだよ。なのになんで巻き込むわけ」
『冷たいな。幼馴染みの恋の成就に協力はしてくれないんだ?』
「だってメンドいし。……まあ他の奴らも話だけは聞いたから、あんたも話くらいは聞いてやるけど」
他の奴らは一応話聞いてやったのに、こいつだけ門前払いというわけにはいかないだろうと思った……のが間違いだった。
『やっぱりこのご時世、知らない番号から電話がかかってきても出ないよね? どうやったら自然に電話番号交換できると思う?』
「……それは、あんたは一方的にその子の電話番号を知ってる前提だな?」
『察しがいいね。そのとおりだよ。知ってはいるけど、それで電話をかけても出てもらえないと思って』
思わず特大のため息が出た。……こいつは本当に、本当に……! 幼馴染みの中でも特等、常識がない!
なまじ「普通はこうだろう」という思考をシミュレートできるからタチが悪い。常識はないのに、ボロを出さないという意味で。
「まず、教えてないはずの自分の電話番号を知られてたら、めちゃめちゃこわいから。あんたがしてるのはそういう、相手に恐怖を与えかねないことだって自覚しろ」
『うん。だから、それをなかったことにするために、電話番号交換という手順を踏もうとしてるんだよ』
……だめだ、全然悪びれない。
こいつ自身がプライバシー何それ美味しいの? の環境下にあるせいで、感覚がぶっとんでる。知ってはいた、知ってはいたのに放置していたせいでこんなことに……ということは私のせい……?
いやいやいや、血迷うな、そうじゃない。そうだとしてもそれは今考えることじゃない。
「……いろいろ、いろいろ言いたいことはあるが! とりあえず、真っ当に心理的距離を近づけていくところから始めて――――あ、ごめんキャッチ入った。ちょっと失礼」
電話の最中にまた電話がかかってきたので、一旦切り替えると――。
『さっきの電話からいろいろ考えたんだけど!』
幼馴染みその1からだった。なんか無駄に元気になっていてうるさい。
「おまえまたか! ああもうまだ何かあんの⁉ ……って、あれ、またキャッチ?」
ほぼノータイムでまた着信を知らせる音が鳴ったので、『話聞いてくれないの⁉』と喚く馬鹿を一旦放置することにして――。
「うっさい、ちょっと切るよ。……はいもしもし?」
『何度もすみません、やっぱりもう少し相談したくて――』
「うわ、おまえもか」
『も?』
「……いやこっちの話。今忙しいんでまたあとで――ってまたキャッチか。超やな予感」
ここまで来ると呪いの電話だ。いやマジで。
「はいもしもーし? ……予感的中……嬉しくねぇ」
予想的中。幼馴染みその3からの電話だった。
『ごめん……タイミング、悪かった?』
「そうだな……タイミングが悪いというか、よすぎというか。もうちょっと時間空けてほしかったのが正直なところ――ああまたキャッチが」
当然のように、ぐるりと回って幼馴染みその4からである。
「あんた五分も待てないわけ――ああもうほんと面倒だなあんたら! どうせ他の奴らのとの電話も盗聴してやがんだろこの犯罪者。まとめて話聞いてやるからどっか場所設けて全員集めて迎えよこせ! でなきゃ金輪際電話出てやんねーから!」
――そう、さすがにキレてしまったのは、仕方ないと思う。
ものすごく残念ながら予想が大当たりしてしまった。ついでに言えばタイミングが良すぎる……。
もう無心の域で画面を操作して通話を始めた。
「はーいもしもしー」
『うん、元気?』
「これが元気な声に聞こえるわけ?」
『連続で電話相談に乗って、疲れ果てた声に聞こえるかな』
やっぱこいつ全部聞いてやがったな……。
どういう手段で、というのは考えても無駄だ。ついでに追求しても時間の無駄だ。なのでさっさと話を進める。
「……それで? どういうご用件でしょーか」
『もちろん、恋愛相談だよ』
恥ずかしげもなく言っている様が目に浮かぶようだ。少しは恥じらえ。
「……ほんとさー。人選が謎過ぎるんだけど。どんなアドバイス求めてんのあんたら」
『君という、僕たちの周りでは貴重な一般人からのアドバイスかな』
「あのさ、ぶっちゃけ関係ないんだよ私は。ていうか関わりたくないんだよ。なのになんで巻き込むわけ」
『冷たいな。幼馴染みの恋の成就に協力はしてくれないんだ?』
「だってメンドいし。……まあ他の奴らも話だけは聞いたから、あんたも話くらいは聞いてやるけど」
他の奴らは一応話聞いてやったのに、こいつだけ門前払いというわけにはいかないだろうと思った……のが間違いだった。
『やっぱりこのご時世、知らない番号から電話がかかってきても出ないよね? どうやったら自然に電話番号交換できると思う?』
「……それは、あんたは一方的にその子の電話番号を知ってる前提だな?」
『察しがいいね。そのとおりだよ。知ってはいるけど、それで電話をかけても出てもらえないと思って』
思わず特大のため息が出た。……こいつは本当に、本当に……! 幼馴染みの中でも特等、常識がない!
なまじ「普通はこうだろう」という思考をシミュレートできるからタチが悪い。常識はないのに、ボロを出さないという意味で。
「まず、教えてないはずの自分の電話番号を知られてたら、めちゃめちゃこわいから。あんたがしてるのはそういう、相手に恐怖を与えかねないことだって自覚しろ」
『うん。だから、それをなかったことにするために、電話番号交換という手順を踏もうとしてるんだよ』
……だめだ、全然悪びれない。
こいつ自身がプライバシー何それ美味しいの? の環境下にあるせいで、感覚がぶっとんでる。知ってはいた、知ってはいたのに放置していたせいでこんなことに……ということは私のせい……?
いやいやいや、血迷うな、そうじゃない。そうだとしてもそれは今考えることじゃない。
「……いろいろ、いろいろ言いたいことはあるが! とりあえず、真っ当に心理的距離を近づけていくところから始めて――――あ、ごめんキャッチ入った。ちょっと失礼」
電話の最中にまた電話がかかってきたので、一旦切り替えると――。
『さっきの電話からいろいろ考えたんだけど!』
幼馴染みその1からだった。なんか無駄に元気になっていてうるさい。
「おまえまたか! ああもうまだ何かあんの⁉ ……って、あれ、またキャッチ?」
ほぼノータイムでまた着信を知らせる音が鳴ったので、『話聞いてくれないの⁉』と喚く馬鹿を一旦放置することにして――。
「うっさい、ちょっと切るよ。……はいもしもし?」
『何度もすみません、やっぱりもう少し相談したくて――』
「うわ、おまえもか」
『も?』
「……いやこっちの話。今忙しいんでまたあとで――ってまたキャッチか。超やな予感」
ここまで来ると呪いの電話だ。いやマジで。
「はいもしもーし? ……予感的中……嬉しくねぇ」
予想的中。幼馴染みその3からの電話だった。
『ごめん……タイミング、悪かった?』
「そうだな……タイミングが悪いというか、よすぎというか。もうちょっと時間空けてほしかったのが正直なところ――ああまたキャッチが」
当然のように、ぐるりと回って幼馴染みその4からである。
「あんた五分も待てないわけ――ああもうほんと面倒だなあんたら! どうせ他の奴らのとの電話も盗聴してやがんだろこの犯罪者。まとめて話聞いてやるからどっか場所設けて全員集めて迎えよこせ! でなきゃ金輪際電話出てやんねーから!」
――そう、さすがにキレてしまったのは、仕方ないと思う。
1
あなたにおすすめの小説
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
え?わたくしは通りすがりの元病弱令嬢ですので修羅場に巻き込まないでくたさい。
ネコフク
恋愛
わたくしリィナ=ユグノアは小さな頃から病弱でしたが今は健康になり学園に通えるほどになりました。しかし殆ど屋敷で過ごしていたわたくしには学園は迷路のような場所。入学して半年、未だに迷子になってしまいます。今日も侍従のハルにニヤニヤされながら遠回り(迷子)して出た場所では何やら不穏な集団が・・・
強制的に修羅場に巻き込まれたリィナがちょっとだけざまぁするお話です。そして修羅場とは関係ないトコで婚約者に溺愛されています。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私の、虐げられていた親友の幸せな結婚
オレンジ方解石
ファンタジー
女学院に通う、女学生のイリス。
彼女は、親友のシュゼットがいつも妹に持ち物や見せ場を奪われることに怒りつつも、何もできずに悔しい思いをしていた。
だがある日、シュゼットは名門公爵令息に見初められ、婚約する。
「もう、シュゼットが妹や両親に利用されることはない」
安堵したイリスだが、親友の言葉に違和感が残り…………。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる