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王道ベタネタ(?)×ぐだぐだ日常編
アウトかセーフかは本人に聞いた方がいいと思います。
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流石にそれは一概に言えないので答えられない。相談者はミスミ。
+ + + + + +
「……」
「…………」
「………………」
「……。……えらく真剣に考え込んでるけどどうした」
「……あ。ああ、すみません。自分ではどうしても答えが出せないので、意見を聞かせてほしいんですが」
「なに」
「――怪我した女の子を運ぶのに、どういう抱き方なら許されるんでしょうか」
「……。うん。とりあえずつっこんどくけど、運ぶのに抱くの一択なのか」
「抱える、と言い換えた方が良かったですか」
「それ自分でも言ってるけど言い換えただけだから。実質同じだから」
「だって足を――ああ、言ってなかったですけど足を怪我した場合、肩を貸すだけではやっぱり足に負担が掛かるのは避けられませんし。背負うのも、接触面が多い上にどうしても足に手を触れなければならないですから。みだりに女性の足に触れるのは駄目でしょう」
「頬にキスするのに抵抗ないのになんで足に触るのにはそんな慎重なんだよ。意味わからん」
「親愛表現としてキスが当たり前の環境だったからですよ。知ってるでしょう?」
「ついでにあんたが日常生活で浮くレベルにフェミニストなのもね。まあ、肩貸すのじゃ負担が掛かるのは同意だけど、あんたが抱くって言うなら俗にいうアレだろうし――っつーかいきなりそんなこと聞いてくるってことは実際そういう状況になったんだな?」
「実は、『彼女』が階段から落ちた瞬間に居合わせまして。抱き止めはしたんですが足を捻ったらしく、医務室まで抱いて連れて行ったんです。……どうも、様子を見るに横抱きは駄目だったようでしたから、それならどう抱けば良かったのかと」
「わーベタ。ある意味すごい。……横抱きってアレだよな、俗に言う『お姫様抱っこ』だよな?」
「はい。――『お姫様抱っこは乙女の夢』だと聞いていたのですが、違うんですか?」
「あー、それはどっちとも言いにくい。夢っちゃ夢なのかもしれないけど、実際やられると色々気になるってのもあるだろうし」
「気になるとは?」
「説明させるな察しろフェミニスト」
「わかりました聞かないでおきます」
「っつーかその抱き方なら結局足に触ったんじゃないの」
「確かにそれは避けられませんでしたが、どの抱き方よりも接触面は最少ですから」
「……ああ、言われてみれば」
「それで、どういう抱き方ならセーフだったんでしょう」
「抱き上げる相手によるとしか。まあ正直横抱きが一番無難だと思うけど。安定感さえあれば」
「一応標準的な体型の女性一人抱えるくらいはできると自負しているんですが」
「ああ、うん。あんた見た目に反して結構力あるよね。楽器やってるせいか知らないけど」
「物によっては結構な筋力が必要ですからね。――前抱きはアウトなんですか?」
「体格差ないと厳しいだろそれ。密着率半端なくなるだろ」
「……言われてみれば」
「とりあえず、抱き上げるにしても一言相手に意見を聞くとかすればよかったんじゃないの? あんたのことだし一言言って返答も聞かないまま抱き上げたとかだろどうせ」
「――見てたんですか?」
「いや見てなくてもそれくらい想像つくから。焦ってても相手の意思を尊重するの忘れなきゃ大丈夫だと思うけど。多分姫抱きもアウトだったってわけでもないと思うし。単に恥ずかしかったんじゃないの」
「……まあ、恥ずかしがる様も可愛かったんですけどね」
「最後の最後に惚気るなよおまえ。なんか殴りたくなるから」
「殴っ……。それ理不尽じゃありませんか?」
「こっちが置かれてる状況の方が理不尽だろ。アドバイスはともかく惚気を聞く義理はないってのこの馬鹿。とりあえずそのしまりのない顔をどうにかしてこい今すぐに」
+ + + + + +
「……」
「…………」
「………………」
「……。……えらく真剣に考え込んでるけどどうした」
「……あ。ああ、すみません。自分ではどうしても答えが出せないので、意見を聞かせてほしいんですが」
「なに」
「――怪我した女の子を運ぶのに、どういう抱き方なら許されるんでしょうか」
「……。うん。とりあえずつっこんどくけど、運ぶのに抱くの一択なのか」
「抱える、と言い換えた方が良かったですか」
「それ自分でも言ってるけど言い換えただけだから。実質同じだから」
「だって足を――ああ、言ってなかったですけど足を怪我した場合、肩を貸すだけではやっぱり足に負担が掛かるのは避けられませんし。背負うのも、接触面が多い上にどうしても足に手を触れなければならないですから。みだりに女性の足に触れるのは駄目でしょう」
「頬にキスするのに抵抗ないのになんで足に触るのにはそんな慎重なんだよ。意味わからん」
「親愛表現としてキスが当たり前の環境だったからですよ。知ってるでしょう?」
「ついでにあんたが日常生活で浮くレベルにフェミニストなのもね。まあ、肩貸すのじゃ負担が掛かるのは同意だけど、あんたが抱くって言うなら俗にいうアレだろうし――っつーかいきなりそんなこと聞いてくるってことは実際そういう状況になったんだな?」
「実は、『彼女』が階段から落ちた瞬間に居合わせまして。抱き止めはしたんですが足を捻ったらしく、医務室まで抱いて連れて行ったんです。……どうも、様子を見るに横抱きは駄目だったようでしたから、それならどう抱けば良かったのかと」
「わーベタ。ある意味すごい。……横抱きってアレだよな、俗に言う『お姫様抱っこ』だよな?」
「はい。――『お姫様抱っこは乙女の夢』だと聞いていたのですが、違うんですか?」
「あー、それはどっちとも言いにくい。夢っちゃ夢なのかもしれないけど、実際やられると色々気になるってのもあるだろうし」
「気になるとは?」
「説明させるな察しろフェミニスト」
「わかりました聞かないでおきます」
「っつーかその抱き方なら結局足に触ったんじゃないの」
「確かにそれは避けられませんでしたが、どの抱き方よりも接触面は最少ですから」
「……ああ、言われてみれば」
「それで、どういう抱き方ならセーフだったんでしょう」
「抱き上げる相手によるとしか。まあ正直横抱きが一番無難だと思うけど。安定感さえあれば」
「一応標準的な体型の女性一人抱えるくらいはできると自負しているんですが」
「ああ、うん。あんた見た目に反して結構力あるよね。楽器やってるせいか知らないけど」
「物によっては結構な筋力が必要ですからね。――前抱きはアウトなんですか?」
「体格差ないと厳しいだろそれ。密着率半端なくなるだろ」
「……言われてみれば」
「とりあえず、抱き上げるにしても一言相手に意見を聞くとかすればよかったんじゃないの? あんたのことだし一言言って返答も聞かないまま抱き上げたとかだろどうせ」
「――見てたんですか?」
「いや見てなくてもそれくらい想像つくから。焦ってても相手の意思を尊重するの忘れなきゃ大丈夫だと思うけど。多分姫抱きもアウトだったってわけでもないと思うし。単に恥ずかしかったんじゃないの」
「……まあ、恥ずかしがる様も可愛かったんですけどね」
「最後の最後に惚気るなよおまえ。なんか殴りたくなるから」
「殴っ……。それ理不尽じゃありませんか?」
「こっちが置かれてる状況の方が理不尽だろ。アドバイスはともかく惚気を聞く義理はないってのこの馬鹿。とりあえずそのしまりのない顔をどうにかしてこい今すぐに」
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