57 / 75
EXTRA(番外編)
【季節ネタ】トリック・オア・トリート! 1人目
しおりを挟む「とりっくおあとりーと!」
「恥ずかしげもなくコスプレしてよく来たね。毎年思うけど、心底英語の成績が不安になる発音だな」
「うっ……! だ、だって外国行かないから英語とか必要ないし!」
「それを理由に学ばないのはどうかと思うけど。っていうか勉強してるけどできないだけだよねユズの場合」
「……だってオレバカだもんどうしようもないんだよっ」
「開き直るな馬鹿」
「それより! とりっくおあとりーと! ハロウィンだよハロウィン!!」
「ハロウィンの発音がマシで良かったよ。平仮名がかろうじてカタカナになったレベルだけど」
「そ、そんなに言われると泣くよオレ!」
「これくらいで泣くなよ意味わかんない。トリック・オア・トリートね。はい和訳」
「へっ!?」
「和訳」
「え……えーと」
「…………」
「えっと、えーっと……『オカシクレナキャイタズラスルヨ』?」
「丸暗記だってのがよくわかる棒読みっぷりだな。期待を裏切らないのがある意味すごいよ」
「……うう、何かオレ呆れられてる?」
「呆れない方がおかしいと思うけど。お菓子あげなかったら何する気なわけ?」
「え」
「お菓子あげないとイタズラするんでしょ。何するの」
「えええ、何って、えーと」
「何?」
「ええっと、その……あの、考えてませんでした……」
「うん、ユズらしい間抜けな答えだ。まあそこがある意味安心なんだけど。ほらお菓子」
「あ、クッキー! ちょっとオレンジっぽいってことかぼちゃクッキー? いただきます!」
「答え聞く前に食べちゃうのがユズらしいよホント」
「……むぐ。もぐもぐもぐもぐおいしい!」
「食べながら喋るとミスミとカンナが怒るよ。あと訂正するけどそれキャロットクッキーだから」
「きゃろっと?」
「そう、キャロット」
「それなんだっけ? おいしいけどわかんない」
「ウサギとか馬の好物って俗に言われる野菜」
「……そ、それって」
「うん、にんじん」
「……!! え、ええええにんじん?!」
「だからそう言ってる」
「た、食べちゃったよ!?」
「食べちゃったね」
「うぇ、なんか涙出てきた。にんじんとか! にんじんとか!! 嫌いなの知っててなんで!?」
「知ってるからだっての。いい加減にんじんくらい食べれるようになりなよ小学生じゃあるまいし」
「き、嫌いなものは嫌いなんだもん!」
「でもおいしかったって言ったよね」
「う」
「ちなみにそのクッキー、パンプキンクッキーとキャロットクッキー混ざってるから。ユズ、かぼちゃは好きだよね。去年のパンプキンクッキーは気に入ってたみたいだし」
「……ううう」
「別に食べないなら食べないでいいんだよ? 残り返してもらって他の奴らにやるし」
「……い、いじわるー!」
「いじわるで結構。ほら、どうする?」
「ううーっ! 来年は負けないからねっ!!」
「来年もやるつもりなのかコスプレ。そろそろどうなの年齢的に。とりあえず恥ずかしがるべきだと思うんだけど」
「うーるーさーいーっ! うわーん全部もらって帰ってやるー!」
「……籠ごと持ってったよ。まあ予想範囲内だけど。あれだけの量のロシアンクッキーやればにんじんへの苦手意識もどっか行くよね多分」
0
あなたにおすすめの小説
煙草屋さんと小説家
男鹿七海
キャラ文芸
※プラトニックな関係のBL要素を含む日常ものです。
商店街の片隅にある小さな煙草屋を営む霧弥。日々の暮らしは静かで穏やかだが、幼馴染であり売れっ子作家の龍二が店を訪れるたびに、心の奥はざわめく。幼馴染としてでも、客としてでもない――その存在は、言葉にできないほど特別だ。
ある日、龍二の周囲に仕事仲間の女性が現れ、霧弥は初めて嫉妬を自覚する。自分の感情を否定しようとしても、触れた手の温もりや視線の距離が、心を正直にさせる。日常の中で少しずつ近づく二人の距離は、言葉ではなく、ささやかな仕草や沈黙に宿る。
そして夜――霧弥の小さな煙草屋で、龍二は初めて自分の想いを口にし、霧弥は返事として告白する。互いの手の温もりと目の奥の真剣さが、これまで言葉にできなかった気持ちを伝える瞬間。静かな日常の向こうに、確かな愛が芽吹く。
小さな煙草屋に灯る、柔らかく温かな恋の物語。
シンデレラは王子様と離婚することになりました。
及川 桜
恋愛
シンデレラは王子様と結婚して幸せになり・・・
なりませんでした!!
【現代版 シンデレラストーリー】
貧乏OLは、ひょんなことから会社の社長と出会い結婚することになりました。
はたから見れば、王子様に見初められたシンデレラストーリー。
しかしながら、その実態は?
離婚前提の結婚生活。
果たして、シンデレラは無事に王子様と離婚できるのでしょうか。
恋の闇路の向こう側
七賀ごふん
BL
学校一の優等生として過ごす川音深白には、大切な幼馴染がいる。
家庭の事情で離れ離れになった幼馴染、貴島月仁が転校してくることを知った深白は、今こそ昔守られていた恩を返そうと意気込むが…。
────────
クールで過保護な攻め×完璧でいたいけど本当は甘えたい受け
10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
専業プウタ
恋愛
25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。
烏の王と宵の花嫁
水川サキ
キャラ文芸
吸血鬼の末裔として生まれた華族の娘、月夜は家族から虐げられ孤独に生きていた。
唯一の慰めは、年に一度届く〈からす〉からの手紙。
その送り主は太陽の化身と称される上級華族、縁樹だった。
ある日、姉の縁談相手を誤って傷つけた月夜は、父に遊郭へ売られそうになり屋敷を脱出するが、陽の下で倒れてしまう。
死を覚悟した瞬間〈からす〉の正体である縁樹が現れ、互いの思惑から契約結婚を結ぶことになる。
※初出2024年7月
明日のために、昨日にサヨナラ(goodbye,hello)
松丹子
恋愛
スパダリな父、優しい長兄、愛想のいい次兄、チャラい従兄に囲まれて、男に抱く理想が高くなってしまった女子高生、橘礼奈。
平凡な自分に見合うフツーな高校生活をエンジョイしようと…思っているはずなのに、幼い頃から抱いていた淡い想いを自覚せざるを得なくなり……
恋愛、家族愛、友情、部活に進路……
緩やかでほんのり甘い青春模様。
*関連作品は下記の通りです。単体でお読みいただけるようにしているつもりです(が、ひたすらキャラクターが多いのであまりオススメできません…)
★展開の都合上、礼奈の誕生日は親世代の作品と齟齬があります。一種のパラレルワールドとしてご了承いただければ幸いです。
*関連作品
『神崎くんは残念なイケメン』(香子視点)
『モテ男とデキ女の奥手な恋』(政人視点)
上記二作を読めばキャラクターは押さえられると思います。
(以降、時系列順『物狂ほしや色と情』、『期待ハズレな吉田さん、自由人な前田くん』、『さくやこの』、『爆走織姫はやさぐれ彦星と結ばれたい』、『色ハくれなゐ 情ハ愛』、『初恋旅行に出かけます』)
十八歳で必ず死ぬ令嬢ですが、今日もまた目を覚ましました【完結】
藤原遊
恋愛
十八歳で、私はいつも死ぬ。
そしてなぜか、また目を覚ましてしまう。
記憶を抱えたまま、幼い頃に――。
どれほど愛されても、どれほど誰かを愛しても、
結末は変わらない。
何度生きても、十八歳のその日が、私の最後になる。
それでも私は今日も微笑む。
過去を知るのは、私だけ。
もう一度、大切な人たちと過ごすために。
もう一度、恋をするために。
「どうせ死ぬのなら、あなたにまた、恋をしたいの」
十一度目の人生。
これは、記憶を繰り返す令嬢が紡ぐ、優しくて、少しだけ残酷な物語。
恋い焦がれて
さとう涼
恋愛
小学校時代の担任教諭・佐野に七年ぶりに再会し、話の流れで佐野の恋人へのエンゲージリングを選ぶために一緒にジュエリーショップに行くことになってしまった二十歳の女子大学生・輝。
最初はそんなつもりはなかったのに、次第に佐野を意識してしまうようになり、自分でも困惑してしまう。
必死に自分の想いを打ち消そうとする輝。
だけど佐野も恋人との関係に悩んでいるようで、複雑な想いを抱え続けることになる。
そんな輝を見守る(ちょっかいをかける?)バイト先の店長。
さらに佐野の恋人は意外な人物で、輝は大混乱。
※ドロドロではなく純愛系を目指していますが、ビターテイストなお話です
※理想的で格好いいヒーローではありません(…すみません)
※調べながら執筆をしているのですが、無知なところも多々あるので、間違っているところがありましたら教えてください。ツイッターでも受け付けています。
https://twitter.com/SATORYO_HOME
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる