とにかく異世界に転生したい!!

風月 颯介

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一章

8話

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個室から出ていくレギル・シュタットと名乗った彼の姿を見ながらホッと一息つく。

「お疲れさまでした」

セリナ君が声を掛けてくる。

「彼は君のことを受付嬢と思っているよ。いいのかな?」

「問題ありませんよ‘‘ギルドマスター殿‘‘」

「聞いていたのか……いい趣味だとは言えないよ‘‘副ギルドマスター殿‘‘」

「失礼致しました。ですが、たまにはカウンターに座ってみるものですね。あのような傑物に出会えるとは……」

「彼はまた別格だと思うがね……」

私は苦笑しながら言葉を返す。

そう、本当に別格だと思ったのだ。あの子供の姿をした傑物は

「ですが、面白い着眼点からマスターの演技を見抜きましたね」

「セリナ君のことを受付嬢だと思ってはいたようだけどね」

「ですが、受付嬢も副ギルドマスターも同じギルドマスターの部下ですよ」

「それはそうだがね……それはともかく、セリナ君は最初から彼の事を見抜いて私に引き合わせたのかな?」

「そうですね…正直に言いますと、私では持て余すと思ったからマスターをすぐにお呼びしました」

「それは、彼がシュタット子爵家の…貴族だからかい?」

「いいえ、それだけなら私の、副ギルドマスター権限の中でも‘‘対応は‘‘出来ました」

「‘‘対応は‘‘ね……」

「はい。もっとも正解か不正解かは分かりませんでしたが…」

「ふむ……セリナ君にしては慎重というか何というか」

「マスターも人のことを言えないではないですか。随分甘かったですよ?」

「何のことかな?」

私は少し愉快な気持ちになりながら惚ける。

「依頼を‘‘そのまま‘‘引き受けず、依頼の内容を変えるよう提案したことですよ」

「バレてたか」

苦笑しながら答える。そう、彼からの依頼をそのまま引き受けていても良かったのだが……

「それだけではありませんよ」

「まだあるのかい?」

「‘‘指名依頼‘‘ですよ。それもギルドマスター自らのです」

そう、ギルドマスターからの直々の指名依頼など普通に考えれば断ることなどできない。口さがないものは‘‘強制依頼‘‘などと言う。

とはいえ、ギルドマスター権限の指名依頼などは強制力が高いので、おいそれとは使えないのだ。

「そうだね。でもね、それでも彼との接点を作っておくことは決して無駄にはならないと思うよ。実際他の誰かが対応して呆れられ他の支部に行っていたらと思うと……」

そう、シュタット子爵家からの信用もそうだが、あれほどの傑物ならあと数年もすれば自然と頭角を現すだろう。その時に繋がりがあるのとないのとでは雲泥の差がある。

「そうですね…」

セリナ君も私と同じことを考えたようで一瞬だけ震えていた。

「まぁ、今はこの幸運を生かそう」

明るい声を出し雰囲気を変える。

「はい。ところで、誰にいえ、どのパーティーに指名依頼を出すのですか?」

「う~~ん。ここは奮発して彼女を、‘‘ルミア君‘‘を呼ぼうと思っているんだ」

「っっ!?正気ですか!?」

「失礼だね……でもね、きっと楽しいことになるよ」






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