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Part1 第一章
第十三話 二回目の手土産
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それから私はノアを連れて屋敷の方へ足を運んだ。ノアは私に屋敷のことを教えたのを凄く後悔していたがそれは私には関係のない事だ。ノアが優しいことが原因の一つだろう。だがそんな事を言って今更冷たくされても何か嫌だったから何も知らないふりをして私は屋敷に入っていった。
そして私はまたしてもお土産を持ってきた。今日はマカロン。女子力が高いことを知らしめるために作った。それに食べやすいからだ。
マカロンには勿論、前と同じく私の血を隠し味に入れた。あまり入れ過ぎると味がダメになりそうなので今回は前より少なめだ。
「ノア、今日も持ってきましたわ。食べてみてください。それに隠し味にまた血を入れさせて頂きました」
「今回は血を出しすぎてはいないみたいだな」
見破るのが早い。マカロンを作る時はあまり失敗せずに完成した。前は初めて使う台所だったから失敗しがちになったが流石に一度使うと失敗は減った。
その後、ノアはマカロンを口に運んで食べた。「美味い」とノアが言ってくれて嬉しかった気持ちと安心した気持ちが一緒に来た。
「それにしても毎回作って来なくてもいいぞ」
「そういう訳にはいきません。ノアには私に惚れてもらう義務がありますので」
「……どうしてそこにこだわる」
ヤバい。やっぱりそこ、気にするよね……。どうやって弁解しようかしら。下手のことを言ってもノアはすぐに見破りそうだし…。スルーしてもなーって感じかな。
「…だって、吸血鬼に惚れられた女って凄くないですか」
「……はっ?」
何かアホが言う言葉になってしまったわ。だけどこれでスルー出来たならこの際、どうでもいい。結果良ければ全て良し、って前世の記憶で私も言っていたしね。
ノアは肩を震わせている。あれ…?もしかして私が馬鹿すぎて怒った……?
「……ハハッ……お前…面白いな」
いや、笑っていたようだ。良かった…。理由を回避出来て。
「吸血鬼に惚れられる女か…確かに凄いな。なら尚更、お前に惚れることは無いだろうな」
「ええっ!?」
嘘だろぉ…。でもこんな事で負けるわけにはいかないわ。死にたくないしね。
それにうっかりエレナに惚れてノアが破滅ルートに進んで死んでしまったらそれこそ嫌だわ。
「なら、ノアは死なないで下さいね」
「当たり前だろ?俺をなんだと思っている。俺は吸血鬼だ。そう簡単に死なない」
そうなんだけど…言って欲しかったのはその言葉では無くて……。
「先程私に惚れるわけがない、と仰いましたよね?なら私は毎日来て私の良さを少しでもノアに知ってもらって惚れてもらいますわ。なのでまた明日」
「また明日…って!? 行きやがった……」
私は屋敷のドアを潔くドンと閉めてすぐさま帰った。早く美味しいお菓子を作ってあげなくては。
そして私はまたしてもお土産を持ってきた。今日はマカロン。女子力が高いことを知らしめるために作った。それに食べやすいからだ。
マカロンには勿論、前と同じく私の血を隠し味に入れた。あまり入れ過ぎると味がダメになりそうなので今回は前より少なめだ。
「ノア、今日も持ってきましたわ。食べてみてください。それに隠し味にまた血を入れさせて頂きました」
「今回は血を出しすぎてはいないみたいだな」
見破るのが早い。マカロンを作る時はあまり失敗せずに完成した。前は初めて使う台所だったから失敗しがちになったが流石に一度使うと失敗は減った。
その後、ノアはマカロンを口に運んで食べた。「美味い」とノアが言ってくれて嬉しかった気持ちと安心した気持ちが一緒に来た。
「それにしても毎回作って来なくてもいいぞ」
「そういう訳にはいきません。ノアには私に惚れてもらう義務がありますので」
「……どうしてそこにこだわる」
ヤバい。やっぱりそこ、気にするよね……。どうやって弁解しようかしら。下手のことを言ってもノアはすぐに見破りそうだし…。スルーしてもなーって感じかな。
「…だって、吸血鬼に惚れられた女って凄くないですか」
「……はっ?」
何かアホが言う言葉になってしまったわ。だけどこれでスルー出来たならこの際、どうでもいい。結果良ければ全て良し、って前世の記憶で私も言っていたしね。
ノアは肩を震わせている。あれ…?もしかして私が馬鹿すぎて怒った……?
「……ハハッ……お前…面白いな」
いや、笑っていたようだ。良かった…。理由を回避出来て。
「吸血鬼に惚れられる女か…確かに凄いな。なら尚更、お前に惚れることは無いだろうな」
「ええっ!?」
嘘だろぉ…。でもこんな事で負けるわけにはいかないわ。死にたくないしね。
それにうっかりエレナに惚れてノアが破滅ルートに進んで死んでしまったらそれこそ嫌だわ。
「なら、ノアは死なないで下さいね」
「当たり前だろ?俺をなんだと思っている。俺は吸血鬼だ。そう簡単に死なない」
そうなんだけど…言って欲しかったのはその言葉では無くて……。
「先程私に惚れるわけがない、と仰いましたよね?なら私は毎日来て私の良さを少しでもノアに知ってもらって惚れてもらいますわ。なのでまた明日」
「また明日…って!? 行きやがった……」
私は屋敷のドアを潔くドンと閉めてすぐさま帰った。早く美味しいお菓子を作ってあげなくては。
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