すいませんが、この人は自分のものです

アカシア

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第2話 黒の女神には相手がいる

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午後2:50

「私は、柊君のことが…」

残りは、好きです、この4文字を聞けば告白が終わるはずだった。
そう、
何故終わらないのか……答え、目の前の彼女からしたら、今、一番来ないで欲しい、邪魔者が入ってしまったから

「すいません畑中さん、この人の嫁は、私ですので、それじゃあ…」
「……え、ちょま」

澄み切った、星空のように、美しい、漆黒の髪を風でなびかせている美しい少女は、おれの手を取り、背を向けて、歩き、この場から去った

◆◆◆

「蒼くぅん」

その少女は涙で顔がグシャグシャになっていた

「なんで、ぐす、あんなこにぃ、ぐす、告白されたのぉ」
「いや、告白イベントぐらいよくね?澪」

そう……告白の邪魔をした、例の美しい少女というのは何を隠そう黒の女神こと、澪だったのだ
 桜島高校のマドンナは俺に抱き着くと、涙を流しての上目遣いで訴え掛ける。
 
「だめなのぉ、蒼くんは、私のぉ、私だけのぉ、夫さんなのぉ」

おれと澪は幼馴染であり、許嫁である
そんなおれは、未来のお嫁さん——澪におれはすっごく愛されている
告白の邪魔を徹底的にしてくるぐらいに……
……愛されるのはいいことなのは分かっている、実際、おれは澪のことが好きだし、心の奥底から愛しているから、でもねぇ……澪からの愛は重すぎるんだよなぁ……

「わかったから、泣くのをやめろ」

おれは、大泣きをかましている、澪の背中をそっと優しく撫でながら言った

「…ぐす、うん」

そして、おれと、澪は最寄りの駅に着くと、2人、電車に揺られながら、家に着いた。


「蒼くん、今日の夜ご飯です」
「おー」

目の前には、グラタンが2つ用意されていた
この季節にグラタン⁉︎かと思ったが、まぁ、嫁が頑張って作ってくれたんだし、文句を言うのは止めよう

「熱いですから。ふーふーしますね」
「おれを何歳だと思っているんだ、高2の16歳だぞ」
「年齢なんて関係ないです、私が食べさせてあげますから、はい、あーん」

しかし、言葉の裏腹に、グラタンが乗ったスプーンは小刻みに震えていた。その上、澪の顔も真っ赤に染まっていた

恥ずかしいならしなくてもいいのに
いや、まぁ、それはそれで可愛いのだが

そんなことを思いつつも俺は、澪のギャップに萌えたことを隠すため、素っ気ない態度を取ってみせた

「恥ずかしいならやめれば?」
「っ、だ、大丈夫です、夫婦だったら、このくらい」
「素直になれよってアッツ!」
「あああ、すいません…」

澪はスプーンに乗せてあったグラタンをあろうことか、おれの手の甲に落としてしまった
おれはすぐさまグラタンをティッシュで取り、そのままゴミ箱に投げ入れた

「おまえは、おれを殺す気か」
「すいません…私がしっかりしていればっ」
「そこまで、気分下げなくてもいいよ?、実際、火傷もしていないから安心して」

澪は目尻に涙を浮かばせていたので、頭を撫でながら言った
そしたら、澪は気持ちよさそうに、目を瞑っていた

「そうそう、新しい前線ができたみたいだから、傘を持っていってくださいね」
「新しい前線か、まぁ、ワンチャン電車が運休になるから嬉しいんだけど」
「私、電車の運休、そんなに好きじゃないんですよね」
「なんで?」

普通に考えて、学校を公欠として休めるんだから嬉しいだろ…まぁ、女子ならではの悩みとかなんだろうけど

「せっかくの友達と喋る機会が無くなりますからね」
「なるほどね」
「まぁ……蒼君と一緒にいれる時間が増えるのは…嬉しいんですけどね」

澪は、少し頬を赤らめながら言ってきた

照れながら言うのはチートだろ…こんなん、他の男子にやったら、確実に好きになっちゃうって

澪の姿は、許嫁の俺がドキマギしてしまう程に……可愛かった。

「そ、そうか」
「あれれー、照れてるんですか~」

澪はおれが照れてるとわかった瞬間距離を詰め、上目遣いで言ってきた

「蒼君にも可愛いところがあるんですね」
「照れて悪いか」
「ふふ、いえ、別に」
「そんなことより、家に帰らなくていいのか?」

たとえ、許嫁の家でも、自分の娘が夜遅くまでいたら、澪のお母さんとお父さんも心配するだろう

「風呂に入ってから、帰るのでご安心を」

多分、語尾には音符マークが付いているだろう
澪はおれをからかうことができ、満足したのか、ルンルンになりながら、風呂に入って行った

おれは、澪が風呂から上がった後、おれも風呂に入った。

◆◆◆

「蒼君、また明日」
「また明日」

澪は、おれに向けて、顔の横で手を振ったので、おれも手を振り返した。
澪の家と、おれの家は、おおよそ、100メートルあるかないかぐらいの距離なので、1人でも大丈夫だと思うが、という言葉があるので、いつも家まで送っている

そして、おれは、澪を家まで送り、明日の準備を済ませ、流れるようにベットで寝た

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