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第4話 黒の女神は些細な事で嫉妬する
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久則と澪は1年3組なので、4組を出ればすぐ隣りにある
だから、最初に武田先生の視界に入りさえしなければ多分バレずに教室に戻れるはず
ピロン
スマホの通知が鳴った
お、無事に戻れたみたいだな
スマホのチャット欄には
『無事帰還』
という4文字が映し出されていた
「1限目は数学だから、昨日当てた人は、おれが来る前までに問題の回答を書いとけよー」
おれは当たってないし適当にゲームでもしとこ
そんなことを思っていたら
「ねぇねえ、柊君、ここの答えと途中式教えてくれない?」
「いいよ」
おれは隣の女の子に丁寧に教えていたら、廊下から強い殺気のようなものを感じた。
こんな殺気を放てる人は――おれは、反射的にそっちの方を見た。
案の定、そこにいたのは、澪だった
ピコピコピコピコピコピコピコ
スマホの通知とチャットアプリに表示される未読の数がありえない速度で増えていおれの焦りを更に加速させた
「スマホの通知凄いけど大丈夫そ?」
全然大丈夫じゃないです
おれはそう言いたかったが胸のうちに潜めさせた、これで、この人が心配してきたら、さらに澪からの殺意が高まってしまう
「私はある程度理解できたから、もういいよ、ありがとうね、柊君」
「役に立てたなら良かったよ」
……よし、スマホを見よう
おれは心の準備を済ませ、チャットアプリを開いた
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『放課後、旧校舎で』
「終わったな…」
そして、3限目の英語までは何も問題がなかった。
このまま4限目の日本史も乗り越えたかったが、神様はおれが苦しむのを見たかったみたいだ
「っあ、ごめん」
隣の女子が消しゴムを落としてしまったので、おれは消しゴムを拾い、返した
「ありがとうね」
もし、3組の数学が早く終わらなかったら
もし、澪が友達に連れられてトイレに行っていなかったら
もし、隣の女子が消しゴムを落とさなかったら
未来は変わったのかもしれない
おれは隣の女子に消しゴムを返したついでに、廊下を見た
——これは一種の防衛反応だったのかもしれない
おれの目線の先には、普段なら綺麗な淡い青色の瞳が
今では
輝きがなく、どこに焦点を合わしているのかわからない——そんな瞳だった
「澪、何してんの?」
「ごめんなさい、桜島が噴火していたのでつい…」
「っえ、まじぃ——」
噴火についての会話以降の話は聞こえなかったが、1つ確信したのは、今日のヤンデレ度合いは今までに無いぐらいだ、と言うことだ
◆◆◆
いつもなら美味いと感じれている、学食の特盛肉うどんが、今日は病院食のように味が薄く感じた
「はぁ…」
「どうしたんだい蒼?」
「いや、別に何も」
「もしかして、今日はランだから?」
「おい、康太郎、その単語を言うな、味噌汁ぶっかけるぞ」
「怖いよ~久則く~ん」
「あ゛ぁ?」
言えるわけないんだよなぁ
おれと澪との関係性を知られたら、他クラス他学年からの視線が怖いし、澪のためにもバレたくない
悟られないようにしないと
「そうそう、4限目終わりの時さ、黒の女神様がなんか変だったんだよね」
おいおい、澪さん?!
しっかりしてくださいよ、何故貴女は感情を隠すのが上手い時と下手な時の差が凄いのですか?
バレて困るのは貴女もですよ
頭の中で少しツッコミを入れ、少しでも平然を装った
「黒の女神も一応、人間何だから変な風に見える事もあるんじゃない?」
「それもそうだな」
よし、これ以上深掘りはされないだろう、とりあえず、ひと安心ひと安心
しかし、おれの安心した気持ちは一瞬で崩れた
雪崩のように気配もなく、一瞬で
「隣いいですか?」
「っ!」
こんな日に限って、弁当が無いんだよ、てかこいつの友達はどうした、一緒に弁当食べてるんじゃなかったのかよ
「どうぞ、おれらは食べ終わってるんで…じゃ」
「あ、ありがとうございます」
康太郎と久則が食堂から出ていき、1、2分がたった
「ねぇ、蒼君」
「はい…」
黒の女神モードから一転、おれが知っている、ヤンデレモードに、モードチェンジし、空気が少し重たくなったのを感じた
「わかってますよね?」
「でも、今日部活が」
「ん?」
あれ、もしかして、おれの命日は今日なのかな
もうすこし、澪とイチャイチャしたかったんだが
もうすこしバスケしたかったんだが
「部活とか関係ないですよ、蒼君は私と夫婦なのに、他の女子と仲良くしたのが悪いんですから」
人生終了の時間
◆◆◆
「来てくれたんですね」
「まぁな」
「……蒼君は、私のことをどんな風に思ってるんですか?」
「そりゃぁ、当然、お嫁さんとして見てるけど」
「そ、そうですよね、お嫁さんですもんね」
え、なんで照れるの?
澪は少し俯いていたので、顔の表情とかはわからなかったが、耳が赤くなっているので、照れているのがバレバレだった
照れているのをバレないようにしている姿が、なんとも可愛らしい
ここで、更に追い打ちをかけたらどうなるんだろう
おれはただの好奇心で行動してみた
「おれは、澪以外の女子は好きにはならないし、澪のことしか見えてないから安心して」
澪の手をとり、指切りげんまんをしながら言ってみた
結果、効果バツグンだったみたいだ
「は、はぃ」
「じゃあ、おれは部活に行ってくるよ」
「うん……頑張ってきてくださいね」
おれは澪に背中を向けながらも、腕を上げ、まかせろ、そう言った
そして、正門に向かった
もし、今日の部活を休んでたら、澪にあんな思いをさせなくてすんだのかな
だから、最初に武田先生の視界に入りさえしなければ多分バレずに教室に戻れるはず
ピロン
スマホの通知が鳴った
お、無事に戻れたみたいだな
スマホのチャット欄には
『無事帰還』
という4文字が映し出されていた
「1限目は数学だから、昨日当てた人は、おれが来る前までに問題の回答を書いとけよー」
おれは当たってないし適当にゲームでもしとこ
そんなことを思っていたら
「ねぇねえ、柊君、ここの答えと途中式教えてくれない?」
「いいよ」
おれは隣の女の子に丁寧に教えていたら、廊下から強い殺気のようなものを感じた。
こんな殺気を放てる人は――おれは、反射的にそっちの方を見た。
案の定、そこにいたのは、澪だった
ピコピコピコピコピコピコピコ
スマホの通知とチャットアプリに表示される未読の数がありえない速度で増えていおれの焦りを更に加速させた
「スマホの通知凄いけど大丈夫そ?」
全然大丈夫じゃないです
おれはそう言いたかったが胸のうちに潜めさせた、これで、この人が心配してきたら、さらに澪からの殺意が高まってしまう
「私はある程度理解できたから、もういいよ、ありがとうね、柊君」
「役に立てたなら良かったよ」
……よし、スマホを見よう
おれは心の準備を済ませ、チャットアプリを開いた
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『ねえ』
『放課後、旧校舎で』
「終わったな…」
そして、3限目の英語までは何も問題がなかった。
このまま4限目の日本史も乗り越えたかったが、神様はおれが苦しむのを見たかったみたいだ
「っあ、ごめん」
隣の女子が消しゴムを落としてしまったので、おれは消しゴムを拾い、返した
「ありがとうね」
もし、3組の数学が早く終わらなかったら
もし、澪が友達に連れられてトイレに行っていなかったら
もし、隣の女子が消しゴムを落とさなかったら
未来は変わったのかもしれない
おれは隣の女子に消しゴムを返したついでに、廊下を見た
——これは一種の防衛反応だったのかもしれない
おれの目線の先には、普段なら綺麗な淡い青色の瞳が
今では
輝きがなく、どこに焦点を合わしているのかわからない——そんな瞳だった
「澪、何してんの?」
「ごめんなさい、桜島が噴火していたのでつい…」
「っえ、まじぃ——」
噴火についての会話以降の話は聞こえなかったが、1つ確信したのは、今日のヤンデレ度合いは今までに無いぐらいだ、と言うことだ
◆◆◆
いつもなら美味いと感じれている、学食の特盛肉うどんが、今日は病院食のように味が薄く感じた
「はぁ…」
「どうしたんだい蒼?」
「いや、別に何も」
「もしかして、今日はランだから?」
「おい、康太郎、その単語を言うな、味噌汁ぶっかけるぞ」
「怖いよ~久則く~ん」
「あ゛ぁ?」
言えるわけないんだよなぁ
おれと澪との関係性を知られたら、他クラス他学年からの視線が怖いし、澪のためにもバレたくない
悟られないようにしないと
「そうそう、4限目終わりの時さ、黒の女神様がなんか変だったんだよね」
おいおい、澪さん?!
しっかりしてくださいよ、何故貴女は感情を隠すのが上手い時と下手な時の差が凄いのですか?
バレて困るのは貴女もですよ
頭の中で少しツッコミを入れ、少しでも平然を装った
「黒の女神も一応、人間何だから変な風に見える事もあるんじゃない?」
「それもそうだな」
よし、これ以上深掘りはされないだろう、とりあえず、ひと安心ひと安心
しかし、おれの安心した気持ちは一瞬で崩れた
雪崩のように気配もなく、一瞬で
「隣いいですか?」
「っ!」
こんな日に限って、弁当が無いんだよ、てかこいつの友達はどうした、一緒に弁当食べてるんじゃなかったのかよ
「どうぞ、おれらは食べ終わってるんで…じゃ」
「あ、ありがとうございます」
康太郎と久則が食堂から出ていき、1、2分がたった
「ねぇ、蒼君」
「はい…」
黒の女神モードから一転、おれが知っている、ヤンデレモードに、モードチェンジし、空気が少し重たくなったのを感じた
「わかってますよね?」
「でも、今日部活が」
「ん?」
あれ、もしかして、おれの命日は今日なのかな
もうすこし、澪とイチャイチャしたかったんだが
もうすこしバスケしたかったんだが
「部活とか関係ないですよ、蒼君は私と夫婦なのに、他の女子と仲良くしたのが悪いんですから」
人生終了の時間
◆◆◆
「来てくれたんですね」
「まぁな」
「……蒼君は、私のことをどんな風に思ってるんですか?」
「そりゃぁ、当然、お嫁さんとして見てるけど」
「そ、そうですよね、お嫁さんですもんね」
え、なんで照れるの?
澪は少し俯いていたので、顔の表情とかはわからなかったが、耳が赤くなっているので、照れているのがバレバレだった
照れているのをバレないようにしている姿が、なんとも可愛らしい
ここで、更に追い打ちをかけたらどうなるんだろう
おれはただの好奇心で行動してみた
「おれは、澪以外の女子は好きにはならないし、澪のことしか見えてないから安心して」
澪の手をとり、指切りげんまんをしながら言ってみた
結果、効果バツグンだったみたいだ
「は、はぃ」
「じゃあ、おれは部活に行ってくるよ」
「うん……頑張ってきてくださいね」
おれは澪に背中を向けながらも、腕を上げ、まかせろ、そう言った
そして、正門に向かった
もし、今日の部活を休んでたら、澪にあんな思いをさせなくてすんだのかな
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