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アカシア

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第28話 置き換えて妄想しよう

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「おれは赤羽さん派」
「おれも赤羽さん」
「おれも」
「お前ら、日本人だったら大和撫子のような女性に惹かれろよ」

桜島高校男子バスケットボール部には2人のマネージャーがいる

元気が取り柄の赤羽あかばね芽依めい
ショートヘアーで陽キャって言葉を擬人化させた人でコミュ力お化け、体験入部の時、まだ会って片手で数えれるぐらいの秒数しか経っていないのに
『君は19番、君は27番君は——』
まだ入部物確定したわけじゃないのに背番号を勝手に決められた。
もちろん困惑した人が多数、元におれも困惑したし……
もう1人は青井あおい由依ゆい
青井さんは、大和撫子のように綺麗な黒髪、メイドさんのように礼儀正しく、誰にでも優しくする聖女のような性格を持つ完璧人間

康太郎以外の3人は皆赤羽さん派らしく、1人だけ青井さん派らしい

「蒼はどうなの?」

おれはもちろん答えない、青井さんより澪の方が黒髪に艶があって輝いてるし、赤羽さんのようなコミュ力は無いかもしれないけど、頑張ってクラスメイトに伝えようとする姿が可愛いから
でも、ここはどっちか決めないと場が冷めちゃうね
頭にいる澪に謝り、おれは

「おれはどっちかと言うと、青井さん派かな」
「だよな、非国民どもはロングの良さがわからないようだ、これは眼科を受診させないと」

正味どっちでも良い、別にどうでもいい
おれには一生を共にする人が決まっているから
たとえクレオパトラ、楊貴妃、小野小町とか世界三大美女レベルの人がいたとしても、おれは目移りすることは無いだろう
まぁ、まだ告白なんてした事無いんだけど

「ショートの方が可愛いに決まってるだろ」
「あの、守ってあげたくなるような小柄な体型、録音したくなるような可愛い声、青井さんには無い良い点しかないぞ」
「っ、クソ」

そんな悔しがる所か?
……いや、康太郎からしたら、好きな人のマウントを取られたもんなのかな
おれのほうが好きな人について理解してますが、あなたは好きな人について知らないことの方が多いんじゃない?みたいな感じか
澪でおれにマウント取れる奴なんて居るのか?いたら悔しいな

「あれれー、康太郎君は青井さんについて全然知らないようだねー」
「よくそれで、好きって言えたなー」
「……ふ、ふ、ふははは」

康太郎はなにか赤羽さんに勝てるポイントでも見つけたのだろか

康太郎は魔王みたいな笑い声を発した。
普通に演技力が高くて驚いた。

「青色さんがもし彼女になったらって考えてみろ」

おれ以外の3人は頭の中に青井さんが彼女になった世界線を妄想しているようだ
……なんでおれは妄想しないかって?
そんなのは至って普通の理由、澪に失礼だから
澪はおれのために尽くしてくれてるのに、その尽くしてくれている相手が別の女のことを考えてるなんて知られたら……
想像するだけで、心臓の鼓動が早くなるよ

「自分はバスケの練習で疲労困憊、そんな時、家に帰ったそうそうに抱きつかれ、そこからソファーで膝枕……どうだお前ら、一瞬で疲れが吹き飛ぶだろう

おれも澪に置き換え、妄想してみた

◆◆◆

バスケの練習から帰る頃には、体は鉛のように重くて、足の感覚も無いに等しかった。今日の練習はいつも以上にハードで、最後のダッシュではもう足が棒だった。
 重い体を引きずりながら玄関を開けると、リビングから足音が迫ってきた

「おかえりなさい、蒼君」

その穏やかな声と笑顔を見た瞬間、張り詰めていた疲れが一気に消えた。
しかし次の瞬間、澪は血迷ったのか、急におれに抱きついてきた。

「えっ、ちょっ、澪!?」

意表を突かれたせいで反応ができなかった。
 細い腕がしっかりと背中に回っていて、澪からの逃さないっていう意思が伝わってくる

「蒼君、本当にお疲れさまでした。今日はとても頑張ったんですね。顔を見れば分かりますよ」

耳元で囁く女神のような声におれの脳は埋め尽くされた

「いや、大したことじゃないよ。ただ…今日はいつもよりちょっと疲れただけ」

そう言ったもの、彼女の腕の中はあまりにも快適で、逃げる気力すら湧かない。

「そんな顔して、少ししか疲れていないは無理がありますよ?」

澪は小さいため息をついて、おれの手をとり、リビングに連れて行った

「蒼君、座ってください」

その言葉に素直に、ソファーに腰を下ろす。次の瞬間、彼女が隣に座り、自分の膝を軽くぽんぽんと進めた。

「はい、膝枕してあげます。疲れているときはしっかり休むのが一番です」
「いや、そんな…」
「遠慮しないでください。今日はたくさん私に甘えてください」

澪の強い押しに逆らえず、おれはゆっくりと彼女の膝に頭を乗せた

「どうですか?ちゃんと休めそうですか?」

澪の柔らかい太もも、澪の優しい声が耳元に響き、思わず心が緩む。

「うん…快眠できそう」

少し恥ずかしがりながらいうと、彼女が小さく笑った気配がした。

「よかったです。蒼君、いつも頑張っているから、こんなときくらい甘えてくださいね」

「ねえ、蒼君。何かして欲しいことがあったら言ってくださいね」
「いや、これで十分だよ…」

そう答えたもの、心臓がやけに早くなるのが自分でもわかった。 澪の膝枕だけでも十分に癒やされるのに、彼女の静かな声と優しい手つきが、さらに気持ちを溶かしていく。

「本当ですか? 私、もっと蒼君に楽になってほしいんです。何も言わないなら、勝手に甘やかしちゃいますよ?」

疲れた体が睡魔に負け、おれの意識が彼女の優しさに包まれていく。

「ゆっくりお休みください。私はずっと、貴方の隣にいますから」

◆◆◆

「蒼、お前キモイぞ」
「うん、写真撮りたい」

おれは澪に置き換えて妄想した結果、ニヤニヤと笑みをこぼしていたようだ
今度、頼んでみようかな……それより、はやく誤魔化さないと

「何も無いよ、てか早く食い終わってゲーセン行こうぜ」
「ゲーセンか……ありだな」
「よし、どっちのマネージャーが好みか会議は一旦終わり、早く食い終わろう」

一旦てことは……

おれはまだ、しょうもない会議に付き合わされるらしい



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