マリスセイバー ー精神の行き着く先にー

拡張世界その３

　[一方、その頃、カーオルのほうでは…]

 「くそっっ！！さっきから延々に、罵詈雑言を食らわせやがってよ…刑務官に小さい子供達やら年寄りにいたるまで…この架空の街の住民達全員が、一気に暴言を吐いてきやがる。もう何時間立つんだ…死ねやら何やら。（そして一番の問題は、この俺の過去のシーンも出てきた事だ。俺が、この街から脱出する時のフラッシュバック現象が何回も襲ってきやがる…なんつー嫌な架空世界だ…こんな物を作りやがるのか。精神的に、もう、だ…いや、俺がここで何の目標もなく明らかな未来への道も見えずもがいて、ただ日々を繰り返し繰り返し…色んな仕事を回されは、したが、何となく過ごしてきた。そして、その後、俺が気にいらなかったのか、さらにつまらねえ雑用係に飛ばされそうに…だから俺は…元々みなしご…実の父と母の顔は、見た事がねえ。育ての爺ちゃん婆ちゃんには、悪いが飛び出させてもらった…すまねえ…ほんとに…）だが、緊張感が、ほとばしり、言いたい事が言えない、くらいの、邪悪の存在の…やりたい事もやれずただこの混沌とした世界をなんとか生き抜いていく…目標も夢も見えず、使い捨て…そんな事、そんな事あってはならねえ！！街をよりよく！する！！この強い気持ちを持って前に進む！！！」　

　　　　　[ピカッッッッ！！！（光）]

  「…ばかな…信じられない…あの男に、カーオル、二人とも、拡張世界の１つずつクリアした…！が、今までこのミッションを一つ目は、なんとかクリアした人は、いました…が（正確には、まだ正気が多少残っていた）だが、二つ目は、高難易度のミッションです。結局、二つ目が終わる時には、もはや生きる屍となるでしょう…階段が見える状態になど決してなりません」

　「…ん、ここは…どこだ？急に眩い光と共に、風景が変わった…ん、先ほど、体の中に突き刺された痕が消えてる…やはり拡張世界か、ここは？交差点の道路か…車が…行き交っているな…　ん、はっ！！！」

　目の前に巨大なジープが猛スピードで、近寄ってきた！！

　避けられない…

　[ドーン！！ガガン！！（はね飛ばす音）]　
　
　　私は、ダンプに跳ね飛ばされた…この痛みは…そして横たわり、ただただ、天を仰いだ…左手は骨折、右足も骨折といったところか、一命は取り留めた。痛みが、酷すぎる。そしてこの暑さ。そして、目の前に、親切そうな優しそうな女性がこちらに近寄ってきて、私の耳元でこう言った。

　「あ～ら、あなた、あなたの父はとんでもない大悪党の犯罪者なんですってね！！そして、母も売女って話よね、汚らわしい！所詮、蛙の子は蛙よね。みすぼらしいたらありゃしない！だから、あなた、自力でお医者さんのとこに行きなさいよ！！あなたを助ける義理はないわ！！　この先にすごく優秀なドクターが、いる病院があるわ。そう、あなたの大好きなドクターのね！！オホホホホ！！」

　女性はスキップしながら去っていった。

　「う、わ～～！！ッッ！」

　いや、ドクターのミッションはクリアした肌感覚がある。この、今のミッションをクリアすれば、きっと、３階への階段は、現れるはず…ん…なんだ？あそこに立て札が…なになに、『不幸の連続ストーリー・精神崩壊までもう少し』だと。ん、なんだ、今度は目の前にディスクが、ここは…役所…の内装、みたいのが急に目の前に。
　
　「こら～っ！！そこの存在感薄いやつ！！お前だ！お・ま・え！　何してくれてんだ！！　え～～！！お前の代わりはいくらでもいるんだぞ！！　早くドクターから、商品の受注をとってこい！！おめおめ帰ってきやがって！てめえ自身の体で、丸型キューブに錆びたハサミ、以外にももっといろんな種類の商品を売ってこいや！！給料は減給だ！！我がショップがダメになったら、全部お前の責任だ！！お前が数字取れないから当然だよな！！」

　急にショップの店主みたいな男が現れた。