マリスセイバー ー精神の行き着く先にー

丘の山小次郎

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拡張世界その4

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 さすがに拡張世界とはいえ、今のダメージを負った体には堪える台詞の数々を言ってくる。しかし、このショップ店員風の男の言ってる台詞、言葉使い…町長を思い起こさせる。

{メラメラ、、}「そして先ほどの女性の、私の父と母を侮辱する発言…逆効果だったな。怒りが込み上がってきたぞ!許せん!」

 「ああん!?なんだ!逆らうやつはいらんぞ!?」

 [ガシッ!!]

 手のひらを全開まで拡げ、男の顔を掴んだ…

「グッグワ~~、イッ痛い!!何する離せ!!きっ貴様!上司に向かって、なんて事を!」

 「ほう。これは、すごい作りだ、拡張世界。何かアクション起こしても、きちんとそれに沿うようにプログラムされてるなんて。あなたの様なタイプの人間はこっちが何を言っても通じないんでね。経験でわかるんですよ…だから一気にいきますよ!!今までは誰もが、その前に、心をやられて、動けなかったのかな…それに、上司だなんて、笑わせる。お前は私を怒らせた。お前のような、自分で責任を取らない男を認めない」

 「グ、ぐぎゃ~っ!!やめろぉ!」

  [シュウウ~ーッ] 

どんどん威張っている男は映像グラデーションのように薄くどんどん透明になっていった…消滅しそうだ。

 「現実世界でも、なかなか、こんな事はできなかったからな。幻の世界という事で、多少、気が大きくなったか。いや、正義感のなせるワザだ。私も一歩、先にいけたような気がするよ」

 [プシュウ~ッウ~ッ、、] 男は消滅した。


 [一方、その頃 カーオルのほうでは…]

 「くっ、なんだ…さっきの眩しい光の後、風景が変わり目の前に見えてきた光景…そうだ…この街プワラでも片隅にある貧困街…治安が悪く、スリ、ひったくり、暴力と、犯罪事件も多発するスラム街じゃあねえか。俺も毎回、通るたびにお金をひったくられた…」

キナ臭い匂い、不衛生な物の散乱、この世に、救いは、あるのか、カーオルは、虚しさを感じた…が、目の前には、ガタイのいい男が3人現れ、カーオルは、とっさに身構えた…

 「よう~色男~!!結構、おたくさんも、うちらと同じくらいに、たくましい体つきジャン!!遊ぼうぜ!!」
 「おおっ~!!いいねえ! 遊ぼうぜ!!」

モヒカン頭の男やタトゥーを入れた男、金髪男達が話しかけてきた…
 
「けっどうせ拡張世界だろ。(無難に合わせて耐えれば、ミッションクリアのはず。それに、恐らくこれが、二つ目だ。これさえクリアすれば…)」

次の瞬間、突然、モヒカン男は殴りかかってきた。大きなフルスイングで!それをなんとか、カーオルは、かわした…

 「おっ!よく!よけたねえ!俺の自慢のパンチ、名付けて、ヒップホップパンチを!!」
 「ギャハハ、なんだよ!それ!イケてるネーミングじゃん!」 
「ハハ!!だろ!!人生は、愉快痛快ヒップホップよ!! 知ってる?君? 音楽ジャンルのことよ!?しかし、よぉ~よけたのは、気に食わねえなぁ…三十点だなぁ~…だからよぉー、そうだな、合計千点取ったら許してやるぜ」
 「ギャハハ!なんだよ!それよ!でもよお~、そろそろ俺らも、混ぜてもらって、楽しむとするかなぁ~」

 急に、背後から、凄まじい蹴りが、飛んできた、カーオルは、肩に食らってしまった…

「グッ、ぐわ!!い、痛え!!」

 「よし!!ヒット!!やったぜぇ~~!!俺様のビッグバンキック炸裂だぁ!!気持ちいいぜぇぇ!よし百点だぁ~!!」
 「おいおい~それじゃ、快感得る攻撃はあと九回しかあてらんねえじゃねえかよ~」 
  
 …カーオルの中で静かな闘志が湧き上がってきた…
     
   

 

 
  


 

 
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