1 / 8
1
しおりを挟む
あの時はこの手段しかないと思っていた。
Ωの俺はヒートに無理矢理させられて,あの男に無理やり番にされるか、もしくはこの男をレイプして先に番契約を成立させるかの二択だった。
そして、俺が選んだのは後者だった。
大丈夫、あの男は今日は会合で遅い。
ならば、今日が最初で最後の機会だ
「猪瀬……東京から離れてくれないか」
そう言うと、猪瀬が驚いたような顔をして俺を見た。
「り、陸様…?」
猪瀬のあの男への思いを俺は知っている。その忠誠心も。それを猪瀬も分かっているから、だから、そこまで狼狽えているのだ。
京極貴嗣……俺のツガイである猪瀬の主。猪瀬家の人は京極家に仕える為に存在すると言っても過言ではない。不要だ、京極にそう伝えられただけで衰弱死する程、彼らには京極への忠誠が骨の髄まで染みている。そしてそれはαとしての本能、ツガイを求める本能より強い。
ただ、上位αとして生まれた以上、ツガイを求める本能もまた猪瀬は強い。執着もまた……。
40も後半になった猪瀬を見上げる。
まだ白髪もない、脂の乗った大人のα
昔から京極ホールディングスの専務として名を馳せ、数多のΩから婚姻を望まれているα。なのに、未だに独身なのは……。
「お願いだ…」
俺の懇願に一瞬だけ顔を歪めた。
「陸様。私は貴嗣様に生涯を捧げるつもりなのです。貴方に作っていただいた未来を失うつもりはありません。」
違う、奪った未来を戻しただけだ。いや、完全には戻せていない。俺が出来たのは側近という立ち場を取り戻す事だけ。
京極貴嗣がツガイにする予定だった俺、その俺にフェロモンレイプなんてされて番契約なんてものをされなければ、今頃、かわいい女性Ωと婚姻して家庭を持っていただろうに……。
俺は上位Ωだ。上位Ωの具合は良いらしい、一度でもしたら忘れられないドラッグのようなモノと言われている。この現代でも誘拐され高額で人身売買される事がある位希少な上位Ω
猪瀬は……たった一度味わったソレが忘れられないのだろう、フェロモンレイプというありえない状況もまた、俺という存在を猪瀬の魂にまで刻みつけてしまったのだ。
だから…番契約を消滅させても猪瀬は俺に縛られてしまった。
どんなに良縁なΩを紹介しても猪瀬は番わない。性欲の処理に使う程度だ。
俺とあの男が番ってもソレは変わることがない…。
「第一、私は貴嗣様から離れたら死んでしまいますよ?」
わかっている、そんな事。お前は俺にレイプされて、あの男から『そんなは部下いらない』そう言われただけで脳が生命活動を放棄したくらい、あの男を盲信している。
「守るから。俺も一緒に行くから、だからここから逃げてくれないか」
俺が、お前の本能に逝くなと説得し続ければ留まれるだろう?
「架向、ですか」
「……そうだ」
俺の息子から逃げてくれ。あの男がαだった俺をビッチングしてΩにしたように、俺の可愛い息子がお前をΩにしようとしている。俺が味わった絶望をお前にまで味あわせたくない。ましてやそれを行うのが俺の息子だなんて…!
けれど、息子を止める術などないのだ。願うだけ、京極の血はそれだけで対象をαからΩへと性転換させる。それが無意識であってもだ。
あの男は言った
『幼き頃、母に側にいて欲しかった。Ωの母親は家にいるものだと聞いていた。だから願った。側にいてほしいと。そして母はΩになった』
あの男は願っただけ。
架向も家族の様に慕っていた猪瀬に離れて欲しく無いと思っているだけだ。それだけ、ビッチングしようという意図などなく、ただ寂しい、側にいてと願ってしまうそれだけ、夢で見てしまう、それだけで猪瀬はΩになってしまう。
けれど、疑問にも思うのだ。
それは遠く距離の離れた相手でも転換させれるのか、と。
あの男は俺を意図的にビッチングした。そして出会ってから俺がΩになるまでとにかく側にいた。京極のフェロモンが届かなければ不可能なのでは?と尋ねても答えはしないだろう。だが会った事もない地球の裏側にいる相手までビッチングが可能だとしたら流石にそれはチートがすぎるだろう。
だから……
「一緒に逃げてくれ、猪瀬」
婚約者である女性Ωと番結婚をするつもりだった俺は地獄へと叩き落とされた。
下位αの俺でさえそうだったのだ、40年以上も上位αだった猪瀬はどうなってしまうのか。
「お願いだ猪瀬……俺が耐えられない。」
俺は猪瀬をレイプして、猪瀬の20年を奪ってしまった。麻薬の様な器。誰とSEXしても俺との強烈な快楽に勝る事がない。
そんなつもりは無かったのに。俺をビッチングしたあの男に無理矢理番にされる位なら、他のαの番なる方がマシだと思った、ただそれだけだったのに。
猪瀬は俺があの男に襲われるお膳立てした。俺に選択を迫ったのだ。俺の婚約者がゲスいαにレイプされるのを見るか?俺があの男に身を差して番となるかのどちらかを。
だから俺は猪瀬をレイプした。自業自得だ、そうあの時は思ったんだ。
Ωの俺はヒートに無理矢理させられて,あの男に無理やり番にされるか、もしくはこの男をレイプして先に番契約を成立させるかの二択だった。
そして、俺が選んだのは後者だった。
大丈夫、あの男は今日は会合で遅い。
ならば、今日が最初で最後の機会だ
「猪瀬……東京から離れてくれないか」
そう言うと、猪瀬が驚いたような顔をして俺を見た。
「り、陸様…?」
猪瀬のあの男への思いを俺は知っている。その忠誠心も。それを猪瀬も分かっているから、だから、そこまで狼狽えているのだ。
京極貴嗣……俺のツガイである猪瀬の主。猪瀬家の人は京極家に仕える為に存在すると言っても過言ではない。不要だ、京極にそう伝えられただけで衰弱死する程、彼らには京極への忠誠が骨の髄まで染みている。そしてそれはαとしての本能、ツガイを求める本能より強い。
ただ、上位αとして生まれた以上、ツガイを求める本能もまた猪瀬は強い。執着もまた……。
40も後半になった猪瀬を見上げる。
まだ白髪もない、脂の乗った大人のα
昔から京極ホールディングスの専務として名を馳せ、数多のΩから婚姻を望まれているα。なのに、未だに独身なのは……。
「お願いだ…」
俺の懇願に一瞬だけ顔を歪めた。
「陸様。私は貴嗣様に生涯を捧げるつもりなのです。貴方に作っていただいた未来を失うつもりはありません。」
違う、奪った未来を戻しただけだ。いや、完全には戻せていない。俺が出来たのは側近という立ち場を取り戻す事だけ。
京極貴嗣がツガイにする予定だった俺、その俺にフェロモンレイプなんてされて番契約なんてものをされなければ、今頃、かわいい女性Ωと婚姻して家庭を持っていただろうに……。
俺は上位Ωだ。上位Ωの具合は良いらしい、一度でもしたら忘れられないドラッグのようなモノと言われている。この現代でも誘拐され高額で人身売買される事がある位希少な上位Ω
猪瀬は……たった一度味わったソレが忘れられないのだろう、フェロモンレイプというありえない状況もまた、俺という存在を猪瀬の魂にまで刻みつけてしまったのだ。
だから…番契約を消滅させても猪瀬は俺に縛られてしまった。
どんなに良縁なΩを紹介しても猪瀬は番わない。性欲の処理に使う程度だ。
俺とあの男が番ってもソレは変わることがない…。
「第一、私は貴嗣様から離れたら死んでしまいますよ?」
わかっている、そんな事。お前は俺にレイプされて、あの男から『そんなは部下いらない』そう言われただけで脳が生命活動を放棄したくらい、あの男を盲信している。
「守るから。俺も一緒に行くから、だからここから逃げてくれないか」
俺が、お前の本能に逝くなと説得し続ければ留まれるだろう?
「架向、ですか」
「……そうだ」
俺の息子から逃げてくれ。あの男がαだった俺をビッチングしてΩにしたように、俺の可愛い息子がお前をΩにしようとしている。俺が味わった絶望をお前にまで味あわせたくない。ましてやそれを行うのが俺の息子だなんて…!
けれど、息子を止める術などないのだ。願うだけ、京極の血はそれだけで対象をαからΩへと性転換させる。それが無意識であってもだ。
あの男は言った
『幼き頃、母に側にいて欲しかった。Ωの母親は家にいるものだと聞いていた。だから願った。側にいてほしいと。そして母はΩになった』
あの男は願っただけ。
架向も家族の様に慕っていた猪瀬に離れて欲しく無いと思っているだけだ。それだけ、ビッチングしようという意図などなく、ただ寂しい、側にいてと願ってしまうそれだけ、夢で見てしまう、それだけで猪瀬はΩになってしまう。
けれど、疑問にも思うのだ。
それは遠く距離の離れた相手でも転換させれるのか、と。
あの男は俺を意図的にビッチングした。そして出会ってから俺がΩになるまでとにかく側にいた。京極のフェロモンが届かなければ不可能なのでは?と尋ねても答えはしないだろう。だが会った事もない地球の裏側にいる相手までビッチングが可能だとしたら流石にそれはチートがすぎるだろう。
だから……
「一緒に逃げてくれ、猪瀬」
婚約者である女性Ωと番結婚をするつもりだった俺は地獄へと叩き落とされた。
下位αの俺でさえそうだったのだ、40年以上も上位αだった猪瀬はどうなってしまうのか。
「お願いだ猪瀬……俺が耐えられない。」
俺は猪瀬をレイプして、猪瀬の20年を奪ってしまった。麻薬の様な器。誰とSEXしても俺との強烈な快楽に勝る事がない。
そんなつもりは無かったのに。俺をビッチングしたあの男に無理矢理番にされる位なら、他のαの番なる方がマシだと思った、ただそれだけだったのに。
猪瀬は俺があの男に襲われるお膳立てした。俺に選択を迫ったのだ。俺の婚約者がゲスいαにレイプされるのを見るか?俺があの男に身を差して番となるかのどちらかを。
だから俺は猪瀬をレイプした。自業自得だ、そうあの時は思ったんだ。
146
あなたにおすすめの小説
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される
中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」
夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。
相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。
このお話はムーンライトでも投稿してます〜
悪役令嬢の兄、閨の講義をする。
猫宮乾
BL
ある日前世の記憶がよみがえり、自分が悪役令嬢の兄だと気づいた僕(フェルナ)。断罪してくる王太子にはなるべく近づかないで過ごすと決め、万が一に備えて語学の勉強に励んでいたら、ある日閨の講義を頼まれる。
幼馴染みのハイスペックαから離れようとしたら、Ωに転化するほどの愛を示されたβの話。
叶崎みお
BL
平凡なβに生まれた千秋には、顔も頭も運動神経もいいハイスペックなαの幼馴染みがいる。
幼馴染みというだけでその隣にいるのがいたたまれなくなり、距離をとろうとするのだが、完璧なαとして周りから期待を集める幼馴染みαは「失敗できないから練習に付き合って」と千秋を頼ってきた。
大事な幼馴染みの願いならと了承すれば、「まずキスの練習がしたい」と言い出して──。
幼馴染みαの執着により、βから転化し後天性Ωになる話です。両片想いのハピエンです。
他サイト様にも投稿しております。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
シナリオ回避失敗して投獄された悪役令息は隊長様に抱かれました
無味無臭(不定期更新)
BL
悪役令嬢の道連れで従兄弟だった僕まで投獄されることになった。
前世持ちだが結局役に立たなかった。
そもそもシナリオに抗うなど無理なことだったのだ。
そんなことを思いながら収監された牢屋で眠りについた。
目を覚ますと僕は見知らぬ人に抱かれていた。
…あれ?
僕に風俗墜ちシナリオありましたっけ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる