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目が覚めると、ベッドの上だった。
咄嗟にうなじを触る。
ネックガードがあってほっとした。噛まれていない
「先輩!」
智則がスポーツドリンク片手に部屋に入ってきた。そのまま、抱き寄せられた。
「心配しました」
「うん……」
ポンポンと背中をたたいてあげた。
試合中の神々しさは鳴りを潜め、柴犬のような可愛さ
笑っていると、医師が入ってきた。
僕の同意を得た上で智則同席のまま説明をしだした。
ネックガードに阻まれて番契約はなされていないこと。
ただ、相当な力で噛まれた為、内出血等があるはずなので、ネックガードを外して診察したいとの事だった。
あんな事があったのに首輪を外すなんて怖くてできやしない。いくら、医師がβであってもだ。
「先輩、ちょっと待ってて」
智則が僕から離れ、ドアの鍵を閉めて戻ってきた。僕を再び抱き寄せる
トクントクン、智則の優しい鼓動がきこえる。
「外せる?」
「……うん」
体温に包まれて安堵する。医師の目から隠すように抱かれ、安心して暗証番号の入力と声紋認証ができた。
かちりと外れ、首がスースーした。
ポトリと落ちたネックガードを見てゾッとした。首の皮一枚とは正にこの事だ。表面はしっかりと穴があき、鋼を貫通して肌側の革にも亀裂が入っている。
「随分、しっかりしたネックガードだね。……よっぽど警戒していたんだね」
医師がしみじみと言った。
…………
これを贈ってきたのはあのサディストだ。アレの思惑はどうであれ、感謝をした。
津守には、僕という玩具に飽きたら他のαと番わせると言われている。他のαと番ったΩを嬲るのが好きなのだといった。津守の隣にいた11番目の妻はカタカタと恐怖に震えていた。
ああ、それは確かに心臓発作で死ぬ者も出る。番ったΩは他のαに対して拒絶反応や嫌悪が酷くて、最悪、アナフィラキシーショックを起こす事がある。ショック症状にならなくても、拷問にも等しい苦痛受けるのはおなじでΩへの負担は大きく衰弱死は必然だろう。
甚振るだけ甚振って、反応が薄く人形のようになったら番わせる。人形になるまでは存分に愉しみたい。だから、強固なネックガードをよこしたのだ。
「あとは、そこの男のコのお陰かな。ラットになったαを君から気引き剥がした。よくもまぁ、あんな強力な抑制剤をβが持ち歩いていたもんだ」
「……」
智則は僕と未来を描いてた。だから、騎士のように僕を護るコだから、α用の抑制剤も持ち歩いていたのだろう。多分、僕が正常じゃなくなった時のためにΩ用のも持ち歩いている。
「それと……君のオーバードーズ。用量通りだったら君もヒートになってたた。少しだけだけど、牙が首輪を貫通しているから、番になっていた可能性もあるね。偶然が重なって無事だった」
偶然?
必然だ。
ネックガードはおいておき、
智則は僕の残り香を嗅いだαに警戒をしていた。だから、抑制剤を道着の中に潜ませた。普通だったら、試合の邪魔になるしバッグの中だ。
僕だってそうだ。智則がピリピリしていたから、水浴びをしてまで僕のニオイを落とそうとしていたから、僕は何でもないのに抑制剤を飲んでいたし、智則のまえで少しの乱れすら嫌で過剰摂取をした。
「因みに、あの量は飲みすぎだからね。今回は運命よるホルモンの過剰分泌が起きて打ち消しあってくれたけど、そうでなければ、オーバードーズで集中治療室行きだったよ」
「…………運命?」
智則が聞き返す。
「ああ。αの彼はそう言っている。」
「…………診断書、書いてください。傷害罪でアイツを訴えます」
咄嗟にうなじを触る。
ネックガードがあってほっとした。噛まれていない
「先輩!」
智則がスポーツドリンク片手に部屋に入ってきた。そのまま、抱き寄せられた。
「心配しました」
「うん……」
ポンポンと背中をたたいてあげた。
試合中の神々しさは鳴りを潜め、柴犬のような可愛さ
笑っていると、医師が入ってきた。
僕の同意を得た上で智則同席のまま説明をしだした。
ネックガードに阻まれて番契約はなされていないこと。
ただ、相当な力で噛まれた為、内出血等があるはずなので、ネックガードを外して診察したいとの事だった。
あんな事があったのに首輪を外すなんて怖くてできやしない。いくら、医師がβであってもだ。
「先輩、ちょっと待ってて」
智則が僕から離れ、ドアの鍵を閉めて戻ってきた。僕を再び抱き寄せる
トクントクン、智則の優しい鼓動がきこえる。
「外せる?」
「……うん」
体温に包まれて安堵する。医師の目から隠すように抱かれ、安心して暗証番号の入力と声紋認証ができた。
かちりと外れ、首がスースーした。
ポトリと落ちたネックガードを見てゾッとした。首の皮一枚とは正にこの事だ。表面はしっかりと穴があき、鋼を貫通して肌側の革にも亀裂が入っている。
「随分、しっかりしたネックガードだね。……よっぽど警戒していたんだね」
医師がしみじみと言った。
…………
これを贈ってきたのはあのサディストだ。アレの思惑はどうであれ、感謝をした。
津守には、僕という玩具に飽きたら他のαと番わせると言われている。他のαと番ったΩを嬲るのが好きなのだといった。津守の隣にいた11番目の妻はカタカタと恐怖に震えていた。
ああ、それは確かに心臓発作で死ぬ者も出る。番ったΩは他のαに対して拒絶反応や嫌悪が酷くて、最悪、アナフィラキシーショックを起こす事がある。ショック症状にならなくても、拷問にも等しい苦痛受けるのはおなじでΩへの負担は大きく衰弱死は必然だろう。
甚振るだけ甚振って、反応が薄く人形のようになったら番わせる。人形になるまでは存分に愉しみたい。だから、強固なネックガードをよこしたのだ。
「あとは、そこの男のコのお陰かな。ラットになったαを君から気引き剥がした。よくもまぁ、あんな強力な抑制剤をβが持ち歩いていたもんだ」
「……」
智則は僕と未来を描いてた。だから、騎士のように僕を護るコだから、α用の抑制剤も持ち歩いていたのだろう。多分、僕が正常じゃなくなった時のためにΩ用のも持ち歩いている。
「それと……君のオーバードーズ。用量通りだったら君もヒートになってたた。少しだけだけど、牙が首輪を貫通しているから、番になっていた可能性もあるね。偶然が重なって無事だった」
偶然?
必然だ。
ネックガードはおいておき、
智則は僕の残り香を嗅いだαに警戒をしていた。だから、抑制剤を道着の中に潜ませた。普通だったら、試合の邪魔になるしバッグの中だ。
僕だってそうだ。智則がピリピリしていたから、水浴びをしてまで僕のニオイを落とそうとしていたから、僕は何でもないのに抑制剤を飲んでいたし、智則のまえで少しの乱れすら嫌で過剰摂取をした。
「因みに、あの量は飲みすぎだからね。今回は運命よるホルモンの過剰分泌が起きて打ち消しあってくれたけど、そうでなければ、オーバードーズで集中治療室行きだったよ」
「…………運命?」
智則が聞き返す。
「ああ。αの彼はそう言っている。」
「…………診断書、書いてください。傷害罪でアイツを訴えます」
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