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4ー最ゼリアにて給餌
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猪瀬が陸を食事に誘った。
陸と食事……!
番が口をパクっと開けて料理を食べる姿を見れるなんて、想像するだけで眼福…
猪瀬がコホンと咳ばらいをする。
表情筋が死んでいると言われている私だが、にやけてしまったのだろうか。陸はすごいな…私に存在しなかったものを再生させるのだから。だが、そうであるならば注意せねば。私のような地位にいる者にとって無表情は武器だ。
猪瀬が私をちらりと見た後、再び食事を固辞する陸を誘う
猪瀬の狙いは陸の個人情報を引き出すことだ。もちろん調査会社にも依頼はするが陸から聞いた方が早いところも多々ある。
陸が最ゼリヤに行きたいと言った。あの格安チェーン店の最ゼリヤだ。
「そこなら、俺たちが行かないとでも思ったか…」
猪瀬がブツブツ言っている。添加物のない新鮮なものを食べるべきという考え方は上位αに共通の考え方だ。それが可能なだけの経済力もある。だから、陸以外の者がそんな発言をしたら即切り捨てる。
猪瀬が、なじみの店を上げるが陸は最ゼリヤの気分なんですと、譲らない。
なんてかわいらしい。私に遠慮して最ゼリヤというなんて、なんて奥ゆかしいのだ。
陸が食べたいものはいくらでも出してあげるのに。とは言え、私を慮ってくれる陸を認めないのも問題だ。陸を尊重したい。
「陸のリクエストだ。最ゼリアに行くぞ」
猪瀬がブツブツと文句を言うが黙殺した。陸が驚いたように私を見る。本当に行くんですか?と。陸が行きたいと言っているのだ、当然じゃないか。
食事が美味しいという感覚は私にはない。味覚はあるがそれだけだった。それなのに最ゼリヤの料理は今まで食べたどんな料理よりも美味しく感じた。
猪瀬を見てみると眉を潜めていたから、陸という存在が私に食事というものを美味しく感じさせているのだ。
…陸は素晴らしいな。
単品で食べるのはが辛かったようで猪瀬はいろいろなものを注文し、それらを組み合わせてアレンジを行っていた。
そのアレンジは陸にはとても魅力的に映ったようだ。
くださいというのと同時に猪瀬の皿からパスタを奪った。
何てことだ!
私の番がわたし以外の皿から食事を奪うなんて。給餌は番にのみ許される行為なのに。
「陸っ!猪瀬のモノを奪うな。食べたいなら私が陸にあげる」
そう言って、私の皿にあるパスタを陸の口に運んだ。陸は少し不満があるようだった。ひどいな。ちらりと猪瀬を見ると。猪瀬は自分の皿を陸から遠い所に移動していた。
当然だ。私の陸に給餌しようだなんて百万年早い。
けれど陸の視線は猪瀬の皿にいっている。
そうか、陸はアレンジされた料理が食べてみたいのだ。
仕方がない。
猪瀬の前のにある皿を奪い取る。
まあ、猪瀬のものは私のもの。ならばそれを私の手ずから陸に給餌をする分には問題はない。フォークにパスタをクルッと巻いて陸の口へと運んであげる。陸がヒナように口を開けた。
ああなんて可愛い。パスタの味に満足したのだろう。陸が私の皿にフォークを伸ばそうとする。
けれどあげない。
私が給餌してあげたいのだ。陸、私から給餌の機会を奪わないで。
腹に食べ物が入っても陸の警戒感はほぼ変わらない。
好きな食べ物は何?と聞けば素直に答えるが、恋人はいるのかと訊くと曖昧に笑う。
好きなスポーツは何かと聞けえば答えるが、好みのタイプは?と答え聞けばまた曖昧な答えを返す。
返答も簡単にではなく、少し考えてから行っていた。
何をそこまで私に警戒をしているのだろうか?こんちゃんとやらに関して警戒するのは分かる。ただ、それ以外の返答についても何かを考えてから答えている気がする。私に気に入られようとして答えているというわけでもない。もっとも、どんな答えでも私にとっては可愛く思えるのだが。
結局、食事中に陸の婚約者についての情報は得られなかった。なぜか陸は私に婚約者の存在を知られるのを恐れている。当たり前といえば当たり前だ。
私の番に手を出した者がいるなんて許されることではない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
ブクマありがとうございます!
ブクマが108になったら、ぼんのー企画をやるのが私の通例なのですが…こんな勢いでカウントが回ると思っていなかったので準備が追いつかなかった。
いや~嬉しい誤算。ありがたい。
他の作品読んで下さってる方はご存知かもしれませんが、私にとってブクマが3桁はかなりハードルが高く、特別な思いがあります。ましてや108だなんて、煩悩の数!という事で、けっこうな記念な数だったりします。なので特別な事をしたい!
う~ん……ネタはあった。が、これから書いていると108記念じゃなくてただの番外編になっちゃうけど、いきなり番外編?読者様、嫌じゃないかなぁ……?章を分けるのは作者的にはNGなんですよね……。
陸と食事……!
番が口をパクっと開けて料理を食べる姿を見れるなんて、想像するだけで眼福…
猪瀬がコホンと咳ばらいをする。
表情筋が死んでいると言われている私だが、にやけてしまったのだろうか。陸はすごいな…私に存在しなかったものを再生させるのだから。だが、そうであるならば注意せねば。私のような地位にいる者にとって無表情は武器だ。
猪瀬が私をちらりと見た後、再び食事を固辞する陸を誘う
猪瀬の狙いは陸の個人情報を引き出すことだ。もちろん調査会社にも依頼はするが陸から聞いた方が早いところも多々ある。
陸が最ゼリヤに行きたいと言った。あの格安チェーン店の最ゼリヤだ。
「そこなら、俺たちが行かないとでも思ったか…」
猪瀬がブツブツ言っている。添加物のない新鮮なものを食べるべきという考え方は上位αに共通の考え方だ。それが可能なだけの経済力もある。だから、陸以外の者がそんな発言をしたら即切り捨てる。
猪瀬が、なじみの店を上げるが陸は最ゼリヤの気分なんですと、譲らない。
なんてかわいらしい。私に遠慮して最ゼリヤというなんて、なんて奥ゆかしいのだ。
陸が食べたいものはいくらでも出してあげるのに。とは言え、私を慮ってくれる陸を認めないのも問題だ。陸を尊重したい。
「陸のリクエストだ。最ゼリアに行くぞ」
猪瀬がブツブツと文句を言うが黙殺した。陸が驚いたように私を見る。本当に行くんですか?と。陸が行きたいと言っているのだ、当然じゃないか。
食事が美味しいという感覚は私にはない。味覚はあるがそれだけだった。それなのに最ゼリヤの料理は今まで食べたどんな料理よりも美味しく感じた。
猪瀬を見てみると眉を潜めていたから、陸という存在が私に食事というものを美味しく感じさせているのだ。
…陸は素晴らしいな。
単品で食べるのはが辛かったようで猪瀬はいろいろなものを注文し、それらを組み合わせてアレンジを行っていた。
そのアレンジは陸にはとても魅力的に映ったようだ。
くださいというのと同時に猪瀬の皿からパスタを奪った。
何てことだ!
私の番がわたし以外の皿から食事を奪うなんて。給餌は番にのみ許される行為なのに。
「陸っ!猪瀬のモノを奪うな。食べたいなら私が陸にあげる」
そう言って、私の皿にあるパスタを陸の口に運んだ。陸は少し不満があるようだった。ひどいな。ちらりと猪瀬を見ると。猪瀬は自分の皿を陸から遠い所に移動していた。
当然だ。私の陸に給餌しようだなんて百万年早い。
けれど陸の視線は猪瀬の皿にいっている。
そうか、陸はアレンジされた料理が食べてみたいのだ。
仕方がない。
猪瀬の前のにある皿を奪い取る。
まあ、猪瀬のものは私のもの。ならばそれを私の手ずから陸に給餌をする分には問題はない。フォークにパスタをクルッと巻いて陸の口へと運んであげる。陸がヒナように口を開けた。
ああなんて可愛い。パスタの味に満足したのだろう。陸が私の皿にフォークを伸ばそうとする。
けれどあげない。
私が給餌してあげたいのだ。陸、私から給餌の機会を奪わないで。
腹に食べ物が入っても陸の警戒感はほぼ変わらない。
好きな食べ物は何?と聞けば素直に答えるが、恋人はいるのかと訊くと曖昧に笑う。
好きなスポーツは何かと聞けえば答えるが、好みのタイプは?と答え聞けばまた曖昧な答えを返す。
返答も簡単にではなく、少し考えてから行っていた。
何をそこまで私に警戒をしているのだろうか?こんちゃんとやらに関して警戒するのは分かる。ただ、それ以外の返答についても何かを考えてから答えている気がする。私に気に入られようとして答えているというわけでもない。もっとも、どんな答えでも私にとっては可愛く思えるのだが。
結局、食事中に陸の婚約者についての情報は得られなかった。なぜか陸は私に婚約者の存在を知られるのを恐れている。当たり前といえば当たり前だ。
私の番に手を出した者がいるなんて許されることではない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
ブクマありがとうございます!
ブクマが108になったら、ぼんのー企画をやるのが私の通例なのですが…こんな勢いでカウントが回ると思っていなかったので準備が追いつかなかった。
いや~嬉しい誤算。ありがたい。
他の作品読んで下さってる方はご存知かもしれませんが、私にとってブクマが3桁はかなりハードルが高く、特別な思いがあります。ましてや108だなんて、煩悩の数!という事で、けっこうな記念な数だったりします。なので特別な事をしたい!
う~ん……ネタはあった。が、これから書いていると108記念じゃなくてただの番外編になっちゃうけど、いきなり番外編?読者様、嫌じゃないかなぁ……?章を分けるのは作者的にはNGなんですよね……。
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