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1章 この世界を生き抜くためには

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23時過ぎ、仕事が終わってトボトボと人通りのない道を歩いていて……気がついたら森の中にいた。


持っているのは通勤用のカバンとコンビニで買ったお弁当とお酒だけ……。


「ど……ういう状況なの……?」


呆然と辺りを見渡すしかできない…。

幸い森の深部とかではなく見える範囲に道の様なものと塀が確認できる。

そして、ここはまだ明るいから昼間なのだろう。


「えっ……と……」


どうすればいいのか…
全く回ってない頭で必死に考えていると、目の前にドサッという音とともにカバンと手紙が落ちてきた。


ご丁寧に私に見えるように『安藤 ゆずき様』と書かれている。


******************


安藤 ゆずき様へ


この度、誤って異世界転移させてしまいました。
申し訳ございません。

元の世界に戻すことはできませんが、できる限りの加護とスキルの付与をさせていただきました。

あとお詫びとして少しのアイテムとお金をインベントリに入れています。
頭の中で『インベントリ』と念じていただければ中身を確認できますので、街に入る前に確認して装備と少しのお金は取り出して身につけてくださいね。

同じく『ステータス』と念じていただければ、ゆずき様のステータスの確認ができます。

街に入ったらまず冒険者登録と奴隷の入手をおすすめします。

では、良い異世界ライフを……
あ、今そちらは朝の9時頃ですよ。ステータス画面の左上に表示がありますから確認してくださいね。



癒しの女神より


******************



「んんん???……異世界?」


訳の分からない手紙だけど、今頼れる情報はこれしかない。


『インベントリ』


頭の中で念じてみる。
すると、目の前にリストがでてきた。


・金貨1000枚
・銀貨1000枚
・銅貨1000枚
・ローブ
・シャツ
・ズボン
・ブーツ
・ショートソード



「……うわ、本当に出てきた…お金…どれくらいの価値か分からないけど数えるの面倒くさくなったのかな……どうやって取り出すんだろ……」 


取り出し方も収納の仕方も分からないから試行錯誤するしかない。


「ラノベとかでは大体念じればでてくるよねぇ…」


そう思い、銅貨1枚出ろと念じてみる。


すると、手のひらの上にコロンと出てきた。


「おぉ…出た…」


今度は、収納しろと念じてみると銅貨はフッと消えた。


「おぉ…無くなった…凄い」


とりあえずローブを出し羽織ってみると足首まで隠れたので森の中で着替えるのはやめて靴だけブーツに履き替えることにする。


持ってた通勤用鞄から自作の巾着袋を取り出して残りはインベントリに収納。
代わりに落ちてきたカバンを使うことにする。

肩から斜めにかけるタイプのカバンでたくさん物が入りそうだ。
とりあえず、何も入ってないのも落ち着かないからシャツを入れておいた。



あとは巾着に銀貨を20枚と銅貨を20枚移してローブのポケットに入れる。


ショートソードは…とりあえず出しとく?
使える?
うん、今は収納しとこう。



「あっ……あとステータスか」


『ステータス』



名前:ユズキ
年齢:16歳
職業:
レベル:1
HP:80
MP:150

スキル:光魔法、火魔法、水魔法、料理、裁縫、調薬、鑑定、【全属性魔法】、【インベントリ】、【全言語理解】

加護:癒しの女神の加護

※【⠀】内は隠蔽





「おお…でた」

見ても良く分からないんだけどね。


「若返ってる……え、今16歳ってこと!?」


ありえないことの連続で頭がパンクしそう。


「…………とりあえず街まで行こうかな…壁見えてるし……」




そうしてテクテクと歩き始めた。












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