真実の番は執愛の枷を破却する

オリーゼ

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その交歓は尊厳を損耗させる

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「苦しい! なんだこれ?!……ヴィク。体がおかしい。助けて」
 こらえきれずに泣き言をこぼすと、その懇願を待っていたかのように口元の涎を啜られる。
 ヴィクトルのズボンの前が硬く張り出してアリスターのそこと布越しに擦れ合い、彼も興奮していたと知った。
「挿れたら君も楽になるはずだ」
 楽になるという言葉に縋り付く気持ちで頷くと、ヴィクトルはズボンの前立てを開けてそれを下着の中から引きずり出した。
 最低限しか着衣を乱さないままヴィクトルは、オメガの性器のようにしとどに濡れて柔らかく綻んだ蕾に屹立をあてがいその先端を喰ませる。
 挿入の痛みと入口を擦った時の快感に意識が明滅し、快感とも苦痛とも取れる叫びをアリスターは吐き出した。
「あ゛っ!! 無理!」
「くっ……せま」
 一度身を離したヴィクトルの腕が余裕なくアリスターをうつ伏せにし、獣が交尾の時にそうするように尻だけを持ち上げて屹立を突き立てた。
 先程のスライムの残滓を纏ったままの雄膣は易々とそこに欲望を受け入れ、食い締める。
「アリ、集中して。魔力が乱れてる」
 アリスターは泣きながら首を振った。
 アルファとして受け入れるべきではない同性の大きなそれを腹に収めたのだ。
 魔力の操作など出来るはずがない。
 ヴィクトルは長く野放図に伸びたアリスターの黒髪を掻き分けてその首筋に唇を落とし、丹念に舌で舐り口づけた。
 その瞬間に背筋を官能が駆けおり、ずくりと胎が蠢いた。
「あ……あぁ……」
 アリスターの身体から力が抜ける。
「自分がオメガだと思って僕を受け入れて」
 ヴィクトルはアリスターの奥壁と前立腺を昂りをたくみに操り交互に細かく甘やかしながら、オメガに対してそうする様にうなじを舐めしゃぶり、アルファの雄らしく尖った犬歯を弱くそこに突き立てた。
「それ、や……」
 瞬間走った嫌悪感と恍惚感がない混ぜになってまともに言葉を紡げない。
 かろうじて首を振るとヴィクトルはもう一度うなじに口付け、アリスターを後ろから包みこむようにのしかかって手を回し、つんと張り出した乳嘴を指で転がし弄ぶ。
 湧き出した快感にあわせるように執拗にうなじを甘噛みされるも、アリスターは強く首を振った。
「嫌?」
「気持ち……悪い」
「ここで気持ちよくなれていないのかな。だから嫌なのかも。落ち着いてここに魔力を集めて」
 ヴィクトルの言葉に違和感を感じながらもアリスターは後ろに顔を向けて自分の望みを口に出した。
「キスが、ほしい」
「ああ、おねだりが上手だ。アリスター。望むならいくらだってしてあげる」
 ちゅ、と口元におとされた唇は柔らかくて暖かくて、腹の奥が切なく疼く。
 もっと欲しいのにそれ以上は体勢が許さない。
 アリスターはくちづけが欲しい一心で腰を引き、なんとかヴィクトルに向かい合った。
 頤を抑えられ、半開きになった歯列を割ってヴィクトルの舌がアリスターの上顎を舐めて舌に絡みつく。
 それを陶然と貪ると、ヴィクトルは耳朶を指で弄びながら形を覚え始めた隘路に再び屹立を滑り込ませて小刻みに揺すり、いまだにきついそこをゆっくりと自身の形に押し広げていく。
「もう少し激しく動くよ」
 そう宣言したヴィクトル自身がずるりと先端を残して引かれ、打擲音と共にアリスターの性感帯を抉りながら奥深くに戻される。
 ストロークを繰り返すたびにアリスターの身体は戦慄き、ヴィクトルを締め付ける。
「んんっ……!! あーっ!!!」
 射精せずに達してぐったりと脱力するアリスターの軽い身体を支え自らの上に載せたヴィクトルが、熱っぽい吐息を吐いた。
 頭を抱き寄せられてその肩口に鼻を埋めると、壮年の男性の色気に満ちた体臭が鼻腔をくすぐってアリスターの欲望を乱した。
 ヴィクトルは甘やかすように腰を揺すってアリスターの中を亀頭でこね回しながら、淫らに囁く。
「この方がキスしやすいだろう? 今度はアリからして」
「ん……っ」
 ヴィクトルの頬を両手で挟んで辿々しく舌を絡めると強く抱きしめられて突き上げられる。
「ひうっ……!!」
「アリの中は熱くてキツくて魔力に満ちてて、とても気持ちがいい」
 唇を離されたかと思えば、淫蕩に実った胸の果実を吸われて甘噛みされる。
 彼の素肌の熱が欲しくて、衣服を乱そうとしたが柔らかく拒絶されて甘いキスと強い腰の動きでごまかされた。
「ここ、僕の先っぽに魔力を集めて」
「はひ……」
 臍の下をやさしく撫でられながらも抽挿は強く速くなってアリスターを追いつめる。
 暴力的な快感に何度も当てられて、頭が回らない。
 何度か失敗しながらも従順にヴィクトルの言葉にならって魔力を胎に寄せると彼は満足げに息をついた。
「上手だよ。アリスター。君はいつでも僕の最高の生徒だ」
 頭の後ろに手を添えられ、ご褒美だとでもいいたげに唾液が滴るような濃厚な口付けを与えられる。
 うっとりと心を蕩し、ヴィクトルを受け入れると抽挿が深くなっていく。
 ヴィクトルの先端がついに硬く閉じられていたアリスターの未熟なオメガ器官をこじ開け、そこに先端を押し込んだ。
「あ゛っー!! やだぁ! やだ、そこ、変! 無理! 抜いて!」
 突然走った嫌悪感に、子供のように暴れると宥める様に強く抱きしめられて頭を撫でられる。
「ごめん、アリ。達するまで抜けない。わかるだろ。君もアルファだ」
 ヴィクトルの手がアリスターの手を取って接合部に触れさせた。
 アリスターのそこはすでにヴィクトルの瘤まで飲み込んでいた。
 根元は細くなっているのにすでにそこは限界まで拡がっていて、精を吐き出すか壊すしかないと理解させられる。
「すぐによくなるから自分の魔力と僕の魔力を感じて、僕のを受け入れて」
 意思なくこぼれた生理的な涙を舐めとられ、キスを散らされて、アリスターはヴィクトルの背に手を回してしがみついた。
 仕立てのいいジャケットに皺が寄り、重なる心臓の鼓動と麝香めいたヴィクトルの匂いがアリスターに安らぎと官能をもたらした。
 離れられない状態で結ばれ、未成熟なそこに先端を何度も何度も押しつけられ穿たれて、前立腺を太く大きな欲望で押しつぶされて、アリスターは射精のない絶頂を繰り返す。
 アルファ独特の根元の張り出した陰茎はいつの間にか萎れ、男の抽挿に合わせて陰嚢と共にふるふると震える。
 ヴィクトルが舌を突き出してきて、それを貪ると下からの突き上げがさらに強く深くなる。
「あっ……ああー!!」
 アリスターの肉壁は限界まで張り詰めた雄をきつく喰んだ。
「ううっ……」
 堪えきれずに漏れたヴィクトルの呻き声がアリスターの心を満たしたが、未成熟な胎に蒔かれた他人の魔力はアリスターのアルファとしての尊厳を大きく毀損させた。
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