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SIDE クレア
第一王子と12人の仮婚約者
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私を除いた11人の仮婚約者のご令嬢たちは、幼いころはそれはそれは第一王子トリスタン殿下の気を引くために、熾烈な女の闘いをしていました。
第一王子殿下の容姿が、だんだんとぶよぶよしただらしない体つきになり、元から造りが整っているとは言えないまでも平凡だったお顔は、性格の悪さがにじみ出て醜くなっていき、極度の女好きであることが分かり、剣も魔法も勉強も何一つまともにできないことが分かると、みんな自分が側妻になるべく生贄を誰にするかと考えるようになったのが、傍から見ても一目瞭然でございました。
私は3歳の時には、このお馬鹿な第一王子殿下に見切りをつけたというのに。
皆さま、人を見る目が無さすぎです。
10歳を過ぎ、体が変化し始めると、第一王子殿下がますます気持ち悪くなってきました。
第一王子殿下は私より2歳年上。
今思えば、この頃精通したことにより女性の体に興味を抱くようになり、女性を見る目つきが変わったのでしょう。
13歳になると、私の胸部が他の方と比べて急に大きくなり始めました。
仮婚約者12人全員が集められて定期的に開催されるお茶会で、毎回第一王子殿下の視線が私の胸部に釘付けなのを見て、11人の仮婚約者のご令嬢たちは、私を生贄にすることを決め、策略を巡らせてきました。
第一王子殿下との定期的なお茶会には、必ずすべての仮婚約者が招待されるのですが、皆さま第一王子殿下と私から距離を取って2人きりにするようになりました。
お茶会やパーティーでは、お馬鹿第一王子がいてもいなくても、
「お似合いのお2人ですわね」
「私たちなど、第一王子殿下の側妃になることができるだけで十分ですわ」
などと、第一王子殿下が私を確実に王子妃に選ぶよう、暗示でもかけるように、何度も同じような言葉を繰り返していました。
私の味方は、1人もいませんでした。
お父様とお母様は、私が正妃になることを望んでいました。
第一王子殿下のお手付きになったとしても、大喜びしただけでしょう。
10歳の時から、第一王子殿下のスキンシップが激しくなりました。
怖くて、気持ち悪くて、第一王子殿下に触られると体が固まって動けなくなって、第一王子殿下の前で涙を見せないようにするのが精一杯で、いつも自分の部屋で泣いていました。
私の体つきが女性らしくなっていくにつれ、第一王子殿下のスキンシップは執拗になっていきました。
孤独な闘いでした。
何度も死んでしまいたいと思いましたし、もし私が王子妃に選ばれてしまったら、死を選ぼうと心に決めていました。
そんなある日、体が固まり動けなくなり、今日も第一王子殿下に全身触られるのかと震えていたのですが、突然第一王子殿下の手の感触がしなくなりました。
そっと目で第一王子殿下の手を追うと、確かに私の体を撫でまわしています。
第一王子殿下の方も違和感を感じたようです。
「チッ!父上と母上に俺が王太子になるにはお前が正妃になることが絶対だから、婚姻までお前にだけは手を出すなといったから触るだけで我慢してやってるのに、何を仕込んできやがった!?」
鬼のような形相で、ドレスをつかもうとしてきました。
いえ、ドレスを引き裂こうとしてきました。
けれど、第一王子殿下の手が私のドレスをつかむことはありませんでした。
思い通りにならないことに苛立ち、私を突き飛ばして床に倒したことで取り敢えず満足したのか、第一王子殿下は他の仮婚約者のところへ行ってしまいました。
他の仮婚約者たちから非難の目が私に降り注がれましたが、助けてくれなかった皆さまに私がなにかをして差し上げることはありません。
その日、私は自分に稀有な属性の魔法が使えることを理解しました。
誰も私を守ってくれませんでしたし、これからも誰も私を守ってくれることはないでしょう。
私は誰にも言うことなく、第一王子殿下から自分の身を守る手段を手に入れることにしました。
第一王子殿下の容姿が、だんだんとぶよぶよしただらしない体つきになり、元から造りが整っているとは言えないまでも平凡だったお顔は、性格の悪さがにじみ出て醜くなっていき、極度の女好きであることが分かり、剣も魔法も勉強も何一つまともにできないことが分かると、みんな自分が側妻になるべく生贄を誰にするかと考えるようになったのが、傍から見ても一目瞭然でございました。
私は3歳の時には、このお馬鹿な第一王子殿下に見切りをつけたというのに。
皆さま、人を見る目が無さすぎです。
10歳を過ぎ、体が変化し始めると、第一王子殿下がますます気持ち悪くなってきました。
第一王子殿下は私より2歳年上。
今思えば、この頃精通したことにより女性の体に興味を抱くようになり、女性を見る目つきが変わったのでしょう。
13歳になると、私の胸部が他の方と比べて急に大きくなり始めました。
仮婚約者12人全員が集められて定期的に開催されるお茶会で、毎回第一王子殿下の視線が私の胸部に釘付けなのを見て、11人の仮婚約者のご令嬢たちは、私を生贄にすることを決め、策略を巡らせてきました。
第一王子殿下との定期的なお茶会には、必ずすべての仮婚約者が招待されるのですが、皆さま第一王子殿下と私から距離を取って2人きりにするようになりました。
お茶会やパーティーでは、お馬鹿第一王子がいてもいなくても、
「お似合いのお2人ですわね」
「私たちなど、第一王子殿下の側妃になることができるだけで十分ですわ」
などと、第一王子殿下が私を確実に王子妃に選ぶよう、暗示でもかけるように、何度も同じような言葉を繰り返していました。
私の味方は、1人もいませんでした。
お父様とお母様は、私が正妃になることを望んでいました。
第一王子殿下のお手付きになったとしても、大喜びしただけでしょう。
10歳の時から、第一王子殿下のスキンシップが激しくなりました。
怖くて、気持ち悪くて、第一王子殿下に触られると体が固まって動けなくなって、第一王子殿下の前で涙を見せないようにするのが精一杯で、いつも自分の部屋で泣いていました。
私の体つきが女性らしくなっていくにつれ、第一王子殿下のスキンシップは執拗になっていきました。
孤独な闘いでした。
何度も死んでしまいたいと思いましたし、もし私が王子妃に選ばれてしまったら、死を選ぼうと心に決めていました。
そんなある日、体が固まり動けなくなり、今日も第一王子殿下に全身触られるのかと震えていたのですが、突然第一王子殿下の手の感触がしなくなりました。
そっと目で第一王子殿下の手を追うと、確かに私の体を撫でまわしています。
第一王子殿下の方も違和感を感じたようです。
「チッ!父上と母上に俺が王太子になるにはお前が正妃になることが絶対だから、婚姻までお前にだけは手を出すなといったから触るだけで我慢してやってるのに、何を仕込んできやがった!?」
鬼のような形相で、ドレスをつかもうとしてきました。
いえ、ドレスを引き裂こうとしてきました。
けれど、第一王子殿下の手が私のドレスをつかむことはありませんでした。
思い通りにならないことに苛立ち、私を突き飛ばして床に倒したことで取り敢えず満足したのか、第一王子殿下は他の仮婚約者のところへ行ってしまいました。
他の仮婚約者たちから非難の目が私に降り注がれましたが、助けてくれなかった皆さまに私がなにかをして差し上げることはありません。
その日、私は自分に稀有な属性の魔法が使えることを理解しました。
誰も私を守ってくれませんでしたし、これからも誰も私を守ってくれることはないでしょう。
私は誰にも言うことなく、第一王子殿下から自分の身を守る手段を手に入れることにしました。
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