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「俺の名は大食だ。おのれを殺す者の名ぐらい憶えておくがいい」
鉾を振り上げ彼はこちらの得物を叩き落しにくる。
のふは剣とともに一撃を躱した。刹那、相手はそこから突きへと攻撃を変化させる。
突き上げる一撃を体を捌いて回避した。同時にのふは前へと出る。
「死ぬのはおまえだ」
痛みを気合いで跳ね返すようにのふは声を張った。
瞬間、大食は鉾を引き寄せ旋回させ、柄尻で殴ってきた。
躱せない、と判断しのふは野太刀で打ち合う。わずかに彼女は体勢を崩した。
とたん、柄尻の突きがのふのみぞおちにくり出される。
今度こそ避(さ)けるのが間に合わなかった。
息を詰まらせながら、まずい、とのふは思った。
刹那、彼女は体勢が崩れるのを利用して後ろに迅速に転がる。すると、彼女の視界はふたたび霧に包まれた。
が、油断せず、立ち上がるや横に飛んだ。
その彼女の脇を鉾の穂先がかすめた。とりあえず、霧の中でのふは一息ついた。
だが、片腕に加え、脇腹にまで傷を負っている。みぞおちも痛んだ。
「足往」
かすかに声をもらすと、すぐに足往が傍らに姿をあらわす。
「よし、いい子だ」
今は撫でてやるわけにもいかず言葉だけで褒めた。
だが、それだけでも足往は尾を激しくふる。
と、戦いの中で研ぎ澄まされたのふの神経に引っかかるものがあった。
足音、それも横一列に進んできている。
鉾を振り上げ彼はこちらの得物を叩き落しにくる。
のふは剣とともに一撃を躱した。刹那、相手はそこから突きへと攻撃を変化させる。
突き上げる一撃を体を捌いて回避した。同時にのふは前へと出る。
「死ぬのはおまえだ」
痛みを気合いで跳ね返すようにのふは声を張った。
瞬間、大食は鉾を引き寄せ旋回させ、柄尻で殴ってきた。
躱せない、と判断しのふは野太刀で打ち合う。わずかに彼女は体勢を崩した。
とたん、柄尻の突きがのふのみぞおちにくり出される。
今度こそ避(さ)けるのが間に合わなかった。
息を詰まらせながら、まずい、とのふは思った。
刹那、彼女は体勢が崩れるのを利用して後ろに迅速に転がる。すると、彼女の視界はふたたび霧に包まれた。
が、油断せず、立ち上がるや横に飛んだ。
その彼女の脇を鉾の穂先がかすめた。とりあえず、霧の中でのふは一息ついた。
だが、片腕に加え、脇腹にまで傷を負っている。みぞおちも痛んだ。
「足往」
かすかに声をもらすと、すぐに足往が傍らに姿をあらわす。
「よし、いい子だ」
今は撫でてやるわけにもいかず言葉だけで褒めた。
だが、それだけでも足往は尾を激しくふる。
と、戦いの中で研ぎ澄まされたのふの神経に引っかかるものがあった。
足音、それも横一列に進んできている。
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