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他方、山中鹿之助たちはけわしい顔つきこそしているがその挙動は落ちついたものだ。
もしや、と思ってロレンソはアルメイダのようすを確かめる。
おどろいてはいるものの動揺の気配はない、よほど肝が太いのでもなければあらかじめ事態を予測していないとありえない態度だ。
そんな彼を目が合った。どうします、そんな問いかけのせりふをロレンソは相手の瞳から読み取る。
わしを同道させたのは巻き込むためにわざとか――彼は苦い気持ちを抱いた。
しかし、それ以上なにかを考えている暇は与えられない。
閃、出入り口のほうから飛び込んできた者たちのひとりが問答無用で斬りかかってくる。
とっさに転がって躱す。
鋭い一撃がこちらを追った。
それをなんとか二度三度を回避し、機を見いだすや立ち上がる。
電光の迅さで相手の股を蹴り上げた、並行し襲撃者の腕をとらえ攻撃を防いでいた。さらに間を空けずひざを敵の顔面に叩き込む。これにはたまらず相手は大刀を手放した。
“錆びついている”、その事実をロレンソは突きつけられる。以前であればもっと早い段階で反撃に出て得物を奪えていたはずだ。
間に合うか――背筋を寒くしながら大刀をふるう。
後続の忍び者の大刀が描いた銀弧になんとか刀身を割り込ませることに成功した。硬質な音がひびき火花が散る。
しかし、相手の膂力に圧された。体勢がくずれかける。
そんな彼に三人目の忍び者が肉薄してきた。その目もとが笑っているのを確かにロレンソは目撃した。
結句のところ、わしはかような死に方をするのか――うつろな気持ちが胸を満たす。
もしや、と思ってロレンソはアルメイダのようすを確かめる。
おどろいてはいるものの動揺の気配はない、よほど肝が太いのでもなければあらかじめ事態を予測していないとありえない態度だ。
そんな彼を目が合った。どうします、そんな問いかけのせりふをロレンソは相手の瞳から読み取る。
わしを同道させたのは巻き込むためにわざとか――彼は苦い気持ちを抱いた。
しかし、それ以上なにかを考えている暇は与えられない。
閃、出入り口のほうから飛び込んできた者たちのひとりが問答無用で斬りかかってくる。
とっさに転がって躱す。
鋭い一撃がこちらを追った。
それをなんとか二度三度を回避し、機を見いだすや立ち上がる。
電光の迅さで相手の股を蹴り上げた、並行し襲撃者の腕をとらえ攻撃を防いでいた。さらに間を空けずひざを敵の顔面に叩き込む。これにはたまらず相手は大刀を手放した。
“錆びついている”、その事実をロレンソは突きつけられる。以前であればもっと早い段階で反撃に出て得物を奪えていたはずだ。
間に合うか――背筋を寒くしながら大刀をふるう。
後続の忍び者の大刀が描いた銀弧になんとか刀身を割り込ませることに成功した。硬質な音がひびき火花が散る。
しかし、相手の膂力に圧された。体勢がくずれかける。
そんな彼に三人目の忍び者が肉薄してきた。その目もとが笑っているのを確かにロレンソは目撃した。
結句のところ、わしはかような死に方をするのか――うつろな気持ちが胸を満たす。
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