ヌーバニア

ヌーバス

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ヤボザ

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139


レイリョク部隊の長はジャラージャである
副隊長はジュスズである

王はジュスズを戸R 国偵察へと向かわせる準備をしている

予知レイリョクによって 戸R国偵察の結果は非常に細かいところまで王は把握している

ジュスズが竜Q国の第一軍師の猿に出会うことも知っている
ジュスズが鳳O国の海軍提督アラコルトと出会うことも事前に予知している

これほど細かく未来を予知できることは希である

未来は刻々と変化している

ただ、希にこのような確定しているかのごとき未来もまたあるのだった

ジュスズの戸R国偵察は実際何の成果ももたらさない
かのようである
しかし

この世界を大局的に捉えることが可能な者にとっては……

実はダジャの個人的な関心は他にある

ほんの束の間ではあるが
ジュスズは竜Q国第二軍師フールモと触れあうのだ

この予知は未来の事実とも呼べるほど確定している

フールモ
つまり あの 『昔から常に居る者』とジュスズは触れあうのだ

ジュスズも王ダジャも優秀なレイリョク使いなので
戸R国偵察から帰還したジュスズの指先に触れるだけで

王はフールモと実際触れあうほどの経験を得ることができる

T舵国王ダジャは
その僅かな手掛かりからフールモの謎の一部に迫れるのではないかと期待している



140


『昔から常に居る者』フールモ

謎である

フールモには予知レイリョクが届かないのだが
ジュスズの戸R国偵察に関する未来にだけ
T舵国王ダジャの予知レイリョクがフールモに届いたのだ

おそらく何らかの深い思いのもとにフールモがダジャに近づいた
ということなのだろうとT舵国王ダジャは思う

フールモ 『昔から常に居る 者』謎に満ちた人物

ダジャ王は知識ある者を召集してフールモについて調 べたのだが

益々謎は深まるばかりである

T舵王の頭脳と言われる老師ヌヌヲでさえ

「わしが若い頃すでにフールモは『 昔から居る者』と
呼ばれてをった 」
とのこと

老師ヌヌヲは
その頭脳だけでサンカクの干渉の存在を明らかにし
その論理をT舵国王ダジャに説いた

老師の頭脳とダジャのレイリョクによって
ジャラージャ村のレイリョク近衛部隊はサンカクの干渉から脱出することに成功したのだが

そのヌヌヲ老師でさえ

「フールモはそもそもサンカクより先にこの世界に存在していたはずじゃ
わしがそう思うのだから
事実じゃ  」

と言うばかりで
フールモの実態に迫ることができない

T舵国王ダジャは何度もフールモに会うためにフールモ隊が駐屯する場所へ出掛けた
その度にフールモは不在とのことであった

フールモが避けているのか
あるいは大いなる時空間管制の技をフールモが修得しているのか

噂によれば竜Q国王リュウライその人さえ竜Q国第二軍師フールモと直接会ったことがないという

本来なら竜Q国第一軍師になるべきフールモが第二に甘んじているのは
その神出鬼没な自由行動ゆえだとのこと



141


「エニュニは何処にいきましたん
ですか? 」

ヤボザが王に問う

ジャラージャ村では誰でも王ダジャに直接話しかけて構わない

訓練の休憩時間に
T舵国王ダジャに近衛部隊長ヤボザが近づき質問したのである

王は少しだけ驚いた

T舵国王ダジャには強大なレイリョクが何種類かある

人の記憶を書き換えてしまうレイリョクがあるのだが
それは例えば娘のジャラージャにであろうと秘密にしている

記憶を書き換えてしまう王など誰も信用しない
その事は予知レイリョクに依らずとも解る

エニュニという少年は確かにこのジャラージャ村にいた
昨日までいた

忽然と消えたのである

漠然とした予知レイリョクの大波がT舵国王ダジャに押し寄せた

王の能力を遥かに越える意識が複数、その大波に紛れ込んでいた

王に解ったのは
エニュニの存在の痕跡を消さねばならないということだけであった

複数の大いなる意思に操られているのではないかという危惧はあった

だが論理的な危惧より本能的な判断を優先させた

ジャラージャ村の全員

そしてエニュニに関わったすべての人の記憶を書き換えることにした

ジャラージャ村の全員の記憶はすでに書き換えた

だから近衛部隊長ヤボザが

「エニュニは何 処にいきましたん
ですか? 」

と質問してきたことに少し驚いたのだ

だがすぐ納得した

ヤボザは祓えのちからで王の記憶書き換えレイリョクを祓ったのである

ヤボザの祓え
ハラエのちからはレイリョクではない

では何のちからなのかと訊かれても王には解らない

ただ、強大なレイリョク使いである王ダジャには
ヤボザのハラエがレイリョクではないことが実感としてあるだけである







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