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とりあえず死亡、そして起床。
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「…止まないなー…」
大学からの帰り道。
急な土砂降りの雨に降られた私、神南 愛瑠は、通りかかった公園にある東屋で、かれこれ30分ほど雨宿りをしていた。
今日の天気予報では降水確率10%と言っていたので、あいにく傘は持ってきていない。芸人さんかな?というムダに高いテンションが売りの男性気象予報士さんは、きっと今この瞬間、人の身には余りある程の呪詛の念を多くの人間から向けられていることだろう。私も向けてる。
一応コンパクトさ優先に持ち歩いている折りたたみ傘はあるものの、カバンから取り出す間もなく勢いを増した雨によって既に全身びしょ濡れな上にこの雨風では、差しても何の意味もない。ただ乾かすために広げることで、自宅の狭い玄関が占領されるだけだ。
通り雨ならすぐに止むだろうと様子を見ていたが、むしろ勢いを増してきている気さえする。
「…これは覚悟を決めて濡れて帰るしかないかな?」
一人暮らしをしている自宅までは、走れば10分程。
…いやムダに見栄を張ったが、近年運動を全くしていない体力では、実際には15分強。か、それ以上。
とにかく今以上に濡れネズミにはなるだろうが、いい加減体が冷えて寒くなってきたので諦めよう。
諦めたらそこで試合終了だが、今の私はすでに真っ白に燃え尽きた後だ。
よし、と覚悟を決め、防水が心もとないカバンを胸に抱え込み、雨の中に走り出す。
打ち付ける雨粒のせいで目があまり開けられず視界は悪いし、走るたびに靴がグショグショと不快な重さで足止めをかけてくるから嫌になる。
10分ほど走……競歩…早足程度かも……とにかく家まであと1/3程度、という住宅街。
いい加減息は切れて心臓も肺も痛くなり、日々の運動不足を嘆いた曲がり角。
薄く開けていた目に映ったのは、眩しいばかりのヘッドライトだった。
「……これは死んだな」
あれは確実に死んだ。人生詰んだ。BGMは蛍の光。
目が覚めたのに死んだというのもいかがなものかと思うが、あの状況では自分は間違いなく前面ミンチになっただろうことは確実なので仕方ない。諦めよう。
とりあえず天涯孤独という身の上だったし、悲しんでくれるような親しい友人も恋人もいなかったし、部屋に見られて困るものもなかったはずなので、うん、大丈夫。仕方ない。
幸いなのは、あまり事故の痛みを覚えていないことだと思う。そこはラッキー。だって絶対痛かった。ミンチになったことないけど。
加害者となってしまった運転手さん、角から急に飛び出してすみません。
でも雨で視界の悪い住宅密集地であれ程スピード出してたんだから、やっぱりあなたもギルティです。
脳内で判決を下していた私は、うむ、と一つ頷いてからゆっくり体を起こした。
……あれ…?
「なんでミンチになってないんだろ?」
「それは君の魂に、生前の記憶を元に再現されたヒトガタを貸しているからかな」
急に横から知らない声がしたので本当に驚いた。
勢いよくそちらを見ると、全く知らない美麗な顔が楽しそうに笑っていたので、さらに心臓が暴徒化した。
美麗さんが笑ってる内容が、「目も口も大きくて真ん丸で出目金みたいでかわいいね」なのは、ド派手に爆ぜろと思うけど。
「…どなたですか?」
「うん、僕は一番偉い神様だよ」
「あ、宗教の勧誘はお断りしてます」
「えー?本当なのに」
「厨二から成長できない成人もお断りしてます」
スン顔でノーセンキューしたのに、自称神なきっと頭沸いてる人は、楽しそうに笑って喜んでる。
あ、やっぱりヤバい人だわ。真正のMなんだわ若いのに可哀そう苦労しそう。主に周りが。
「いや別に貶されて喜んでるわけじゃないからね?僕Mじゃないし。思った通りの子だなーと思ったから嬉しいだけだよ?それに僕はMじゃないから」
心外!って感じで大げさに肩を上げて見せながらため息をつく自称神は、神と信じてほしいよりも、Mではないことを優先して信じてほしいようだ。
大事なことなので2回言いました、って顔で微笑まれた。
というか、いま自然に心読みました?
顔がいいからって何しても許されると思わないでほしい。
というか男?なのに、私なんか足元の地下15mくらいまで及ばないくらい綺麗な顔と肌と髪とか、羨ましい通り越して殺意しか芽生えないわ。
後光やら薔薇やらが標準装備の人とか…マンガの中だけじゃないのね。
何よりおなごのココロをのぞき見とか、釘バットで袋叩きにしたいレベルで大罪なんですが…
「君チベットスナギツネの表情のままで怖いこと考えるね」
「潰れたトマトをイメージすると心が少し落ち着きます」
「え、ちょっとほんとに怖いんだけど」
そんなにドン引きしなくてもいいじゃない。
とりあえず、あなた本当にダレ??
大学からの帰り道。
急な土砂降りの雨に降られた私、神南 愛瑠は、通りかかった公園にある東屋で、かれこれ30分ほど雨宿りをしていた。
今日の天気予報では降水確率10%と言っていたので、あいにく傘は持ってきていない。芸人さんかな?というムダに高いテンションが売りの男性気象予報士さんは、きっと今この瞬間、人の身には余りある程の呪詛の念を多くの人間から向けられていることだろう。私も向けてる。
一応コンパクトさ優先に持ち歩いている折りたたみ傘はあるものの、カバンから取り出す間もなく勢いを増した雨によって既に全身びしょ濡れな上にこの雨風では、差しても何の意味もない。ただ乾かすために広げることで、自宅の狭い玄関が占領されるだけだ。
通り雨ならすぐに止むだろうと様子を見ていたが、むしろ勢いを増してきている気さえする。
「…これは覚悟を決めて濡れて帰るしかないかな?」
一人暮らしをしている自宅までは、走れば10分程。
…いやムダに見栄を張ったが、近年運動を全くしていない体力では、実際には15分強。か、それ以上。
とにかく今以上に濡れネズミにはなるだろうが、いい加減体が冷えて寒くなってきたので諦めよう。
諦めたらそこで試合終了だが、今の私はすでに真っ白に燃え尽きた後だ。
よし、と覚悟を決め、防水が心もとないカバンを胸に抱え込み、雨の中に走り出す。
打ち付ける雨粒のせいで目があまり開けられず視界は悪いし、走るたびに靴がグショグショと不快な重さで足止めをかけてくるから嫌になる。
10分ほど走……競歩…早足程度かも……とにかく家まであと1/3程度、という住宅街。
いい加減息は切れて心臓も肺も痛くなり、日々の運動不足を嘆いた曲がり角。
薄く開けていた目に映ったのは、眩しいばかりのヘッドライトだった。
「……これは死んだな」
あれは確実に死んだ。人生詰んだ。BGMは蛍の光。
目が覚めたのに死んだというのもいかがなものかと思うが、あの状況では自分は間違いなく前面ミンチになっただろうことは確実なので仕方ない。諦めよう。
とりあえず天涯孤独という身の上だったし、悲しんでくれるような親しい友人も恋人もいなかったし、部屋に見られて困るものもなかったはずなので、うん、大丈夫。仕方ない。
幸いなのは、あまり事故の痛みを覚えていないことだと思う。そこはラッキー。だって絶対痛かった。ミンチになったことないけど。
加害者となってしまった運転手さん、角から急に飛び出してすみません。
でも雨で視界の悪い住宅密集地であれ程スピード出してたんだから、やっぱりあなたもギルティです。
脳内で判決を下していた私は、うむ、と一つ頷いてからゆっくり体を起こした。
……あれ…?
「なんでミンチになってないんだろ?」
「それは君の魂に、生前の記憶を元に再現されたヒトガタを貸しているからかな」
急に横から知らない声がしたので本当に驚いた。
勢いよくそちらを見ると、全く知らない美麗な顔が楽しそうに笑っていたので、さらに心臓が暴徒化した。
美麗さんが笑ってる内容が、「目も口も大きくて真ん丸で出目金みたいでかわいいね」なのは、ド派手に爆ぜろと思うけど。
「…どなたですか?」
「うん、僕は一番偉い神様だよ」
「あ、宗教の勧誘はお断りしてます」
「えー?本当なのに」
「厨二から成長できない成人もお断りしてます」
スン顔でノーセンキューしたのに、自称神なきっと頭沸いてる人は、楽しそうに笑って喜んでる。
あ、やっぱりヤバい人だわ。真正のMなんだわ若いのに可哀そう苦労しそう。主に周りが。
「いや別に貶されて喜んでるわけじゃないからね?僕Mじゃないし。思った通りの子だなーと思ったから嬉しいだけだよ?それに僕はMじゃないから」
心外!って感じで大げさに肩を上げて見せながらため息をつく自称神は、神と信じてほしいよりも、Mではないことを優先して信じてほしいようだ。
大事なことなので2回言いました、って顔で微笑まれた。
というか、いま自然に心読みました?
顔がいいからって何しても許されると思わないでほしい。
というか男?なのに、私なんか足元の地下15mくらいまで及ばないくらい綺麗な顔と肌と髪とか、羨ましい通り越して殺意しか芽生えないわ。
後光やら薔薇やらが標準装備の人とか…マンガの中だけじゃないのね。
何よりおなごのココロをのぞき見とか、釘バットで袋叩きにしたいレベルで大罪なんですが…
「君チベットスナギツネの表情のままで怖いこと考えるね」
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